リクシルサッシ カタログで選ぶ窓と開口部の最適解

リクシルサッシ カタログで選ぶ窓と開口部の最適解

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リクシルサッシ カタログの選び方と活用法

カタログを隅々まで読んでいる建築士ほど、現場での仕様ミスで50万円超の追加費用を出している。


📋 この記事の3ポイント要約
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カタログの種類を把握する

リクシルのサッシカタログは「総合」「リフォーム」「設計資料」など用途別に分かれており、用途を間違えると仕様選定のロスが生じます。

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品番・型番の読み方を習得する

品番には寸法・ガラス種別・色番が体系的に埋め込まれており、読み解けると発注ミスを大幅に削減できます。

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シリーズ別の性能差を把握する

サーモスX・デュオPG・EWなどシリーズごとに断熱性能・価格帯が大きく異なるため、予算と省エネ等級の両立には事前の比較が不可欠です。


リクシルサッシ カタログの種類と入手方法

リクシルが発行するサッシ関連のカタログは、一般消費者向けと建築業従事者向けとで内容が大きく異なります。建築実務に直結するのは「建材総合カタログ」「設計資料集」「省エネ・性能カタログ」の3種類です。


「建材総合カタログ」はリクシルの窓・サッシ全ラインナップを網羅した基本資料で、サーモスシリーズからリシェントまで掲載されています。毎年改訂されており、2024年版では省エネ基準改正(2025年義務化)に対応した断熱等性能等級6・7対応品が新たに追加されました。つまり年度版の取り違えは法令対応ミスに直結します。


「設計資料集」は取付納まり図・部材断面寸法・荷重データなど構造計算に必要な情報を収録しています。これが原則です。一般向けの商品カタログには掲載されていない数値が多数含まれており、現場監督や設計士が最も頻繁に参照する資料です。


入手方法は3ルートあります。


  • 📦 リクシルショールーム窓口での無料配布:全国約180か所のショールームで最新版を入手できます。在庫切れの場合は後日郵送対応も可能です。
  • 🌐 リクシル公式サイトからのPDFダウンロード:会員登録(無料)後にダウンロード可。2024年以降は一部カタログがWebカタログ形式に移行しています。
  • 🏢 リクシルプロサイト(LIXIL Pro)経由:建築業者向けの専用ポータルで、設計資料集や価格表を含む業務用資料を一括取得できます。


カタログの入手先を誤ると、一般向け簡易版を基に施工図を作成してしまうリスクがあります。必ず「LIXIL Pro」か「ショールーム配布版」を使うのが基本です。


参考:リクシル公式サイト(建築プロ向け資料ページ)
https://www.lixil.co.jp/pro/


リクシルサッシ カタログの品番・型番の読み方

品番の読み方を知らないまま発注すると、現場で「サッシが入らない」「ガラス仕様が違う」といったトラブルが発生します。これは痛いですね。


リクシルのサッシ品番は「シリーズコード+寸法コード+ガラス区分+カラーコード」の構造になっています。例えばサーモスXの引き違い窓「16518」という数字は「幅1,650mm・高さ1,830mm」を示しており、最初の3桁が幅、後の2桁が高さの10mm刻みを省略したものです。


寸法コードは0.5単位で設定されており、「165」は1,650mmを指します。幅・高さ合わせて5桁の数字として組み合わさるため、桁の読み違いが直接寸法ミスに直結します。現場で発覚した場合、製品の再製作コストは1窓あたり3万〜8万円程度になるケースが多いです。


ガラス区分は英字1〜2文字で表されます。


  • 🪟 T(トリプルガラス:断熱等性能等級6・7対応品に採用。熱貫流率Uw=0.79W/㎡K以下を実現します。
  • 🪟 D(ペアガラス・Low-E):標準的な断熱仕様。等級5対応製品に多く使われます。
  • 🪟 S(単板ガラス:新築ではほぼ使用されなくなりましたが、リフォーム用途では一部残存します。


カラーコードはアルファベット2文字で定められており、「WH(ホワイト)」「KC(クリエカラー)」などがあります。内外異色仕様の場合は「外色コード+内色コード」の順で4文字になるため、内外の色を取り違えないよう注意が必要です。


品番の読み方を一度習得すると、カタログ照合の時間が大幅に短縮できます。これは使えそうです。


リクシルサッシ カタログ掲載のシリーズ別性能比較

現行カタログに掲載されている主要シリーズの性能差を把握することは、省エネ等級対応と予算管理の両面で欠かせません。


リクシルのアルミ樹脂複合サッシ「サーモスX」は2024年時点で最上位の断熱性能を誇り、熱貫流率Uw=0.79W/㎡K(トリプルガラス仕様)を達成しています。断熱等性能等級7への対応が必要な物件では、現実的な選択肢として最も広く採用されています。


「サーモスII-H」はUw=1.05W/㎡Kのペアガラス仕様が標準で、等級4〜5対応の住宅向けです。サーモスXと比べて製品単価が1窓あたり1万〜2万円程度安く、コスト重視の案件に向いています。


