障子の張替え DIY の基本知識
障子張替えの基本情報
📋
張替え時期の目安
汚れや破れが目立つ場合や2〜5年経過したら張替えを検討しましょう
💰
DIYの費用相場
自分で行う場合は200円〜2,000円程度、業者依頼は1枚3,000円〜4,500円程度
⏱️
作業時間の目安
初心者でも1枚あたり30分〜1時間程度で完了できます
障子の張替え DIY に必要な道具と材料リスト
障子の張替えDIYを成功させるためには、適切な道具と材料を揃えることが重要です。基本的な道具は以下のとおりです。
【必須アイテム】
- 新しい障子紙(サイズと素材を確認)
- 障子のり(または両面テープ、アイロン接着タイプの場合はアイロン)
- カッター(刃は新しいものを使用)
- 定規(カッターガイド用)
- マスキングテープ(仮止め用)
【あると便利なアイテム】
- 霧吹き(古い障子紙を剥がす際に使用)
- スポンジまたは雑巾(古い糊の除去用)
- ビニールシートや新聞紙(作業場所の保護用)
- ヘラ(古い障子紙を剥がす際に使用)
障子紙の選び方も重要です。主な種類には以下のものがあります。
- 和紙タイプ:伝統的な風合いで光の透過性が良い
- パルプ混合タイプ:比較的安価で手に入りやすい
- プラスチックコーティングタイプ:耐久性が高く、ペットがいる家庭に適している
- 模様入りタイプ:デザイン性を重視する場合におすすめ
障子のりも複数の種類があります。でんぷんのりが伝統的ですが、最近は両面テープタイプやアイロンで接着するタイプも人気です。初心者の方は作業のしやすさから両面テープタイプがおすすめです。
障子の張替え DIY の手順と古い障子紙の剥がし方
障子の張替え作業は、大きく分けて「古い障子紙を剥がす」→「新しい障子紙を貼る」の2ステップです。まずは古い障子紙の剥がし方から解説します。
【古い障子紙の剥がし方】
- 準備作業
- 障子を枠から外します(上に少し持ち上げてから下を手前に引くと外れます)
- 床にビニールシートや新聞紙を敷き、その上に障子を寝かせます
- 作業は当日中に完了できる枚数だけにしましょう
- 古い障子紙を湿らせる
- 霧吹きや濡れた刷毛を使って、桟(さん)と組子(くみこ)の接着部分を中心に水を塗布します
- 5〜10分ほど置いて、糊が柔らかくなるのを待ちます
- 市販の障子紙剥がし剤を使うとさらに効果的です
- 障子紙を剥がす
- 桟の部分から丁寧に障子紙を剥がしていきます
- 下から押すように浮かせると剥がれやすくなります
- 無理に引っ張ると障子紙が破れて残ってしまうので注意しましょう
- 残った糊や紙を除去する
- 濡れた雑巾やスポンジで残った糊や紙を丁寧に拭き取ります
- 頑固な部分はヘラで軽くこそぎ落とすか、サンドペーパーで軽く削ります
- 完全に乾かしてから次の工程に進みます(半日程度乾燥させるのが理想的)
アイロン接着タイプの障子紙の場合は、アイロンの熱で剥がします。桟の部分からアイロンをあて、熱が残っているうちに障子紙を剥がしていきましょう。
障子の張替え DIY の3つの貼り方と初心者向けコツ
障子紙の貼り方には主に3つの方法があります。それぞれの特徴とコツを紹介します。
1. のり貼り(伝統的な方法)
【手順】
- 障子紙を障子枠に合わせて置き、上部をマスキングテープで仮止めします
- 障子紙を端に巻き寄せて、障子のりを桟と組子に均一に塗ります
- 外側に向かって空気を押し出すように障子紙を貼っていきます
- 乾かないうちに余分な部分をカッターで切り取ります
- 全体に軽く霧吹きをかけると、乾いたときにピンと張りが出ます
【コツ】
- のりは均一に塗り、厚すぎず薄すぎないようにします
- 中心から外側に向かって貼ると、しわやたるみが出にくくなります
- 障子紙が乾くまで触らないようにしましょう
2. 両面テープ貼り(初心者向け)
【手順】
- 縦方向のすべての桟と組子に両面テープを貼ります
- 横方向の桟と組子にも両面テープを貼りますが、裏面はまだ剥がしません
- 障子紙の位置を決めて上部を仮止めし、横方向の両面テープの裏面を一段ずつ剥がしながら貼っていきます
- 余分な部分をカッターで切り取ります
【コツ】
- 両面テープは桟からはみ出さないように貼ります
- 一度に全ての裏面を剥がさず、貼りながら少しずつ剥がしていきます
- 空気が入ったら、中心から外側に向かって押し出します
3. アイロン貼り(手軽な方法)
【手順】
- アイロン接着タイプの障子紙を用意します
- 障子紙を障子枠に合わせて四隅を仮止めします
- アイロンを140〜160度に設定し、組子の中心から外側に向かってアイロンをかけます
- 余分な部分をカッターで切り取ります
【コツ】
- アイロンは強く押さえず、軽く滑らせるように動かします
- 一箇所に長くアイロンをあてすぎないようにします
- 障子紙の説明書に記載された温度設定を守りましょう
初心者の方には両面テープ貼りがおすすめです。のり貼りは技術が必要で、アイロン貼りは温度管理が重要になります。どの方法でも、作業前に障子紙の巻き癖を取っておくとよりきれいに仕上がります。
