

高畑充希は、本来「お笑い芸人」としてデビューする予定だったと、三菱地所のCM撮影インタビューで明かしている。
高畑充希(たかはた みつき)は、1991年12月14日生まれの女優・歌手で、大阪府東大阪市出身です。ホリプロ所属で、身長158cm、血液型はAB型。現在の夫は俳優の岡田将生で、2025年には第1子も誕生しています。
彼女の経歴は、一般的な「オーディション→ドラマデビュー」という王道ルートとはまったく異なります。2005年、山口百恵トリビュートミュージカル『プレイバックpart2〜屋上の天使』の主役オーディションでグランプリを獲得し、舞台女優としてデビューしました。物心ついた頃から舞台女優に憧れ、8歳のときに観た舞台「奇跡の人」に強く感銘を受けたと語っています。
三菱地所CMとの縁も、この舞台出身という背景と切り離せません。丸の内には数多くの劇場が集まっており、高畑さんは幼い頃から観劇のために訪れていた場所だったのです。「大人のまちという印象があった」と語る彼女にとって、丸の内は単なるロケ地ではなく、自分の原点に近い場所でもあります。
2007年から2012年にかけては、ミュージカル「ピーターパン」で8代目ピーターパンを務めました。これはかなりの長期就任で、当時から舞台の世界で確かな実力を積み重ねてきたことがわかります。
その後もミュージカル「奇跡の人」「アリス・イン・ワンダーランド」など多彩な舞台作品に出演。2014年には連続テレビ小説「ごちそうさん」でヒロインを務め、一気に全国区の知名度を獲得しました。
三菱地所CMへの起用は2017年度からスタートしました。これは芸能活動開始からちょうど12年後のことです。以後、2021年からの「三菱地所と次にいこう。」シリーズでも継続起用されており、2025年現在もなお同CMに出演し続けています。芸能生活20周年を超えた今も、三菱地所の顔として活躍中です。
ミュージカル出身らしく、CMでも歌唱シーンは自然体で、「Quiz Style Chorus」と呼ばれるクイズ形式の楽曲を軽やかに歌い上げる姿が視聴者に好評を得ています。これが単なる「顔のいいタレント」起用ではなく、歌えて演じられる実力派女優を選んでいる証拠です。
三菱地所公式サイトのCMリリース(高畑充希さんのインタビューあり):
三菱地所 新CM「三菱地所と次にいこう。」東京駅前丸の内篇・プレミアム・アウトレット篇(公式)
三菱地所のCM女優は、時代ごとにブランドのメッセージを体現する形で選ばれてきました。ここでは、主な歴代女優とその出演期間を整理しておきます。
| 期間 | 女優名 | CMシリーズ名 |
|---|---|---|
| 〜2009年頃 | 内田真礼ほか | 複数シリーズ |
| 2010〜2018年 | 桜庭ななみ | 「三菱地所を、見に行こう。」 |
| 2017年〜現在 | 高畑充希 | 「新しい匂いのする街」→「三菱地所と次にいこう。」 |
| 2024〜2025年 | 白神美弥妃 | 「三菱地所レジデンス」篇 |
| 2025年 | 白神美弥妃 | 「つながりは、強さになる。」篇 |
まず2010年から2018年まで8年間にわたってCMを務めたのが、桜庭ななみです。「三菱地所を、見に行こう。」という親しみやすいキャッチコピーで、リメイクバスに乗って全国のまちを巡るストーリー仕立てのCMは多くのファンに愛されました。桜庭ななみは2010年の映画「サマーウォーズ」で声優としても活躍し、注目が高まっていた時期と重なります。清純なイメージが三菱地所の「街に寄り添う企業」というコンセプトとマッチしていました。
桜庭ななみが8年という長期にわたってCMキャラクターを務めたのも、三菱地所の特徴的な点です。短期間でキャラクターを入れ替えるCMが多い中、「顔」として腰を据えて起用するスタイルは、企業ブランドに安定感と信頼を与えています。
2017年から登場した高畑充希は、「新しい匂いのする街」シリーズでまず起用され、2021年から「三菱地所と次にいこう。」というシリーズへと移行。協創篇・サステナブル篇・多様性篇と続き、2025年には「東京駅前丸の内篇」「プレミアム・アウトレット篇」と展開を続けています。桜庭ななみの8年に迫る長期起用がすでに続いており、三菱地所CMの顔として定着していることがわかります。
なお、三菱地所グループには「三菱地所レジデンス」など複数の事業部門があり、それぞれで異なる女優を起用することもあります。2024年には松本いさな(当時)などが三菱地所レジデンスのCMにかぐや姫役として出演しており、グループ全体ではより多彩なキャスティングが行われています。
三菱地所のCM女優を歴代でまとめた参考記事:
三菱地所のCM女優を歴代でまとめ!誰が人気?経歴やプロフィールも(CM女優.com)
2021年3月から始まった「三菱地所と次にいこう。」シリーズは、単なる企業イメージ広告にとどまらない戦略的なコンセプトを持っています。
各シリーズに一貫しているのは、三菱地所が単なる「ビルのオーナー」ではなく、まちをつくる企業であるというメッセージです。建設業・建築業に従事する方々にとっても、この点は見逃せないポイントです。
