

パテナイフの使い方でまず押さえたいのが、手元の安定感と刃先の角度です。
片手でグリップをしっかり握り、もう一方の手でブレードの背を支えることで、ビス穴やボード目地に対して一定の圧力を掛けやすくなります。
刃先の角度は、下地に対しておおよそ30〜45度を基準にすると、パテが均一に伸びやすく、エッジが立ちにくくなります。
参考)内装工事の仕上がりに影響する!パテ処理の重要性と施工方法 -…
角度が寝すぎるとパテを削り取ってしまい、立ちすぎると筋が残るため、試し塗りをしながら自分の癖に合う角度を探すことが重要です。
参考)サーフェーサーの下地方法。パテの研ぎ方をしっかり解説。
パテをすくうときは、パテ板上に小さな山を作り、ナイフの片側のエッジだけにパテを乗せるイメージで取ると、細かいジョイント部に狙い通りに入れやすくなります。
参考)プロ顔負けのクロス施工。[VOL.3 パテ処理編①] – セ…
このときパテを厚く取りすぎると、1回の盛りで収めようとしてしまい、乾燥後の収縮やクラックの原因になるため、薄塗りを何度か重ねる前提で量をコントロールします。
参考)パテの手順、工程が増えてパテにかける時間がどんどん長くなる
クロス下地のパテナイフの使い方は、「バリ取り」「1回目の埋め」「2〜3回目の均し」の手順をはっきり分けると安定します。
ビス周りやボード端部のバリをカッターやスクレーパーで落としてからパテに入ることで、パテナイフの先端が引っ掛からず、薄く広く伸ばしやすくなります。
1回目はビス穴や目地の凹みをしっかり埋めるイメージで、やや強めの圧を掛けて下地側に押し付けながら盛ります。
参考)仕上工事のクロス貼り〈パテ処理編〉|スタッフブログ|ウツミ工…
ボードジョイントには事前にシーラーや専用の補強材を入れておくと、後でクラックが入りにくくなり、仕上げのクロスの継ぎ目も目立ちにくくなります。
2回目以降は凹みを埋めるというより、不陸をならして「なだらかな丘」を作るイメージで、周囲に向かってパテを広げていきます。
この段階でボード面よりほんのわずかに盛り上がっているくらいに止めておくと、後のサンディングでちょうどフラットにしやすくなります。
パテナイフでの塗り終わりはあくまで「成形」であり、最終的な平滑さはペーパー研磨の工程で決まります。
ビス頭やジョイント部分の段差が残っていると、クロスや塗装の仕上げで照明が当たったときに影となって浮き出るため、パテ研ぎの精度が全体の印象を大きく左右します。
番手の目安として、粗研ぎで180〜240番、全体をならす段階で320〜400番程度を使い、塗装前のサフェーサー研ぎなどでは600〜1000番まで上げていく方法がよく採用されています。ube-bankin+1
番手を飛ばして一気に細目にすると、粗い番手でついた傷が消えずに残り、上塗り後にスジとして透けることがあるため、段階的に番手を上げるのが無難です。
参考)https://ube-bankin.com/bante1.html
研磨の際は、パテ部分だけをピンポイントで削るのではなく、周囲のボード面も含めて広めに手を動かすと、不自然な段差が出にくくなります。
特に天井や窓まわりは光が斜めに入って不陸が目立ちやすいので、現場照明を横から当ててチェックしながら研ぐと、仕上げ後のクレームを抑えやすくなります。
建築現場では、パテナイフ1本でビス穴埋めから巾木まわりの細部処理までこなすケースも多く、幅の違うナイフを「組み合わせて」使うかどうかで作業効率が大きく変わります。
狭い部分は40〜60mm幅、広い面の均しには120mm以上のワイドナイフを使い、最後はより幅広のナイフで一気に撫でるように引くと、塗り継ぎの筋が目立ちにくくなります。
失敗でよくあるのが、乾燥前にパテを触ってしまい、表面だけ硬く中が柔らかい「生乾き」の状態で研ぎに入ってしまうパターンです。
この状態でペーパーを当てると、局所的にえぐれてしまい、その補修のためにかえって手間が増えるため、材料メーカーが指定する乾燥時間と室内環境(温度・湿度)を意識して作業順を組む必要があります。
また、パテナイフのエッジに乾いたパテが付着したまま作業を続けると、引いた跡に細いキズが連続して入り、研磨しても完全に消しにくくなります。
数回引くごとにナイフを水やスポンジで拭き、エッジを常にクリーンな状態に保つことで、仕上げ面のムラやスジを抑えられます。
現場の職人のあいだでは、パテナイフの使い方を微調整して「照明条件に合わせた仕上げ」を行う工夫もあります。
ダウンライトや間接照明が多い物件では、光がななめに壁をなでるため、不陸がわずかでも浮き出やすく、そうした面では通常より広い範囲にパテを薄く伸ばして段差をぼかす方法が採用されます。
また、塗装仕上げの場合、サフェーサー塗布後に一度試し塗りを行い、まだ目立つ部分を見つけたうえで再度パテナイフを入れる「逆戻り工程」をあえて組み込むことで、手戻りを最小限にしつつ最終品質を高める手法もあります。ube-bankin+1
このとき、初回よりも柔らかめに練ったパテを使用し、ブレードの角度をより寝かせて「撫でる」イメージで塗ると、既存の塗膜を傷めずに細かな凹凸だけを拾いやすくなります。
さらに、パテナイフとサンドペーパーだけでなく、スポンジ研磨材や小さなスクレーパーを併用することで、入隅やサッシまわりの細かい箇所の段差を丁寧に消すことができ、全体として一体感のある面に仕上げられます。ube-bankin+1
こうした「見えにくい部分ほど丁寧に仕上げる」という発想が、引き渡し後のクレーム削減とリピート受注に直結するため、パテナイフの使い方の中でも差がつきやすいポイントといえます。
パテ処理の基礎と重要性、作業手順の全体像が整理されている解説です(パテナイフの基本的な使い方全般の参考)。