セルロースファイバー価格と断熱性能比較

セルロースファイバー価格と断熱性能比較

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セルロースファイバー価格と性能

セルロースファイバーの主な特徴
💰
価格相場

1平方メートルあたり6,000~9,000円で、グラスウールの3~5倍の費用

🌡️
断熱性能

熱伝導率0.040W/hkで高い断熱効果を発揮し、隙間なく施工可能

🔇
防音・調湿

優れた吸音性能と調湿効果で快適な室内環境を実現

セルロースファイバー価格の実際の相場

セルロースファイバーの施工価格は、1平方メートルあたり6,000~9,000円が一般的な相場となっています。30坪程度の新築住宅で壁4面と床下の施工を行う場合、合計約250平方メートルで60万円程度、施工単価に換算すると約1,700円/平方メートルからが最低価格の目安です。
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一方で、グラスウールの価格は1平方メートルあたり600~1,800円程度であり、セルロースファイバーとの価格差は約3~5倍にもなります。この価格差が生じる理由は、セルロースファイバーが専門業者による施工を必要とし、材料費だけでなく施工費も含まれるためです。
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施工厚みによっても価格が変動し、厚み20cmまでの施工で2,500円/平方メートル、厚み10cmまでで800円/平方メートルという料金体系を採用している業者もあります。天井裏への吹き積もらせ施工の場合、屋根裏面積60平方メートルで20万円が費用の目安となり、比較的費用対効果の高い施工方法として注目されています。
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セルロースファイバー断熱材の施工費用内訳

セルロースファイバーの施工費用が高額になる主な要因は、専用機械を使った吹き込み工法による施工の複雑性にあります。一般的な断熱材は大工が施工するため材料費のみで済みますが、セルロースファイバーは専門技術者による「デコスドライ工法」などの乾式吹込み工法が必要です。
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施工には透湿シートの設置、専用マシーンによる吹き込み作業、密度管理など、高度な技術が求められます。施工期間も通常2日から1週間前後かかり、その間は他の業者の作業を調整する必要があります。
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しかし、断熱材の厚みが増えても施工費の占める割合が高いため、費用は倍にはならないという特徴があります。例えば、30坪程度の家でセルロースファイバーを使用した場合の総費用は100万円程度が相場ですが、高性能グラスウールでは60万円程度となります。
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ハウスメーカーでは標準仕様として採用しているケースが少なく、オプション扱いで割高になる傾向があるため、導入を検討する場合は契約前に施工可能かどうかを確認することが重要です。​

セルロースファイバー防音性能とコストパフォーマンス

セルロースファイバーの大きな特徴の一つが、優れた防音性能です。様々な太さの繊維が絡み合い、繊維内部の自然な空気胞が音の振動を効果的に吸収するため、外部からの騒音を軽減すると同時に、室内からの生活音の漏れも防ぎます。
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この防音効果により、住宅密集地でもホームシアターや楽器演奏を気兼ねなく楽しめる環境が実現できます。グラスウールも一定の防音性能を持っていますが、密度が低いため防音効果はセルロースファイバーに劣ります。
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さらに、セルロースファイバーは調湿性能にも優れており、木質繊維特有の吸放湿性で適度な湿度を保ちます。梅雨時期でも室内はサラッと快適に保たれ、結露やカビの発生を抑制することで建物の腐食防止にも貢献します。
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これらの複合的な性能により、冷暖房器具の使用頻度が減少し、光熱費の削減効果も期待できます。初期投資は高額ですが、長期的な視点では十分なコストパフォーマンスを発揮する断熱材といえます。​

セルロースファイバーグラスウール性能比較表

建築事業者が断熱材を選定する際、セルロースファイバーとグラスウールの性能差を正確に把握することが重要です。以下の比較表では、両者の主要な特性を整理しました。

 

項目 セルロースファイバー グラスウール
価格(1㎡) 6,000~9,000円 600~1,800円
熱伝導率 0.040W/hk 0.038~0.050W/hk
防音性能 ⭕優れている △普通
調湿性能 ⭕あり ❌なし
施工方法 専門業者による吹込み 大工による充填
施工期間 2日~1週間 1~2日
防虫効果 ⭕あり(ホウ酸配合) ❌なし
耐火性能 ⭕難燃性 ⭕不燃性

 

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セルロースファイバーは価格面ではグラスウールに劣りますが、防音性能・調湿性能・防虫効果など、住宅の長期的な快適性と耐久性に関わる多くの面で優位性を持っています。特に、リサイクル紙を原料とする環境配慮型の断熱材として、カーボンニュートラルな建築を目指す施主からの需要が高まっています。​
グラスウールは初期コストが低く施工も容易ですが、湿気管理が不十分だと断熱性能が低下しやすく、長期的な性能維持の面ではセルロースファイバーに劣る場合があります。施工時の隙間ができやすいという欠点もあり、高い施工技術が求められます。
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セルロースファイバー沈下リスクと密度管理の重要性

セルロースファイバーを採用する際に注意すべき点として、経年による沈下リスクがあります。新聞紙を粉砕したフワフワとした繊維状の断熱材であるため、施工時の密度管理が不十分だと、自重や建物の揺れによって徐々に沈下し、断熱性能が低下する可能性があります。
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この沈下問題を防ぐための最も効果的な対策は、施工時に高密度で隙間なく充填することです。専門業者による圧力をかけた吹き込み施工により、約10cm厚で50~55kg/㎥の密度を確保すれば、経年による落下ずれによる隙間発生を防ぎ、安定した断熱性能が維持されます。
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施工業者の選定も重要なポイントです。経験豊富で技術力の高い専門業者に依頼することで、適切な密度での施工が保証されます。特に壁の施工では、透湿シートをピンと張り、規定の間隔でステープルを打つなど、細かな施工品質の管理が必要です。
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さらに、セルロースファイバーは吸湿性が高いため、適切な換気と防湿対策も重要です。湿気が溜まりやすい場所では防湿層を設けたり、換気システムを工夫したりすることで、断熱性能の低下を防ぐことができます。
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施工後は壁の中が完全に埋まってしまうため、配線や配管の変更が困難になります。そのため、セルロースファイバーの施工前に、すべての電気配線・給排水・ガス関係の配管を完了させておく必要があります。​
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