障子の張替え DIY で使う障子紙の種類と選び方のポイント
障子紙の種類によって、見た目や耐久性、価格が大きく異なります。自分の生活スタイルに合った障子紙を選ぶことが、長く美しい状態を保つポイントです。
1. 素材による分類
- 和紙タイプ。
- 特徴:自然な風合いと光の透過性が魅力
- 価格:中〜高価(本格的な手漉き和紙はさらに高価)
- 耐久性:やや弱い(1〜2年程度で張替えが必要なことも)
- おすすめの場所:伝統的な和室や落ち着いた雰囲気を重視する場所
- パルプ混合タイプ。
- 特徴:和紙に比べて強度があり、比較的安価
- 価格:安価(500円前後から)
- 耐久性:普通(2〜3年程度)
- おすすめの場所:一般的な和室や和モダンの空間
- プラスチックコーティングタイプ。
- 特徴:強度が高く、水や傷に強い
- 価格:やや高価(3,000円〜5,000円程度)
- 耐久性:高い(3〜5年以上)
- おすすめの場所:ペットがいる家庭、子供部屋、水回りに近い場所
2. 形状による分類
- 1枚張りタイプ。
- 特徴:一度に全面を張れるので作業が簡単
- サイズ:幅94cm程度が一般的
- おすすめ:初心者や短時間で作業を終わらせたい方
- 巻き物タイプ。
- 特徴:横に数回に分けて張っていく伝統的な方法
- サイズ:幅25cmや28cm程度が一般的
- おすすめ:伝統的な仕上がりを重視する方、細かい作業が得意な方
3. 貼り方による分類
- のり付けタイプ:伝統的な方法で、障子のりを使用
- 両面テープタイプ:手軽に貼れて初心者向き
- アイロン接着タイプ:アイロンの熱で接着するタイプ
選び方のポイント
- 生活スタイルに合わせる。
- ペットがいる家庭→プラスチックコーティングタイプ
- 小さな子供がいる家庭→強度のあるタイプ
- 伝統的な和の雰囲気を重視→和紙タイプ
- 予算に合わせる。
- 低予算→パルプ混合タイプ
- 中予算→一般的な和紙タイプ
- 高予算→高級和紙や特殊加工タイプ
- デザイン性を考慮する。
- 無地だけでなく、模様入りや色付きの障子紙も多数あります
- 和モダンな空間には幾何学模様や現代的なデザインの障子紙も◎
- 光の透過性を考える。
- 明るい部屋が好み→透過性の高い薄手の和紙
- プライバシーを重視→やや厚めの障子紙や模様入り
最近では、防カビ加工や防火性能を持つ障子紙も販売されています。湿気の多い場所や安全性を重視する場合は、これらの機能性障子紙も検討してみてください。
障子の張替え DIY で起こりがちな失敗と季節による影響
DIYで障子張替えを行う際、いくつかの失敗が起こりがちです。また、季節によって作業のしやすさや仕上がりに影響が出ることもあります。ここでは、よくある失敗とその対処法、季節ごとの注意点を紹介します。
よくある失敗とその対処法
- 障子紙にしわやたるみができる
- 原因:貼り方が不均一、のりの量が不適切
- 対処法。
- 中心から外側に向かって貼る
- 障子紙を貼る前に巻き癖を取っておく
- 仕上げに全体に軽く霧吹きをかける(のり貼りの場合)
- 障子紙が剥がれてくる
- 原因:古い糊や紙が残っている、桟が十分に乾いていない
- 対処法。
- 古い障子紙を剥がした後、桟をきれいに掃除する
- 桟が完全に乾いてから新しい障子紙を貼る
- のりや両面テープを適量使用する
- カッターで障子の桟を傷つける
- 原因:力の入れすぎ、刃の角度が不適切
- 対処法。
- 新しい刃を使用する
- 軽い力で何度か切る
- 定規をガイドにして使う
- 障子紙が破れやすい
- 原因:障子紙の素材が弱い、取り扱いが荒い
- 対処法。
- 用途に合った強度の障子紙を選ぶ
- 丁寧に扱い、急な動きを避ける
- プラスチックコーティングタイプを検討する
季節による影響と注意点
- 春・秋(最適シーズン)
- 湿度が適度で作業しやすい
- のりの乾き具合も適切で、きれいに仕上がりやすい
- 特に注意点はないが、花粉の多い時期は窓を閉めて作業すると良い
- 夏(高温多湿期)
- のりが早く乾きすぎることがある
- 湿気で障子紙が伸びやすく、乾燥後にたるみが出ることも
- 注意点。
- エアコンで室内の湿度を調整する
- 一度に広い面積に糊を塗らない
- やや涼しい朝や夕方に作業する
- 冬(乾燥期)
- 乾燥しているため、のりが乾きやすい
- 障子紙が静電気で扱いにくくなることも
- 注意点。
- 作業前に加湿器で適度な湿度を確保する
- 障子紙に霧吹きで軽く湿り気を与える
- 手袋をして静電気を防ぐ
- 梅雨(高湿度期)
- のりの乾きが遅く、カビが発生するリスクがある
- 障子紙が湿気を吸って伸びやすい
- 注意点。
- 除湿機を使用して室内の湿度を下げる
- 防カビ加工された障子紙を選ぶ
- 晴れた日を選んで作業する
意外と知られていないのが、障子紙の張替え作業は「朝」が最適だということです。朝は湿度が適度にあり、日中に十分乾燥時間が確保できるため、きれいに仕上がりやすいのです。また、障子紙を貼る前日に広げておいて巻き癖を取っておくと、作業がスムーズになります。
障