

墨さしは、墨汁を付けて線や記号を書く「墨付け」のための道具で、墨壺・朱壺と組み合わせて使われます。
基本形は「一端がヘラ状、反対側が細い棒状」で、ヘラ側で線を引き、棒側で記号や文字を書くのが前提です。
材質で見たときの代表的な“種類”は、現場感としては次の3つに分けると理解が早いです。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/96703d2a662a3166c8af54804730aa4bcce25fbb
参考)https://www.monotaro.com/k/store/%E5%A2%A8%E5%B7%AE%E3%81%97/
「竹=全部同じ」ではなく、竹の種類が違うだけで割りの入り方・戻り・先の耐久の出方が変わるため、墨さしの“種類”を語るなら材質の差を最初に押さえるのが安全です。
墨さしの形状は、ヘラ側の幅や厚み、そして先端の割り込みの設計で使い味が大きく変わります。
竹中大工道具館の解説では、ヘラ側は巾約10〜15mmで、先端から約1〜2cmの深さまで縦に薄く割り込みを入れ、斜めに切り落とした部分を曲尺などに沿わせて線を引く、とされています。
「割り込みの枚数」は、意外と“種類差”として効いてきます。熟練者は割り込みを30〜40枚位に極めて薄く入れる、とされ、線の細さと墨含みの両立を狙う考え方が読み取れます。
一方で、自作・調整の現場目線だと、割りを薄くしすぎると中で砕けて使えなくなるため、適度な厚みを残す調整が必要、という注意点もあります。
形状の違いを「種類」として整理すると、次の観点が実務的です。
墨差しは、さしがねや墨壺とセットで使い、墨付け技能としては3点をまとめて扱えることが前提、とされています。
木材に濃く細い線が引け、多少湿った木材やPG材(防腐剤注入材)のような湿った材料でもきれいに書ける、とされている点は、現場での「鉛筆やマーカーとの差」を説明する材料になります。
使い方の“種類”(=状況別の持ち替え・当て方)で押さえるべきは、正使いと逆さ使いです。
さらに「墨差しは水を含ませて使用する」「乾燥していると割れやすく墨も乾きやすい」という扱い方は、竹製を選ぶ以上は避けて通れない運用条件です。
作業中は指やさしがねに墨が付くため、雑巾などで拭き取りながら使う、という当たり前の所作も品質(線のにじみ・手元の汚れ)に直結します。
竹墨差しは水を含ませた状態で使うのが基本で、乾燥状態は割れやすく墨も乾きやすい、とされています。
この前提があるため、保管も「乾かし切る」のではなく、「割れない管理」と「カビさせない管理」のバランスが実務になります(現場の季節・湿度で正解が変わるため、一定の型にしすぎないのがコツです)。
市販品の説明でも、使用後に水洗いするだけで墨が落ちる、というメンテ性を売りにするものがあり、少なくとも“洗って戻す”運用が一般的に想定されています。
また、作業中に墨を拭き取りながら使うという運用は、線の発色を安定させるだけでなく、工具箱内の汚損や他工具への墨移りを抑える意味でも合理的です。
手入れを“種類別に変える”発想も重要です。
検索上位の解説でも触れられますが、竹は割りやすい方向があり「上(生えている状態での上)から割る」とされています。
また、竹の上下は節を見ると判断でき、節の尖った方が上、という見分け方が示されています。
ここが実務の“意外な差”になりやすいのは、墨さしの先端を極薄に割り込んだとき、割りの素直さ(まっすぐ割れるか、逃げるか)が線品質に直結しやすいからです。
つまり「墨さしの種類=商品名の違い」だけでなく、同じ真竹でも“上下の取り方・割る方向・割りの進め方”で別物の描き味になり、結果として現場では“自分仕様の種類”が増えていきます。
自作の工程でも、割り進めに竹の余りで作った割具を使い、刃物で割り面を削らないようにする(割りが広がる原因になる)というコツが紹介されています。
この発想は市販品にも応用でき、先が開いてきたら「切って終わり」ではなく、割りの整え方を知っているだけで“使える種類”が増えるのが、墨さしの面白さです。
墨さし・墨壺の基本構造と用途(線の引き方の前提)
https://www.dougukan.jp/tools/tools_01_02
真竹の話、正使い/逆さ使い、割り・自作・調整の具体(現場の再現に役立つ)
https://daiku-manual.com/ken/2020/05/08/sumisasi/