
オフィスデスクの寸法は「幅(W:Wide)」「奥行(D:Depth)」「高さ(H:Height)」の3つの要素で構成されています。これらの寸法は一般的にミリメートル(mm)単位で表記され、各メーカーの商品カタログや仕様書で統一されています。
デスクサイズの表記例。
この表記方法を理解することで、限られたオフィススペースに最適なデスクを効率的に選択できます。特に不動産業界では、クライアント向けのオフィス提案時にこの知識が重要になります。
1971年に制定された新JIS規格により、オフィスデスクの標準寸法が定められました。当時の日本人成人男性の平均身長162cmを基準に、高さ700mmが標準として設定されましたが、現在では平均身長の変化に伴い720mmが推奨されています。
オフィスデスクの幅選択は、使用する機器と業務内容によって大きく左右されます。一般的な幅サイズは以下の4カテゴリーに分類されます。
コンパクトサイズ(~1000mm)
標準サイズ(1200mm)
ゆったりサイズ(1400mm)
大型サイズ(1500mm~)
不動産業界では、来客対応が多い管理職には1400mm以上、営業担当者には1000-1200mmの幅が推奨されます。
オフィスレイアウト設計における業界基準として、一人あたりのデスクスペースは幅1000mm~1200mmが一般的とされています。この基準を超える場合は、オフィス全体の収容効率を慎重に検討する必要があります。
オフィスデスクの奥行は使用するPC環境と視距離の確保が選択の決め手となります。標準的な奥行700mmを基準に、業務スタイルに応じて調整することが重要です。
省スペース奥行(600mm-650mm)
標準奥行(700mm)
ゆったり奥行(750mm-800mm)
余裕奥行(900mm)
視力保護の観点から、モニター画面との距離は最低50cm以上の確保が推奨されています。特に不動産業界では図面や契約書類を頻繁に扱うため、奥行700mm以上のデスクが実務効率の向上に直結します。
最近の傾向として、ノートPC利用の増加とモニターの薄型化により、奥行600-650mmのコンパクトデスクでも十分な作業環境を構築できるようになりました。これにより、限られたオフィススペースでより多くの座席を確保することが可能になっています。
オフィスデスクの高さ規格は、日本人の体格変化に伴って段階的に変更されてきました。この変遷を理解することで、従業員の快適性と生産性を両立する最適な高さ選択が可能になります。
規格変遷の歴史
現在の推奨高さ基準
700mm:従来の標準規格、身長が比較的低い方に適している
720mm:現在の推奨値、日本人の平均身長に最も適合
740mm:海外基準、日本人には高すぎる場合が多い
一般社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)では、現在の日本人の平均身長を考慮して720mmを推奨しています。この高さは多くの日本人にとって最も快適な作業姿勢を提供できる設計となっています。
身長別の適正高さ計算式
適正デスク高さ = 身長 × 0.25 + 10~20mm
この計算式により、個人の身長に最適化されたデスク高さを算出できます。ただし、実際のオフィス環境では統一性も重要なため、720mmを基準とした高さ調整機能付きデスクの導入が現実的な解決策となります。
ユニバーサルデザインの観点から、72cm(720mm)が現在の推奨値となっています。これは車椅子利用者への配慮も含めた設計基準です。
不動産業界では、一般的なオフィス環境とは異なる特殊な要件があるため、独自の視点でデスク選定を行う必要があります11。クライアント対応から図面管理まで、多様な業務形態に対応した戦略的なデスク選択が重要です。
来客対応重視の設計基準
図面・書類管理対応設計
IT環境との最適化
効率的なオフィスレイアウト設計
座席と壁面の間が通路となる場合、デスクから壁までの間隔は1200mm以上が推奨されています。これは着席中の人の後ろを通常歩行で通り抜けられる最低寸法です。
不動産業界では急な来客対応が多いため、デスク周辺の動線確保は特に重要です。メイン通路は1500mm以上、デスクの島と島の間は1400mm以上の間隔確保が理想的です。
コスト効率と機能性のバランス
オフィスレイアウト変更時の将来性も考慮し、高さ調整機能付きデスクの導入により、従業員の体格差や業務変化に柔軟に対応できる環境構築が推奨されます。
品質とコストの最適化を図る際は、JOIFAマーク付きの製品選択により、長期使用に耐える耐久性と人間工学に基づいた設計の両立が可能になります。