机寸法一覧：建設業界向け規格表

机寸法一覧規格

机寸法一覧：JIS規格と現行規格の違い

建設業界で使用される机には、旧JIS規格と現行規格という2つの主要な規格が存在します。最も重要な違いは高さにあり、旧JIS規格では740mm、現行規格では720mmが標準となっています。

 

旧JIS規格の特徴：

• 高さ：740mm（現行より20mm高い）
• 主な使用場所：官公庁・役場・事務所
• 別名：職員室デスク、役所デスク

現行規格の特徴：

• 高さ：720mm（一般的なオフィス標準）
• 幅1200mm×奥行700mmが最も多用される
• 省スペース型として幅1000mmも選択可能

旧JIS規格の机が今でも多くの建設現場事務所で使用される理由は、図面や設計書類の閲覧に適した高さ設定にあります。20mmの差は僅かに見えますが、長時間の作業では姿勢に大きな影響を与えます。

 

両袖机の場合、1号（幅1525×奥行760mm）から3号（幅1370×奥行635mm）まで段階的にサイズが設定されており、事務所の規模や人数に応じて選択できます。

 

机高さ寸法：建設現場事務所での標準値

建設現場事務所では、一般的なオフィスとは異なる作業環境を考慮した机選びが重要です。図面閲覧、設計書類の確認、現場写真の整理など、特殊な作業要件があります。

 

推奨高さ基準：

• 図面作業中心：740mm（旧JIS規格）
• 一般事務作業：720mm（現行規格）
• 立ち作業併用：900-1000mm（スタンディングデスク）

現場事務所特有の考慮点として、ヘルメットや安全靴を着用したままでの作業があります。この場合、通常より5-10mm高い設定が作業効率を向上させます。

 

また、複数人での図面確認作業を想定すると、机周りの動線確保が重要です。机背面に複合機がある場合は1500mm以上、側面配置では1200mm以上のスペースを確保する必要があります。

 

高さ調整可能な机の活用：
近年、建設現場事務所でも電動昇降デスクの導入が増加しています。朝礼時の立ち作業と通常業務の座り作業を効率的に切り替えられるためです。

 

机幅・奥行き寸法：作業効率を考慮した選び方

建設業界では図面や書類のサイズが作業効率に直結するため、机の幅と奥行きの選定が特に重要です。A1図面（594×841mm）を広げる作業を考慮すると、最低でも幅1200mm×奥行800mm以上が必要です。

 

標準的な寸法パターン：

机タイプ	幅(mm)	奥行(mm)	適用場面
片袖机	1200	700	一般事務作業
片袖机	1000	700	省スペース用
両袖机1号	1525	760	管理職・図面作業
両袖机2号	1460	730	中間管理職
両袖机3号	1370	635	一般職員

建設現場特有の要求として、以下の点も考慮する必要があります。

• 図面保管スペース： 引き出し内にA3ファイルが収納できる奥行
• PC作業スペース： デュアルモニター設置を想定した幅
• 安全書類整理： 法定書類ファイルの配置スペース

奥行きについては、一般的な700mmより深い730-760mmを選択することで、図面を広げながらPC作業を並行できる環境を構築できます。

 

机寸法記号一覧：W・D・Hの読み方と活用法

建設業界では図面や仕様書で頻繁に寸法記号が使用されるため、机選定時にも正確な理解が必要です。基本的な記号体系を把握することで、カタログ読解や発注時のミスを防げます。

 

基本寸法記号：

• W (Width)： 幅 - 机の左右の長さ
• D (Depth)： 奥行き - 机の前後の長さ
• H (Height)： 高さ - 床面から天板上面までの長さ
• T (Thickness)： 天板厚 - 天板の厚み寸法

椅子関連の特殊記号：

• SH (Seat Height)： 座面高 - 床から座面までの高さ
• AH (Arm Height)： 肘掛高 - 床から肘掛けまでの高さ
• SD (Seat Depth)： 座面奥行 - 座面のみの前後寸法

建設現場事務所では、これらの記号を使って現場報告書や備品調達資料を作成することが多いため、正確な表記方法の習得が業務効率化につながります。

 

実務での活用例：
机の仕様を報告する際「W1200×D700×H740」と記載することで、相手に正確な寸法情報を伝達できます。また、φ（ファイ）記号は円形テーブル用の直径表記として、会議室設計時に活用されます。

 

机寸法一覧：建設業界特有の要求事項と対応

建設業界では一般的なオフィス家具とは異なる特殊な要求事項があります。現場環境の厳しさ、法定書類の管理、安全性確保など、業界特有のニーズに対応した机選びが重要です。

 

建設業界特有の要求事項：
🔧 耐久性要求

• 粉塵環境での使用を想定した表面処理
• 重い図面ファイルに耐える構造強度
• キャスター付きワゴンの頻繁な出し入れに対応

📋 収納要求

• A1図面用の特大引き出し（幅900mm以上）
• 法定書類ファイル専用棚（高さ300mm確保）
• 安全帯・ヘルメット用の専用フック

⚡ 配線要求

• 測量機器用の専用電源コンセント
• LAN配線用のコードホール（直径80mm以上）
• 現場カメラ・タブレット充電用USBポート

対応製品の選定ポイント：
コードホール付きの机を選択する際は、直径だけでなく位置も重要です。建設業界では太いケーブルを使用することが多いため、一般的な30mm径では不十分な場合があります。

 

また、机の脚間寸法も重要な要素です。大型の測量機器や図面ケースを机下に収納する場合、脚間584mm以上を確保する必要があります。

 

近年増加している現場事務所のデジタル化に対応するため、USB充電ポート内蔵型の机も登場しています。タブレットやデジタルカメラの充電需要に対応した仕様となっており、建設現場の作業効率向上に貢献しています。

 

メンテナンス性の考慮：
建設現場事務所は移転が多いため、組み立て・分解が容易な構造の机を選択することで、移設コストを削減できます。特に、パネル付きタイプの場合は、パネルの着脱方式を事前に確認することが重要です。