

生コン1m3価格は地域によって大きな差があります。北陸地区では新潟で15,500円、富山で20,800円、金沢で16,400円という価格帯(18-18-25(20)基準)となっています。関東地区では水戸で23,000円、神奈川地区では23,100円~25,800円程度と都市部ほど高くなる傾向があります。北海道の旭川では26,800円~28,150円と全国的にも高い価格帯です。
参考)https://www.kana-con.jp/kakaku.html
地方都市と大都市圏では最大で1万円以上の価格差が生じることもあり、不動産開発や建設工事では地域ごとの価格調査が重要です。群馬県渋川地区では基準配合で約23,000円程度、静岡県西部では32,500円~35,350円と地域差が顕著です。
参考)https://www.mitsubishinamacon.co.jp/pdf/price250328.pdf
生コン価格は呼び強度とスランプ値によって細かく設定されています。標準的な配合である18-18-25(20)を基準に、強度が高くなるほど価格が上昇します。神奈川地区の例では、呼び強度18で23,500円、呼び強度24で24,000円、呼び強度30で24,400円と強度に応じて段階的に価格が上がります。
早強セメントを使用する場合は1,000円~2,300円/m3の割増料金が発生します。高強度コンクリート(設計基準強度39~60)では30,800円~37,100円と通常配合より大幅に高くなります。呼び強度36を超える配合では高性能AE減水剤使用により1,200円/m3の割増が含まれます。
神奈川地区の生コンクリート標準価格表では、配合別の詳細な価格設定を確認できます
生コン価格は原材料費の変動に大きく影響されます。セメント価格はロシアのウクライナ侵攻により石炭価格が高騰し、2022年以降大幅に上昇しました。骨材(砂・砂利)価格も2019年頃から全国的に上昇傾向にあり、運転手不足による輸送コスト上昇が背景にあります。
参考)https://archi-cost.com/concrete-costup-reason/
輸送コストの上昇も価格変動の主要因です。燃料費の高騰と人件費の上昇により、配送料金が年々増加しています。生コン業界は協同組合の組織力が強く価格競争が働きにくい構造のため、原材料費や輸送費の上昇がそのまま価格に転嫁されやすい特徴があります。
参考)https://rakuoh.jp/contents/knowledge/ready-mixed-concrete-price-increase.html/
セメント価格の上昇は石炭という燃料価格に直結しており、世界情勢の影響を受けやすい構造です。骨材事業の縮小による供給不足も価格上昇の一因となっています。
参考)https://archi-cost.com/aggregate-cost/
生コン発注では基本価格に加えて様々な割増料金が発生します。少量配達の場合、2.0m3以下で3,000円/台、1.0m3以下で5,000円/台の割増が一般的です。小型車指定では4,000円/台の追加料金がかかります。
参考)http://necon.co.jp/wp/wp-content/uploads/2025/03/R7%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E3%80%80%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E8%A1%A8.pdf
運搬距離による割増は15km以上で1km増すごとに100円~が加算されます。夜間配達(20時~24時)では基本料金30,000円に加えて1m3につき2,000円の割増です。早朝配達(5:00~7:00)では10m3未満で基本料金80,000円+5,000円/m3という高額な設定になっています。
参考)http://www.m-namacon.com/futai.pdf
山間部への配送では地域別に4,800円/m3などの追加料金が設定されています。日曜配達や特殊配合の指定でも別途割増料金が発生するため、発注時には詳細な確認が必要です。
参考)https://ryuuou-namacon.co.jp/wp-content/themes/ryuoh/pdf/ryoukinhyou202304.pdf
生コン発注では数量計算の精度向上がコスト削減の鍵となります。基本の体積計算は「たて×よこ×高さ」ですが、型枠寸法の誤差や基礎砕石への食込みを考慮した余裕量の設定が重要です。算出数量に0.5m3を足して発注することで、不足による工程遅延リスクを回避できます。
参考)https://sagashiba.jp/notes/100/view
最低発注数量は1m3からが多いですが、0.5m3や0.3m3から対応可能なプラントもあります。少量の場合はプラント引き取りで配送費を節約できます。残コンを減らす工夫として、打込み終了近くで必要残量を正確に算出し、余分な発注を避ける管理計画が有効です。
参考)https://www.hohoroblog.com/archives/26843738.html
先行材の代替品開発など、現場レベルでのコスト削減技術も進んでいます。モルタル先行材を食品添加物100%の先行材に置き換えることで、1万円から600円へと大幅なコストダウンを実現した事例もあります。デジタル化やARアプリによる打ち残し数量計算の精度向上も、発注精度を高めてコスト削減に貢献します。
参考)https://wedge.ismedia.jp/articles/-/24041?page=3