通気孔ヘルメット選び方と効果

通気孔ヘルメット選び方と効果

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通気孔ヘルメットの選び方と効果

通気孔ヘルメットの主要ポイント
🌬️
優れた通気性能

前後左右の通気孔により頭部のムレを効果的に低減し、快適な作業環境を実現

⚠️
電気工事での注意

通気孔なしタイプは使用電圧7000V以下の電気工事に対応

🛡️
安全規格への適合

飛来・落下物用、墜落時保護用の厚生労働省保護帽規格に適合

通気孔ヘルメットの構造と種類

通気孔付きヘルメットは、帽体の上部や側面に設けられた開口部により、ヘルメット内部の空気循環を促進する構造になっています。前後・左右のベンチレーション(通気孔)により、頭部のムレを効果的に低減し、安全で快適な作業に寄与します。
参考)通気孔付ヘルメット

通気孔のタイプには複数の種類があり、前側面と上部に設けたタイプや、4方向の大型通気孔付きタイプなどが存在します。特に4つの通気孔を備えたモデルは、通気孔の面積を拡大することでさらに通気性を高めており、従来品の約2倍の大きさになっています。
参考)https://www.monotaro.com/k/store/%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%83%E3%83%88%20%E9%80%9A%E6%B0%97%E5%AD%94%E4%BB%98%E3%81%8D/

  • 前後タイプ:前面から後面への大きな通気孔を配置
  • 全方向タイプ:前面から上部、側面全方向に空気が流れる設計
  • 二層構造タイプ:雨水の浸入を防ぎながら通気性を確保

頭部とヘルメットの隙間から空気が出入りしやすく、ムレや熱がこもりにくいデザインも施されています。やや末広がりな帽体の外縁形状、前方からの気流を帽体内に導く2段傾斜のバイザー、耳当りを防止し気流が入りやすいサイド部分の造形などが特徴的です。​

通気孔ヘルメットのメリットと暑さ対策効果

通気孔付きヘルメットの最大のメリットは、ヘルメット内部の熱や湿気を逃がしやすく、頭が蒸れにくい点です。特に夏場の現場仕事では汗をかき、頭がムレる悪循環に陥りやすいため、作業中も風が通りやすい通気孔付きのヘルメットなら、ムレにくさに加えて涼しさもアップします。
参考)https://www.uniformnext.com/work-uniform/category/helmet_tsuki/

前頭部を抜けた空気が両側頭部から抜けて、ヘルメット内の快適性を高める効果があります。首筋への雨垂れの浸入を防ぎ、側面からの圧力にも強い溝付構造を採用しているモデルも多く見られます。​
さらに、通気孔付きヘルメットには消臭・抗菌効果を持つタイプも存在します。ハンモックテープへの光触媒加工、アゴヒモへの備長炭テープ採用、汗止めシートへの抗菌加工、スチロールライナーへの静電気防止剤処理など、4つの消臭・抗菌効果を備えたモデルがあります。​
超軽量通気孔付きタイプでは、重量が約350~460gと軽くて涼しく、フィット感も抜群です。帯電防止処理をしているため、ほこりが付きにくいという利点もあります。​

通気孔ヘルメット選びの重要ポイント

通気孔付きヘルメットを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。まず、電気工事に使用する場合は通気孔なしタイプを選ぶ必要があります。通気孔なしタイプは使用電圧7000V以下の電気工事に対応していますが、一部のヘルメットは「着脱式バイザー」などの理由で電気工事に対応していないため、購入前に必ず確認が必要です。
参考)工事用ヘルメットについてのFAQ(よくあるご質問)

一般的には、蒸れにくい「通気孔付き」のヘルメットを選ぶことが多いです。しかし、デメリットとして雨の日には通気孔から雨水が侵入することがあります。雨天時のご使用には、大きめの帽子が付属しているヘルメット対応作業用レインウェア(カッパ)の使用がおすすめです。​
遮熱ヘルメットと組み合わせることで、さらに効果的な暑さ対策が可能です。通気孔がある遮熱ヘルメットは、通気性が高くて涼しく、蒸れにくくて快適に着用できます。遮熱加工には塗装型と練り込み型があり、練り込み型は傷や塗装の剥がれに遮熱性能が影響を受けにくいという利点があります。
参考)工事用遮熱ヘルメットの選び方!タニザワ・DIC製の人気ランキ…

選択基準 通気孔付き 通気孔なし
メリット 頭が蒸れにくい、涼しい 電気工事対応(7000V以下)
デメリット 雨水が侵入する可能性 熱や湿気がこもりやすい
適用現場 一般建築、土木工事 電気設備工事

通気孔ヘルメットの雨天時対策と使用上の注意

雨天時の作業では、通気孔から雨水が侵入する問題に対処する必要があります。通気孔が無ければ雨のしずくがヘルメット内部にまで入ってきませんが、粉塵も入りにくいので、石膏ボードを扱う場合や解体工事をする場合にもおすすめです。
参考)梅雨到来!雨天・悪天候で使う作業用・工事用ヘルメットを選ぶ …

雨垂れ防止溝を備えたモデルは、頭に降り掛かった雨水がヘルメットを伝って、顔の周囲にダラダラとしずくが垂れることを防ぎ、溝を通って前方から流れ落ちるデザインになっています。ただし、粉塵が舞う作業現場では溝に粉が溜まってしまう恐れがあるため注意が必要です。​
二層構造で雨水の浸入を防ぐタイプも存在します。クローズ状態にすると雨の侵入を防ぐことができ、オープンにすると風を取り込みムレを防ぐことができる調整機能付きモデルもあります。
参考)https://www.uniformnext.com/work-uniform/product/b5-ss23vtpra/

通気孔に関する重要な注意点として、使用者が勝手に穴を開けてはいけないという規定があります。通気孔は厚生労働省の通気孔の指針に定められており、それに基づいて製品化されています。蒸れるからといって勝手に穴を開けたりすると危険です。
参考)プロが教えるヘルメットの選び方

通気孔ヘルメットのメンテナンスと安全規格

通気孔付きヘルメットの適切なメンテナンスは、安全性と快適性を維持するために重要です。新品のヘルメットの内部を確認すると「労・検」の文字が記載されたシールが貼ってあります。この労検ラベルは、厚生労働省「保護帽の規格」に適合した型式検定合格ヘルメットに貼られるシールであり、国が定めた安全性の基準に合格したヘルメットにのみ貼られることが許されます。
参考)失敗しない安全ヘルメットの選び方 ~重要な労検ラベル編~

労検ラベルが貼ってないヘルメットでは、法律(労働安全衛生法)で定めた多くの作業現場に入場できません。ラベルには、ヘルメットの形式名称、材質、検定取得年月、検定合格番号、製造業者名、製造年月、使用区分などが記載されています。​
保護帽の国家検定規格では、衝撃吸収性試験と耐貫通性試験が実施されます。飛来・落下物用では、5kgの半球形ストライカを1mの高さから頂部に落下させる試験が行われます。墜落時保護用では、1.8kgの円すい形ストライカを0.6mの高さから自由落下させる試験が実施されます。
参考)保護帽の規格

谷沢製作所の保護帽カタログ
保護帽の規格詳細や通気孔の構造について詳しい技術情報が掲載されています。

 

ミドリ安全の保護帽規格解説
保護帽の国家検定規格の要旨や試験方法について分かりやすく説明されています。