高窓開閉チェーン開かない原因と修理方法

高窓開閉チェーン開かない原因と修理方法

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高窓開閉チェーン開かない原因

高窓チェーン式の主な故障箇所
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オペレーター本体の故障

チェーン式オペレーター本体内部の機構が破損し、動力が伝わらなくなる

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滑車部分の故障

チェーンを介して動力を伝える滑車が劣化・破損して動作不良を起こす

🔩
連結ビスの緩み・脱落

オペレーターと窓本体を連結するビスが外れてチェーンが空回りする

高窓チェーン式オペレーター本体の故障原因

高窓が開かない最も一般的な原因は、チェーン式オペレーター本体の内部機構の故障です。オペレーターハンドルは文字通り「窓を操作するハンドル」であり、高所にあるルーバー窓やすべり出し窓では滑車を介してチェーンで操作する構造になっています。長年の使用により内部の歯車や連動機構が摩耗・破損すると、チェーンを引いても動力が窓本体に伝わらなくなります。
参考)https://isreform.jp/reform/sashshutter/sash001/

オペレーター本体の故障は、使用頻度の少ない窓や設置年数の古い窓で特に発生しやすい傾向があります。可動部分に機械油が塗布されていますが、長期間動作しないことで油が固結してしまうケースもあり、これが原因でハンドルが回らなくなることもあります。トステム製やLIXIL製の高所ルーバー窓では、オペレーター本体の交換で修理が可能ですが、年式が古いサッシの場合は同じ色の部材供給が終了している場合もあります。
参考)https://www.mac-glass.com/column/202503_15ki/

高窓チェーン式滑車の劣化と破損

チェーン式オペレーターが動かない原因として、滑車部分の故障も非常に多く見られます。滑車はチェーンの動きを窓本体に伝える重要な部品で、トステム製やLIXIL製の高所用窓では指定の滑車を使用する必要があります。滑車が故障していた場合、オペレーターハンドル本体に問題がなくてもチェーンを引いても窓が動かない状態になります。
参考)https://www2.tostem.co.jp/rp/dfw/exsas6/techlib_dl/default.aspx?P1=0020amp;P2=4D414A2D3630392E706466amp;P3=11111111111

滑車の交換には、シャフトの径と長さを確認してメーカーから取り寄せる必要があります。デザインが若干変わることがありますが、機能は全く同じで、チェーンは再利用できるケースが多いです。他のメーカー部品で代用できるケースもあり、例えば不二サッシ製のオペレーターハンドルの場合、滑車部材とチェーンをセットで交換すればトステム製で代用できることもあります。古いサッシの中には、チェーン本体が重過ぎて滑車に負荷がかかり過ぎているケースもあるため、注意が必要です。​

高窓開閉連結ビスの緩みによる空回り

築25~30年経過したルーバー窓の高所用チェーンで空回りが発生する場合、オペレーターユニット自体の故障ではなく、本体との連結ビスが外れていただけという比較的軽微な原因であることも多くあります。長年の使用でビスが緩むことはよくあるメンテナンス事象で、症状だけ見て安易に「オペレーターユニットごと交換が必要」と判断する業者もいますが、ビスの締め直しで直ることも多々あります。
参考)https://www.lixil-reformshop.jp/shop/SP00000003/case/177091.html

LIXIL製の窓では、長期間商品を使用するとねじのゆるみが発生することがあり、商品のねじがはずれたりゆるんでいないか時々点検する必要があります。オペレーターハンドルとアームを連結する固定ねじがはずれにくい場合もあり、ねじ頭をつぶさないように注意が必要です。連動棒の穴にオペレーターハンドルの固定部をしっかりとはめ込んでねじをしめることが重要で、これが不十分だとチェーンが空回りする原因になります。
参考)https://alumi.st-grp.co.jp/inquiry/parts_pdf/HW1617B.pdf

高窓開閉ワイヤー切断とチェーン劣化

高所に取り付けられた排煙窓や高窓では、窓下部にあるハンドルを回転させてワイヤーに動力を伝えて開閉を行いますが、ワイヤーが劣化し切断している場合も動力が伝わらず開閉できません。ワイヤーの切断は目視で確認できることもありますが、窓枠内部に隠れている場合は分解しないと発見できないケースもあります。​
チェーン本体の劣化も開閉不良の原因となります。ボールチェーンは長期間の使用で伸びたり破損したりすることがあり、交換が必要になる場合があります。LIXIL製の上げ下げロール網戸の操作用のひもやボールチェーンの交換は可能なタイプでも複雑な作業を伴うため、修理をおすすめされています。YKK AP製の高所用すべり出し窓では、操作ひも(ボールチェーン)を使って窓を開閉する構造になっており、左側の操作ひもを引いて開け、右側の操作ひもを引いて閉めます。
参考)https://guide.ykkap.co.jp/attach/kousyoyousuberidasi_mado2/079/3howto/kousyoyousuberidasi_mado2_079_3howto.pdf