「デュオPG」はリフォーム向けのカバー工法対応シリーズです。既存枠を活かして施工できるため、工期を大幅に短縮でき、通常の窓交換(枠撤去・新設)より施工費が30〜40%安くなるケースがあります。カタログには「カバー工法対応」と明示されているため、新築用と混在させないことが条件です。


「EW」シリーズは全樹脂サッシで、Uw=0.79W/㎡K(トリプルガラス仕様)を達成しつつ、アルミ複合より結露リスクが低い点が特徴です。北海道・東北など寒冷地向け物件で採用実績が多く、ZEH対応の最優先候補に挙げられます。


シリーズ 構造 熱貫流率(Uw) 主な用途
サーモスX アルミ樹脂複合 0.79 W/㎡K 新築・等級6〜7
サーモスII-H アルミ樹脂複合 1.05 W/㎡K 新築・等級4〜5
EW 全樹脂 0.79 W/㎡K 寒冷地・ZEH
デュオPG アルミ樹脂複合 1.30〜2.33 W/㎡K リフォーム・カバー工法


シリーズの選定は断熱等級と予算のバランスが鍵です。これが条件です。


リクシルサッシ カタログを使った省エネ等級対応の選定手順

2025年4月以降、新築住宅への省エネ基準適合が義務化されました。断熱等性能等級4以上が法的要件となっており、カタログ上の「等級対応表」を正確に読み取る必要があります。


カタログの「省エネ性能早見表」は地域区分別(1〜8地域)に対応品が色分けで示されています。例えば6地域(東京・大阪近郊)で等級5を達成するには、サーモスII-H以上のUw値が求められます。6地域でサーモスXのトリプルガラス仕様を選べば等級6・7も視野に入ります。


地域区分の確認を怠ると、仕様が不足して竣工後に等級未達と判定されるリスクがあります。等級未達のまま完成した物件は、フラット35の金利優遇(ZEHモーゲージ等)が受けられなくなり、施主から損害賠償を求められた事例も報告されています。これは避けたいですね。


選定の手順は以下の通りです。


  • 🗺️ ステップ1:建設地の地域区分を確認する(国土交通省の地域区分マップまたはHEAT20の地域区分表で照合)
  • 📋 ステップ2:目標とする断熱等性能等級を確定する(施主の要望・フラット35・ZEH補助金の条件を踏まえて決定)
  • 📖 ステップ3:カタログの「省エネ性能早見表」で地域×等級の交差点を確認する
  • 💰 ステップ4:対応シリーズの中から予算に合う品番を絞り込む


等級対応の確認にはリクシルが無償提供している「省エネ住宅計算ツール(LIXILウェブ版)」を併用すると、UA値のシミュレーションを窓ごとに行えます。


参考:国土交通省「住宅の省エネ基準・断熱等性能等級の解説」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000143.html


建築業従事者だけが気づくリクシルサッシ カタログの落とし穴と活用の独自視点

カタログに掲載されている標準寸法以外の「特注寸法」対応品は、カタログ本体には記載されておらず、別途「特注品対応一覧表」を営業担当者から取り寄せる必要があります。これを知らないと、設計段階で「カタログにない=製品がない」と判断してしまい、本来可能だった開口設計を諦めるケースが現場で頻発しています。


特注対応は「幅500mm〜3,000mm・高さ300mm〜2,700mm」の範囲で対応できる品番が存在しており、標準品より納期が2〜4週間長くなる代わりに、設計の自由度が大幅に上がります。意外ですね。


もう一つの落とし穴が「廃番品の流用」です。リクシルは年に1〜2回カタログを更新しており、前年度版にあった品番が最新版では廃番になっていることがあります。廃番品を誤って設計に組み込んだ場合、代替品の手配と設計変更が生じ、最悪のケースでは工期が2週間程度延びます。カタログは必ず最新年度版を使うのが原則です。


さらに実務経験から見えてくるのが「カタログ記載のUw値は単体測定値」という点です。実際の施工では取付部の熱橋(ヒートブリッジ)が発生するため、カタログ値より実測の断熱性能が5〜10%程度低下するケースがあります。省エネ計算に余裕を持たせるため、UA値の目標値をカタログ値より0.05W/㎡K程度厳しく設定する習慣を持つ建築士は現場での等級未達リスクを大幅に下げています。


  • ⚠️ カタログの発行年度を必ず確認する:廃番・新製品の変更が年1〜2回あります。古い版を使い続けると発注ミスが起きやすくなります。
  • 📏 特注品一覧表を営業担当から入手する:標準カタログには掲載されていない寸法・仕様の対応可否を事前確認できます。
  • 🌡️ Uw値には施工時の熱橋分の余裕を加味する:カタログ値をそのまま省エネ計算に使うと実測値とのズレが生じます。


カタログはあくまで「出発点」です。実務ではカタログ外の情報を営業担当・設計資料集・最新法令と照合しながら活用することで、発注ミスや等級未達のリスクを最小化できます。カタログの使いこなしが、現場品質を左右するといっても過言ではありません。


参考:LIXIL 公式サッシ・窓カタログ一覧(建築プロ向け)
https://www.lixil.co.jp/lineup/window/