ミニキッチン寸法一覧とサイズ選択
ミニキッチンの基本寸法
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間口サイズ
90cm、105cm、120cm、150cmの4つが標準規格
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奥行・高さ
奥行50-60cm、高さ1900mm程度が一般的
ミニキッチン間口サイズ一覧と特徴
ミニキッチンの間口サイズは、設置スペースと使用目的に応じて選択する最も重要な要素です。一般的に流通している標準規格は以下の通りです。
90cmタイプ
- 最もコンパクトなサイズ
- ワンルームマンションや給湯室に最適
- 調理スペースが限られるため、簡易的な調理向け
- 価格帯:18万円〜21万円程度
105cmタイプ
- 90cmより若干余裕があるサイズ
- 単身者向けアパートに適している
- 基本的な調理機能は十分確保
- 価格帯:19万円〜22万円程度
120cmタイプ
- 調理スペースが確保できる人気サイズ
- カップル向け物件や小規模オフィスに最適
- シンクと加熱機器の間に作業スペースあり
- 価格帯:20万円〜23万円程度
150cmタイプ
- ゆとりのある調理スペースを提供
- ファミリー向けセカンドキッチンとして利用
- 本格的な調理にも対応可能
- 価格帯:24万円〜27万円程度
タカラスタンダードの事例では、120cm間口のKUW-120が税抜119,000円、90cm間口のKUW-90が税抜111,600円で提供されており、間口サイズによる価格差は比較的小さく設定されています。
ミニキッチン奥行と高さ寸法詳細
ミニキッチンの奥行と高さは、設置スペースの制約と使い勝手のバランスを考慮して決定する必要があります。
奥行寸法の特徴
- 標準奥行:50cm〜60cm
- 一般的なキッチンより20-30cm浅い設計
- 狭い空間でも圧迫感を与えない
- 配管スペースも考慮した設計
メーカー別の標準奥行。
- ドルフィン製:500mm(全モデル共通)
- タカラスタンダード:約55cm程度
- サンワカンパニー:500mm〜600mm
高さ寸法の構成
ミニキッチンの高さには2つの要素があります。
- カウンター高さ
- 床からカウンタートップまで:850mm〜900mm
- 使用者の身長に応じて調整可能
- 疲労軽減のため適切な高さ選択が重要
- 総高さ
- 上台・下台込みの総高さ:1900mm
- 天井高2400mmの一般的な居室に対応
- 梁がある場合はカスタム対応で調整可能
奥行が浅いことで、キッチン前面のスペースを有効活用でき、狭い住戸でも動線確保が容易になります。特に賃貸物件では、入居者の利便性向上につながる重要な要素です。
ミニキッチンメーカー別寸法比較
主要メーカーのミニキッチンには、それぞれ特徴的な寸法設計があります。不動産事業者として把握しておくべき各社の特徴を詳しく解説します。
タカラスタンダード KUW型
- 間口:90cm、120cm
- 奥行:約55cm
- 高さ:約190cm
- 特徴:ホワイト単色、シンプル設計
- 価格:111,600円〜119,000円(税抜)
ドルフィン製ミニキッチン
- 間口:900mm、1050mm、1200mm、1500mm
- 奥行:500mm(全タイプ共通)
- 高さ:1900mm
- 特徴:豊富なサイズバリエーション
- 価格:182,800円〜268,000円
サンワカンパニー製品
- 多様なデザインシリーズを展開
- コンパクトキッチン「ユニティ」:奥行50cm
- モルタナシリーズ:187,100円〜
- メタロシリーズ:104,650円〜
亀井製作所 Repeat
- 1cm単位でのサイズオーダー対応
- 間口:600mm〜1500mm
- 奥行:ステンレストップ500mm、580mm、600mm
- 高さ:上台・下台個別調整可能
- 特徴:デザイナーズマンション向けカスタム対応
Repeatのカスタムオーダー機能は、設計の自由度が高く、特殊な間取りの物件にも対応できるため、不動産開発時の強力な選択肢となります。納期も通常品と同等で提供される点も大きなメリットです。