高窓開閉部品へのゴミ・ホコリ付着問題

ハンドルやチェーン式オペレーターに、ゴミやホコリが付着していると窓が開閉できなくなることがあります。建築現場では粉塵が多く発生するため、特に工事中や工事直後の建物では、チェーンや滑車部分にゴミが詰まりやすい状況になります。清掃しても直らない場合は、アームや枠・框に異物がはさまっていないか確認する必要があります。
参考)https://faq.lixil.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E7%AA%93%E3%82%92%E9%96%8B%E9%96%89%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E3%81%84-626cd6ce9ae9f0001d57e7e6

定期的な清掃とメンテナンスが重要で、ゴミやホコリの付着を防ぐためには、チェーン部分を柔らかい布で拭き取り、必要に応じて掃除機でゴミを吸い取ることが効果的です。特に高所の窓は日常的な清掃が困難なため、定期点検時にしっかりと清掃を行うことが推奨されます。普段目の届きにくい高所の窓だからこそ、定期的な点検が大切になります。​
窓の製造メーカーLIXILによる公式メンテナンス情報は以下で確認できます。

 

LIXIL 修理費用の目安

高窓サッシの錆びと固着トラブル

動作部分に加えて、排煙窓や高窓自体(サッシ)が錆びて固着するケースもあります。特に浴室や湿気の多い場所に設置された窓では、サッシの錆びが進行しやすく、これが原因で窓が開かなくなることがあります。錆びは金属部分の劣化を示しており、放置すると更に状態が悪化します。​
サッシの錆びによる固着を防ぐには、定期的な注油とメンテナンスが効果的です。ローラーチェーンの動作を円滑にし、動作部の摩耗や損傷を防ぐためには適切な潤滑が必要で、潤滑油はローラーとブッシュの間に入り込み、両者の接触面に薄い油膜を形成します。特に高負荷や高速回転している部分は潤滑不足になりやすいため、こまめな注油が必要です。
参考)https://www.jax-japan.com/blog-5ways-lubricateroller-chains/

錆びが進行してしまった場合は、サッシ自体の交換が必要になることもあり、壁の工事も必要となるため約30万円~50万円前後の費用が必要となるのが一般的です。早期発見・早期対処が修理費用を抑えるポイントとなります。
参考)https://www.k-skn.com/inner-window/column/245/

高窓電動オペレーター電気設備の故障

排煙窓や高窓は手動で動かすケースもありますが、電動で動作する場合もあります。動作部分以外にも、電気設備に異常があり動かないケースがあります。電動ユニットの故障の場合、LIXIL製のガラスルーバー窓では電動ユニットの交換に38,000円~102,000円、高所作業を伴う場合は70,000円~147,000円の費用がかかります。
参考)https://www.lixil.co.jp/support/repair-cost/

電動オペレーターの故障原因としては、モーターの不具合、制御基板の故障、配線の断線などが考えられます。電気設備の故障は専門的な知識が必要なため、DIYでの修理は推奨されず、メーカーや専門業者に依頼することが安全です。高所の窓が開かない場合、故障の原因が雷ではないかという結論になったケースもあり、電気系統のトラブルは様々な要因で発生する可能性があります。
参考)https://starthome-home.jp/blog/1834/

高窓定期メンテナンスの重要性と頻度

高窓のチェーン式オペレーターは、定期的なメンテナンスを行うことで故障を未然に防ぎ、トラブルによるコストを抑制できます。適切なメンテナンスには、ビスの緩みチェック、可動部への注油、ゴミやホコリの除去、チェーンの状態確認などが含まれます。
参考)https://www.kk-howa.co.jp

メンテナンスの頻度は、使用環境や頻度によって異なりますが、一般的には年に1~2回の定期点検が推奨されます。建築現場では、完工前の点検時に高窓の動作確認を行い、引き渡し後も定期的な点検を施主に推奨することが重要です。長期間動作しないことで油が固結してしまうケースもあるため、使用頻度の少ない窓でも定期的に開閉操作を行うことが望ましいです。​
無駄な費用をかけないためにも、原因の特定をしっかり行うことが重要で、症状だけ見て安易に部品交換を判断するのではなく、まずは点検・診断を行うことが推奨されます。LIXIL修理受付センターやYKK APのメンテナンス受付など、メーカーの公式サポートを利用することで、確実な対応が期待できます。
参考)https://faq.lixil.co.jp/%E4%B8%8A%E3%81%92%E4%B8%8B%E3%81%92%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E7%B6%B2%E6%88%B8%E3%81%AE%E6%93%8D%E4%BD%9C%E7%94%A8%E3%81%AE%E3%81%B2%E3%82%82%E3%80%81%E3%81%BE%E3%81%9F%E3%81%AF%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%BA%A4%E6%8F%9B-6360d6603bfbb4001da1aaf2

