

リレーの接続を行う際は、まず端子番号の理解が不可欠です。一般的な4Cリレーでは、コイル端子が13番と14番に配置され、接点端子は1番から12番まで存在します。
コイル端子への配線では、13番にマイナス(-)側、14番にプラス(+)側を接続するのが基本となります。直流電源を使用する場合は極性を間違えないよう注意が必要です。
主要な端子配置:
端子番号は通常、ソケット(端子台)に薄く印字されています。配線時は必ずこの番号を確認しながら作業を進めることが重要です。
リレー本体の上面に記載されている端子番号は、底面から見た配置(Bottom View)となっているため、実際の配線時はソケット側の番号を参照してください。
リレーの配線作業を安全に行うためには、電源管理と作業手順の遵守が極めて重要です。
安全な配線作業の基本手順:
🔒 電源遮断の徹底
作業開始前に、コイル側および負荷側の両方の電源を必ずOFFにしてください。通電中のリレー端子部やソケット端子部には絶対に触れてはいけません。
⚠️ 配線前の確認事項
端子の接続については、カタログや仕様書の内部結線図を必ず確認し、正確な接続を行ってください。誤った接続は予期しない誤動作や異常発熱、発火の原因となります。
🛡️ 接続端子の適切な選択
一般的にリレーの配線には平型端子を使用しますが、製品によっては専用端子が付属している場合もあります。
配線時の注意点:
工事現場では、特に湿気や粉塵の多い環境での配線が求められるため、防水・防塵対策も併せて実施することが推奨されます。
実際の配線例として、最も基本的なオンオフ回路について説明します。この回路は押しボタンを押している間だけランプが点灯する仕組みです。
基本配線の流れ:
📋 回路構成
🔧 配線手順
実体配線での注意点:
使用する接点は小さい番号(端子の左側)から順番に使用するのが一般的です。2Cリレーの場合は5番と9番の組み合わせ、4Cリレーでは必要な接点数に応じて選択します。
この基本回路は、実際の制御では自己保持回路やタイマー回路と組み合わせることで、より複雑な制御システムに発展させることができます。工事現場での設備制御においても、この基本原理が応用されています。
自己保持回路は、一度の操作でリレーの動作を持続させる重要な制御回路です。建築設備では、ポンプやファンなどの機器制御で頻繁に使用される実用的な技術です。
自己保持回路の動作原理:
⚙️ 基本構成要素
🔄 動作シーケンス
実際の配線構成:
起動用のa接点スイッチとリレーの接点(5番-9番など)を並列に配線し、停止用のb接点スイッチをコイル回路に直列接続します。この構成により、一度の操作で機器の連続運転が可能になります。
応用例:
この回路は制御の基礎中の基礎であり、建築設備の自動制御システムにおいて必須の技術です。
リレーの配線における一般的なトラブルとその対策について、実務経験に基づいた独自の視点で解説します。
配線品質向上の独自アプローチ:
🔍 接触抵抗の最小化技術
端子接続部の酸化を防ぐため、定期的な接点クリーニングと適切な締付けトルク管理が重要です。特に屋外設置の制御盤では、月1回程度の点検を推奨します。
💡 コイルサージ対策
リレーコイルに並列接続するサージ吸収素子(バリスタやダイオード)の選定では、コイル電圧の1.5倍程度の定格品を使用することで、接点の延命効果が期待できます。
⚡ ノイズ対策の実装
制御回路と動力回路の配線は最低30cm以上離し、必要に応じてシールド線を使用します。特にインバーターと併用する場合は、ノイズフィルターの設置も検討してください。
意外な盲点:
リレーソケットの挿入方向を間違えると端子番号が逆転し、予期しない動作を引き起こすことがあります。挿入前に必ず極性マークを確認し、正しい向きで装着してください。
長期安定性の確保:
年2回程度のリレー動作テストと、接点電圧降下測定による劣化診断を実施することで、突然の故障を予防できます。測定値が初期値の1.5倍を超えた場合は交換を検討してください。
これらの技術は、一般的な施工マニュアルでは触れられない実務者レベルの知見です。