
建築現場や工場で使用されるロッカーには、用途に応じた標準的な寸法規格が存在します。最も一般的なパーソナルロッカーの基本寸法は、幅300mm×奥行515mm×高さ1790mmとなっています。
オフィス用パーソナルロッカーの標準仕様。
工場・建設現場用ロッカーでは、作業着や安全靴の収納を考慮してより大型の仕様が採用されます。標準的な本体サイズは幅約90cm、奥行約45cmで、高さにバリエーションがあり、約70cm、約1m、約1m80cmなどの展開があります。
コインロッカーの寸法規格は、JR東日本の基準によると以下の4サイズに分類されます。
サイズ分類 | 寸法(H×W×D mm) | 参考料金 |
---|---|---|
標準 | 200-400×340×570 | 300円~ |
中 | 550×340×570 | 400円~ |
大 | 840×340×570 | 500円~ |
特大 | 1030×340×570 | 600円~ |
これらの寸法は駅の設置箇所により若干異なる場合がありますが、基本的な設計指標として活用できます。
建築現場では複数の用途でロッカーが使用されるため、適切なサイズ選定が重要です。以下に主要な用途別寸法を整理します。
1人用パーソナルロッカー
複数人用ロッカー(建設現場向け)
メールロッカー
クリーンロッカー(清掃用具収納)
シューズロッカー
建設現場では安全靴の保管が必要なため、専用のシューズロッカー設置が推奨されます。標準的な内寸は幅約250mm、奥行約350mm、高さ約250mmで、一般的な安全靴に対応可能です。
ロッカー設置時には、本体寸法だけでなく使用時の必要スペースを考慮した計算が重要です。特に建設現場の更衣室では、限られたスペースを効率的に活用する必要があります。
扉開閉スペースの算出
標準的なロッカー扉の開き角度は90度で、奥行515mmのロッカーの場合、扉前面に最低515mmのクリアランスが必要です。
通路幅の設計基準
更衣室内の通路幅は、ロッカー前面から1.35m程度確保することが望ましいとされています。これは以下の要因を考慮した数値です。
設置面積の計算例
6人用ロッカー(W900×D515mm)を壁際に設置する場合。
天井高の考慮事項
標準的なロッカー高さは1790mmですが、設置時には以下を考慮します。
これらの計算により、適切なレイアウト設計が可能になり、作業効率の向上と安全性の確保を両立できます。
建設業界では、労働安全衛生法に基づく更衣室の設置基準があり、ロッカーの寸法選定にも影響します。法令要求事項と実際の運用における注意点を整理します。
労働安全衛生規則による基準
第628条では、作業者が容易に着替えができる設備として更衣室の設置が義務付けられており、1人当たり0.4㎡以上の面積確保が必要です。
構造基準への適合
JIS規格との関係
日本工業規格(JIS S 1039)では、事務用スチール家具の寸法と構造について規定があります。建設現場用ロッカーも基本的にこの規格に準拠することが推奨されます。
製品安全基準
設置工事の技術基準
建設現場では、ロッカーの転倒防止対策が特に重要です。
これらの基準を満たすことで、安全で長期使用可能なロッカー設備を構築できます。
建設現場特有の使用環境を考慮したロッカー選定では、標準寸法だけでなく、実際の運用面での検討が重要です。経験豊富な現場管理者が押さえているポイントを紹介します。
収納物の実測調査
作業着のサイズバリエーションは想像以上に大きく、特に防寒着や雨具を考慮すると、標準内寸では不足する場合があります。
季節変動への対応
建設現場では季節により収納物が大きく変化するため、年間を通じた使用を想定した寸法選定が必要です。夏季は薄手の作業着でも、冬季には防寒具が加わり、必要容量が2倍以上になることも珍しくありません。
将来拡張性の考慮
現場の規模拡大や作業員増加に備え、ロッカーの増設可能性を検討します。
特殊用途への対応
建設現場では一般的なオフィス用ロッカーでは対応できない特殊な要求があります。
メンテナンス性の確保
過酷な使用環境下でのメンテナンス性を考慮した選定。
これらの観点から総合的に検討することで、現場のニーズに最適なロッカーシステムを構築できます。適切な寸法選定により、作業効率の向上と労働環境の改善を実現し、建設プロジェクトの生産性向上に寄与します。