メーカー選択時の不動産業界での考慮点。
- 入居者層に応じたデザイン性
- メンテナンス対応の充実度
- 交換部品の入手性
- 設置工事の簡便性
ミニキッチンサイズ選び方のポイント
不動産物件でのミニキッチンサイズ選択は、入居者のライフスタイルと物件の特性を総合的に判断する必要があります。
間口サイズ選択の指針
90cm〜105cmが適している場合:
- 学生向けワンルームマンション
- 単身赴任者向け短期滞在型住宅
- 簡易調理(レトルト食品温め、お湯沸かし)がメイン
- 冷蔵庫は別途設置スペースを確保
120cmが最適な場合:
- 若手社会人向けアパート
- カップル向け1DK物件
- 基本的な自炊を想定した設計
- 調理スペースとシンクの両立
150cmを検討すべき場合:
- ファミリー向けセカンドキッチン
- 高級賃貸物件での差別化要素
- 料理好きの入居者をターゲット
- 来客時の補助キッチンとして
設置スペースからの逆算方法
設置予定スペースの寸法測定時のポイント。
- 間口:壁間距離から5cm程度の余裕を確保
- 奥行:配管スペース10cm+本体奥行+前面動線60cm以上
- 高さ:天井高から梁・配管を差し引いた有効高さ
入居者ニーズに基づく機能選択
基本仕様での検討事項。
- IHヒーター(100V/200V)とガスコンロの選択
- 冷蔵庫組み込み型か別置き型か
- 換気扇の必要性(法的要件との適合)
- 水栓タイプ(混合水栓が一般的)
オプション機能の費用対効果。
- ミニ冷蔵庫(40L):32,500円
- 200V IHヒーター:約20,000円追加
- ミラー扉棚(洗面台兼用):15,000円
賃貸物件では、入居者の料理頻度と滞在期間を想定し、過不足のない仕様選択が入居率向上につながります。
ミニキッチン設置時の寸法注意点と法規制対応
ミニキッチン設置では、建築基準法や消防法などの法規制への適合が必要です。不動産事業者として把握しておくべき設置時の寸法規制と実務上の注意点を詳しく解説します。
建築基準法による寸法制約
キッチン設置時の法的要件。
- 換気設備:調理器具使用時の換気能力確保(建築基準法施行令第129条)
- 排水設備:適切な勾配と管径の確保
- 電気設備:専用回路の設置(200V IH使用時)
- ガス設備:ガス栓位置と安全距離の確保
消防法による設置制約
火気使用設備としての規制。
- 可燃物からの離隔距離:15cm以上(不燃材料での被覆時は除外可能)
- 排気ダクトの設置基準:不燃材料での施工
- 消火器設置義務:延床面積150㎡以上の物件
配管・配線工事での寸法考慮事項
給排水管工事の実務ポイント。
- 給水管:13A以上の管径確保
- 排水管:50A以上、勾配1/50以上
- ガス管:15A(都市ガス)、20A(LPガス)が一般的
- 電気配線:専用ブレーカー20A以上推奨
既存建物での設置制約
リノベーション時の技術的制約。
- 梁下有効高さ:1900mm確保困難な場合のカスタム対応
- 配管ルート:既存躯体での制約
- 荷重制限:床スラブの許容荷重確認
- 開口部:搬入経路の寸法確認
亀井製作所のように1cm単位でのサイズ調整が可能なメーカーを選択することで、既存建物の制約下でも最適な設置が実現できます。
保守メンテナンス空間の確保
長期運用での考慮事項。
- 背面点検スペース:10cm以上推奨
- 側面アクセス:片側5cm以上
- 上部点検口:換気扇メンテナンス用
- 床下点検:排水管清掃アクセス
不動産物件でのミニキッチン設置は、初期コストだけでなく、入居者の使い勝手とメンテナンス性を総合的に判断することが重要です。特に賃貸物件では、故障時の迅速な対応が可能な設計とすることで、長期的な収益性向上につながります。
設置工事業者との事前協議では、これらの寸法制約を十分に検討し、法規制に適合した施工計画を立案することが不可欠です。また、入居者への説明資料として、ミニキッチンの仕様と使用上の注意点を明文化しておくことも、トラブル防止の観点から推奨されます。
タカラスタンダード公式サイト - ミニキッチンKUW型の詳細仕様と価格情報
亀井製作所 - ミニキッチンのサイズオーダー対応とカスタマイズ事例