高窓チェーン式修理費用と業者選び

高窓のチェーン式オペレーターの修理費用は、故障箇所や作業内容によって大きく異なります。LIXIL製のガラスルーバー窓の場合、ハンドル交換は18,000円~64,000円、高所作業を伴う場合は54,000円~119,000円が概算金額です。ハンドルや電動ユニットの調整(高所作業含む)は20,000円~57,000円となっています。​
作業員による現場調査の実施後に修理の実施に至らなかった場合(依頼をキャンセルした場合など)は、出張料や技術料(点検診断料)などの費用として7,920円が発生します。YKK APでは、現場調査費用として6,600円(税込)を請求する場合があります。修理を依頼する際は、これらの費用も考慮に入れる必要があります。
参考)https://www.ykkap.co.jp/consumer/support/tec/asset/pdf/tec-meyasu.pdf

業者選びのポイントとしては、窓メーカーの公式サービスを利用するか、窓修理の専門業者に依頼することが推奨されます。原因の特定をしっかり行う業者を選ぶことで、無駄な費用をかけずに適切な修理が受けられます。階段吹き抜け部の高所という特殊な環境での作業は、はしごの使用など安全確保が何よりも重要であり、慎重な対応が求められます。​
YKK APの公式サポート窓口は以下で確認できます。

 

YKK AP 窓・サッシ・シャッターのよくあるご質問

高窓チェーン式部品交換のDIY手順

高窓のチェーン式オペレーター部品交換は、比較的簡単な作業であればDIYで行うことも可能です。必要な工具は、プラスドライバーとマイナスドライバー、交換用のハンドル部品、そして潤滑スプレーです。また、細かい部品が見つけやすいようにトレイもあると便利です。
参考)https://kentec-life.co.jp/column/%E5%88%9D%E5%BF%83%E8%80%85%E3%81%A7%E3%82%82%E7%B0%A1%E5%8D%98%E3%81%AB%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E7%AA%93%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E4%BA%A4%E6%8F%9B.html

オペレーターハンドルの取り外し手順は、まずねじカバーをスライドして取り外し、固定ねじをプラスドライバーではずします。固定ねじがはずれにくい場合があるため、ねじ頭をつぶさないように注意が必要です。次にオペレーターハンドルの取り付けねじをはずし、ハンドル本体をサッシから外します。​
取り付けは逆の手順で行い、オペレーターハンドルを回して連動棒とアームの位置を合わせて付属のねじで固定します。連動棒の穴にオペレーターハンドルの固定部をしっかりとはめ込んでねじをしめることが重要です。部品交換後は、オペレーターハンドルがしっかりと固定されているか確認し、ハンドルを回転させルーバーがスムーズに開閉するか確認してください。電動工具を使用しての作業はしないでください。ねじ山がつぶれる原因となる場合があります。​

高窓開閉不良予防の注油ポイント

高窓のチェーン式オペレーターの予防メンテナンスとして、適切な注油が非常に重要です。チェーン式オペレーターへの注油では、ローラーとブッシュの隙間や両端の端ブッシュ付近に直接注油します。注油の目的は、チェーンの動作によって発生する摩耗や発熱を抑えることなので、摩擦が多い箇所に行うのが基本です。​
適切な潤滑を行わないと、摩耗や損傷が進み、機械の故障につながるリスクが高まります。特に高負荷や高速回転している部分は潤滑不足になりやすいため、こまめな注油が必要です。また、チェーンの内部まで潤滑剤を行き渡かせる必要があるため、細部に浸透しやすいオイル状の製品を使用する傾向があります。​
ロック機構への注油も重要で、可動部分の固着を防ぐことができます。使用頻度の少ない窓や設置年数の古い窓では錆などが原因でオペレーターハンドルが動かなくなる事があるため、定期的な注油で予防することが推奨されます。油をさしても改善されにくく、無理やり動かすと部品が取れて窓も落ちてしまうという事もあり得るので注意が必要です。
参考)https://madopro.jp/column/slidingwindow/

チェーン用潤滑油に関する情報は以下で確認できます。

 

ローラーチェーンの潤滑方法5選|高温・摩耗環境におすすめのチェーンオイル