三菱地所は大手町・丸の内・有楽町エリアを中心に、日本最大規模のまちづくりを展開しています。丸の内に本社を置く上場企業の売上高合計は約155兆円にも上ります。これは日本全体の企業活動において、三菱地所が手がけるエリアがいかに巨大な経済圏を形成しているかを端的に示しています。
三菱地所グループの連結売上高は約1兆5,000億円規模(2024年3月期)に達しており、デベロッパー大手6社の中でもトップクラスです。これだけの規模の企業が、毎年継続的にブランド広告を打ち続けているという事実は、CM女優の選定にもそれなりのコストと戦略が注ぎ込まれていることを意味します。
「三菱地所と次にいこう。」というスローガンは、2030年を見据えた中長期経営計画ともリンクしています。建設業・建築業の方にとっては、このCMに登場するロケ地が今後の大型プロジェクトのヒントになることも多いのです。
使用楽曲のメロディが、2010〜2017年放映の「三菱地所を見に行こう」時代の旋律をベースにリメイクされている点も、長年このCMを見続けてきた視聴者へのオマージュとなっています。これが「口ずさみやすい」と感じる理由のひとつです。
三菱地所CMのロケ地は、実は建築・建設業界にとって非常に重要な「現場」と重なっています。
最も注目すべきは「TOKYO TORCH(東京トーチ)」です。東京駅日本橋口前に位置するこのプロジェクトは、地上62階・高さ約385メートルという日本一の高さを誇る超高層ビル「Torch Tower(トーチタワー)」の建設を含む、超大型複合開発です。設計監理は三菱地所設計、施工は清水建設(一部戸田建設・三井住友建設)が担っており、完成予定は2027年度です。
2021年の「協創」篇CMでは、まさにこのTOKYO TORCHの建設現場が舞台として登場しました。高畑充希が建設中のビルを背景に「街の未来」を歩く映像は、建築業界の最前線と企業ブランドを結びつける演出でした。建設業に従事する方がこのCMを見たとき、ただの「企業イメージ広告」ではなく、自分たちの仕事が社会に与えるインパクトを可視化したものとして受け取れるのです。
丸の内エリアでは継続的な大規模再開発が続いており、1棟あたりの工事費は数百億円規模に及ぶプロジェクトも珍しくありません。三菱地所が「丸の内NEXTステージ」と位置づけるまちづくりは、2020年以降も加速しており、建設・設備・設計に関わるサブコントラクター企業の受注機会も継続的に生まれています。
また「プレミアム・アウトレット篇」のロケ地となった御殿場プレミアム・アウトレット(静岡県御殿場市)も、2025年に開業25周年を迎えた大型商業施設です。これだけ長く運営される施設の維持・修繕工事には、建設業従事者が継続的に携わります。つまり三菱地所CMに映し出される施設は、いずれも建築業界にとってリアルな「仕事先」でもあるのです。
三菱地所グループが手がける施設・エリアをあらかじめ把握しておくことは、建設会社や設計事務所がサプライチェーンへの参入を検討する際の重要な情報源となります。CMを通じてどのプロジェクトが現在進行中かを把握する習慣は、業界ネットワーク構築に直結します。
TOKYO TORCHプロジェクトの詳細(清水建設プレスリリース):
Torch Towerで地上階の鉄骨建方作業がスタート(清水建設 公式)
三菱地所がCM女優を起用する際のポイントは、単純な「知名度」や「人気ランキング」だけではないことがわかります。これは建築業界の企業が自社ブランドを考える上でも、参考になる視点です。
まず注目すべきは「長期起用」という姿勢です。桜庭ななみを2010年から2018年まで8年間、高畑充希を2017年から現在まで(2025年時点で8年以上)継続して起用しています。これはCM1本ごとに新しいタレントを使いたがるブランドが多い中で、かなり珍しいアプローチです。長期起用によって視聴者に「三菱地所=この顔」という安定したブランドイメージを刷り込む狙いがあります。
次に「実力派×親しみやすさ」のバランスです。高畑充希はミュージカル出身で歌唱・演技両面の実力があります。CMでは歌えて踊れて、かつ過度に主張しすぎない存在感が求められています。桜庭ななみも清楚で親しみやすいキャラクターで選ばれていました。どちらも「このブランドを信頼できる」と思わせる人物像です。
また、CMのトーンと企業理念が一致していることも重要です。「街の未来をつくる」「まちと共に生きる」というメッセージには、過剰にキラキラしたタレントではなく、地に足のついた、知性と温かみを持った人物が適しています。高畑充希が「行くと背筋が伸びるけれど、リラックスできる」と語る丸の内観は、まさに三菱地所が発信したいブランドイメージと合致しています。
この考え方は、建設業界における企業ブランディングにも応用できます。自社の「顔」となる人物(営業担当・代表者・採用広報担当など)を一貫したイメージで長期的に発信することが、業界内での信頼構築に結びつくのです。
特に建築・不動産関連の企業においては、施主・発注者側が「この会社なら任せられる」と判断するまでに、複数回のブランド接触が必要とされます。三菱地所CMのように、「同じ顔・同じトーン・同じメッセージ」を長期間出し続けるブランド戦略は、発注者との信頼関係を築く上で参考にする価値があります。
三菱地所のブランド戦略を解説した業界記事:
2030年を見据えた企業広告「三菱地所と次にいこう。」(宣伝会議)