オールアンカー m12 規格と施工方法から価格まで完全解説

オールアンカー m12 規格と施工方法から価格まで完全解説

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オールアンカー m12 規格と基本仕様

オールアンカー M12の基本仕様
規格サイズ

外径12.0mm、埋込み長さ50mm、穿孔径12.7mm

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最大荷重

引張17.1kN、せん断23.3kN

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締付けトルク

31~34N・m(ナット二面幅19mm)

オールアンカー m12の基本寸法と材質

オールアンカー M12は、コンクリート構造物に後付けで設置する芯棒打込み式アンカーの代表的なサイズです。基本規格として、アンカー外径は12.0mm、標準的な埋込み長さは50mmとなっています。
主要な寸法仕様。

  • アンカー外径:12.0mm
  • 埋込み長さ:50mm
  • 穿孔径:12.7mm
  • ナット二面幅:19mm

材質は一般的にスチール製で三価クロメート処理が施されており、防錆性能を確保しています。ステンレス製(SUS316)も選択可能で、塩害地域や湿潤環境での使用に適しています。

オールアンカー m12の荷重性能と安全率

M12オールアンカーの最大荷重は、引張方向で17.1kN、せん断方向で23.3kNという高い耐力を持っています。これは約1.7トンの引張力と約2.3トンのせん断力に相当する強度です。
荷重性能の詳細。

  • 引張最大荷重:17.1kN(約1,743kgf)
  • せん断最大荷重:23.3kN(約2,376kgf)
  • 締付けトルク:31~34N・m

実際の設計では、これらの最大荷重に対して適切な安全率を考慮する必要があります。建築基準法では一般的に3倍以上の安全率が求められるため、実用荷重はこれらの値の1/3程度で設計することが推奨されます。

 

長期荷重と短期荷重の区別も重要で、地震時などの短期荷重では若干高い許容値が適用される場合があります。

 

オールアンカー m12の全長バリエーションと選定方法

M12オールアンカーには、取付物の厚さに応じて複数の全長バリエーションが用意されています。標準的な製品ラインナップは以下の通りです:
全長バリエーション。

  • C-1260:全長60mm(最大取付物厚 6mm)
  • C-1270:全長70mm(最大取付物厚 6mm)
  • C-1280:全長80mm(最大取付物厚 16mm)
  • C-1290:全長90mm(最大取付物厚 26mm)
  • C-1210:全長100mm(最大取付物厚 36mm)
  • C-1212:全長120mm(最大取付物厚 56mm)
  • C-1215:全長150mm(最大取付物厚 86mm)

全長の選定は「埋込み長さ + ねじ長さ + 取付物厚」で決まります。M12の場合、埋込み長さ50mm + 必要なねじ長さ + 取付物の厚さを考慮して適切な全長を選択します。

 

ねじ長さは取付物の厚さに加えて、ナットの厚さ分(約10~15mm)を追加で確保する必要があります。

 

オールアンカー m12の価格体系と入数規格

M12オールアンカーの価格は全長によって異なり、小箱単位(30本入り)と大箱単位(180~240本入り)で販売されています。
標準価格(税抜き)。

  • C-1260(60mm):175円/本(小箱30本入り)
  • C-1270(70mm):185円/本(小箱30本入り)
  • C-1280(80mm):220円/本(小箱30本入り)
  • C-1290(90mm):252円/本(小箱30本入り)
  • C-1210(100mm):295円/本(小箱30本入り)

長い全長ほど単価が高くなる傾向があり、150mm(C-1215)では455円/本となります。大箱購入による単価メリットもあるため、大量使用の現場では経済性を考慮した発注が重要です。
価格は材質(スチール/ステンレス)や表面処理によっても変動し、ステンレス製は一般的にスチール製の2~3倍の価格となります。

 

オールアンカー m12施工時の独自検査方法と品質管理

M12オールアンカーの施工品質を確保するため、現場では独自の検査方法を導入することが重要です。一般的な施工検査に加えて、以下の独自視点での品質管理手法が効果的です。

 

施工直後の芯棒突出量測定。
芯棒の突出量を定規で測定し、規定値(通常2~3mm)内であることを確認します。突出量が多すぎる場合は打込み不足、少なすぎる場合は過打込みの可能性があります。

 

ナット締付け時の回転角度管理。
規定トルクに加えて、ナットの回転角度も記録することで、アンカーの効き具合を定量的に把握できます。正常な場合、手締めから規定トルクまで約90~180度の回転が必要です。

 

コンクリート表面のクラック検査。
施工後24時間以内に、アンカー周辺半径50mm以内のコンクリート表面を目視検査し、放射状クラックの有無を確認します。微細なクラックも記録し、構造安全性への影響を評価します。

 

引抜き試験の段階的実施。
全数検査は困難ですが、同一条件の施工箇所から抜取りで段階的な引抜き試験を実施し、50%、75%、90%荷重での変位量を測定することで、アンカーの定着性能を詳細に把握できます。

 

これらの独自検査により、標準的な施工管理では発見できない不具合を早期発見し、構造物の長期安全性を確保することができます。