

サンダーとグラインダーの最も基本的な違いは、使用する研磨材にあります。グラインダーには砥石が取り付けられており、高速回転する砥石によって材料の研削・研磨を行います。一方、サンダーにはサンドペーパー(紙やすり)が取り付けられており、サンドペーパーが取り付けられたパッドによって材料の研削や研磨をします。
参考)https://tsukunobi.com/columns/sander-grinder
どちらの工具も電動モーターで砥石やディスクを高速回転させ、切断や研磨を行う基本構造は共通しています。しかし、装着するディスクの種類や回転数の設定によって、用途が大きく分かれます。砥石はサンドペーパーよりも頑丈なため、グラインダーは硬いものの研削・研磨に向いています。
参考)https://aippearnet.com/column/glossary/sander-grinder/
研磨力の比較では、高速で砥石を回転させているグラインダーの方が力は大きくなります。サンダーの研削・研磨する力はグラインダーほど強くありませんが、広い範囲を研削・研磨可能という利点があります。操作性については、道具の握りやすさや高速回転を伴わないため、サンダーの方が操作しやすいとされています。
参考)https://www.handscraft.jp/news/grinder-kinds-how-to-choose/
グラインダーとサンダーの最大の違いは、切断機能の有無にあります。グラインダーは砥石によって金属やコンクリートにも使うことができ、研磨・研削の他に切断も行うことができます。装着する砥石を研削用から切断用に切り替えれば、材料の切断加工が可能です。これに対して、サンダーには切断する機能がありません。
参考)https://re-tool.net/column/difference-grinder-sander/
グラインダーは切削と研削、研磨と幅広い作業に使用可能です。具体的には、金属やコンクリートの細かな部分の加工に適切とされています。コンクリートや金属の切断がメインの作業では、切断砥石を装着したグラインダーが選ばれます。また、バフと呼ばれるフェルトを使用することで、鏡面仕上げなどにも使うことができます。
一方、サンダーは表面の研削、研磨のみに使用します。表面処理や研磨、仕上げ作業が多い場合は、研磨ディスクを装着したサンダーが適しています。鉄板や木板のような広範囲にわたる表面加工や、フローリングのワックス落としにはサンダーを使用するとよいでしょう。サンダーは削ることに特化した工具ということになります。
サンダーには主に4種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。オービタルサンダーは、パッドの楕円(オービタル)運動によって研削・研磨するサンダーで、最もポピュラーな種類です。長方形の大きなパッドが特長で、広い範囲を研削・研磨する際に活躍しますが、研磨力は弱めです。
ランダムサンダー(ランダムオービットサンダー)は、オービタルサンダーの偏心運動に加え、回転運動も加わっています。研磨力は強く、幅広い用途に使える万能選手です。円形のパッド形状を持ち、平面に緩やかな曲面にも対応できます。ただし削りすぎてしまう場合は、オービタルサンダーのほうが適しています。
参考)https://www.handscraft.jp/news/orbital-sander-random-thunder-belt-sander-difference/
ベルトサンダーは、ベルトの目を変えれば仕上げ用にも使える工具です。パッド自体を小刻みに動かすのではなく、ベルトを一方向に動かし続ける仕組みになっています。ミニサンダーは片手で扱える小型のサンダーで、大型のサンダーでは届かない狭い場所や奥まった場所の研削・研磨に適しています。三角形のパッドが取り付けられたタイプでは、隅まで研削・研磨可能です。
グラインダーの種類は主に4つに分類されます。ディスクグラインダーは、円盤状の砥石が取り付けられたハンディタイプのグラインダーで、最もポピュラーなグラインダーです。切断、研磨、仕上げなどの多くの用途に対応しており、砥石が大きいほど研磨力と切断力が高くなりますが、重く扱いにくくなります。
アングルグラインダーは、先端に角度が付けられたグラインダーです。他のグラインダーでは引っかかってしまうような狭い場所でも研削・研磨でき、地面と垂直な壁でも簡単に研磨可能です。エアーコンプレッサーの圧縮空気を動力とするタイプが多いことが特徴です。
ストレートグラインダーと卓上グラインダーも用途に応じて使い分けられます。現場では「100(ひゃく)ミリのグラインダー」のように、ディスク径で呼ばれることもあります。ディスクを換えることで、様々な素材を研削できる電動工具として、木材の研磨、金属の研削・サビ落とし・鏡面仕上げなどに使用されます。高速で回転するタイプや低速ながらも高トルク(回転する力)のタイプなどがあるので、用途に合わせて選ぶことが重要です。
参考)https://www.monotaro.com/note/cocomite/438/
建築現場では、工具の呼び方に地域や業界による違いがあります。特に「サンダー」と「グラインダー」は、実は同じ電動工具を指している場合があり、混乱の元となっています。特に現場では、ディスクグラインダーのことを「サンダー」と呼ぶことが多く、関西地方を中心にこの呼称が定着しています。
一方、メーカーや取扱説明書などの公式な場では「グラインダー」という表記が一般的です。つまり、「サンダー」と「グラインダー」は、厳密には別物ではなく、「言い方の違い」が背景にあるケースもあります。建設現場・関西地方・職人間では「サンダー」という呼称が主流で、メーカー公式名・カタログ・マニュアルでは「グラインダー」と表記されます。
現場での別称としては、「サンダーグラインダー」「ディスクグラインダー」「アングルグラインダー」などがあります。さらに「ダイヤ」(ダイヤモンドホイールを付けた状態の通称)など、装着する刃によっても呼び方が変わります。ベテラン職人ほど「サンダー=削る機械」という認識が今も主流です。工具の呼び方は、地域や建設現場単位でも異なってくることがあり、現場に入る際は事前に確認することが推奨されます。
参考)https://note.com/fujikenchiku0506/n/n246b3467c198
サンダーもグラインダーも、高速回転による事故リスクがあります。用途に合った使い方をしないと、火花による火災リスク、ディスクの破損によるケガ、研磨粉塵の吸引による健康被害などのトラブルが起きやすくなります。適切な工具とディスクを選ぶことで、こうしたリスクを最小限に抑えることができます。
グラインダーは非常に便利な反面、高速で回転する砥石から金属片や火花が激しく飛散するため、保護具の着用は絶対に欠かせません。保護メガネとフェイスシールドによる眼と顔の保護は最優先事項です。作業中に飛散する金属片や砥石の破片は、時として時速300kmを超えることもあり、眼球に直撃すれば失明は免れません。
参考)https://www.powertool-lab.com/column025/
作業内容別の選び方としては、音・粉塵・火花の発生量などの観点からも適切な選択が求められます。コンクリートや金属の切断がメインの場合はグラインダー(切断砥石を装着)、表面処理や研磨、仕上げ作業が多い場合はサンダー(研磨ディスクを装着)を選びます。引火・爆発の危険性がある場所での作業では、グラインダーの使用は絶対に避けるべきです。可燃性物質を輸送・保管していたタンクや配管を切断する場合、内部に残留した可燃性の蒸気に火花が引火し、爆発や火災を引き起こす致命的なリスクがあります。
厚生労働省のディスクグラインダー安全マニュアル
研削といし(ディスクグラインダ)の安全な使用方法について、保護メガネ・防じんマスク・耳栓などの防音保護具の着用に関する公式な指針が記載されています。