

ウレタン樹脂塗料は、主剤側のポリオール(複数の水酸基)と、硬化剤側のポリイソシアネートを組み合わせる反応型塗料の総称です。
この組み合わせの自由度が高く、用途(外装上塗り、下塗り、低温硬化、木工、金属など)に合わせて設計を振れるのが、ウレタン系が長く現場で使われてきた理由の一つです。
また建築・改修の文脈では「ウレタン=中級グレード」と雑に括られがちですが、実際は原料(イソシアネート種、ポリオール骨格、溶剤/水系、添加剤)で別物になり得るため、同じ“ウレタン”表示でも仕様書の中身確認が要点になります。
現場目線で押さえるべき反応型のポイントは次の通りです。
参考)https://www.nipponpaint.co.jp/pdf/products/large/guidebook/cvbridgeall.pdf
ウレタン塗膜は相対的に柔らかく、下地への密着性・追従性が評価されやすい系統です。
建築改修で効く場面は、旧塗膜が残る塗替えや、揺れ・温度伸縮が出る部位などで「硬い塗膜ほど割れやすい」条件が重なるときで、ウレタンの追従性がリスク低減に寄与します。
ただし、追従性は万能ではなく「下地処理が甘いと剥がれる」のはどの樹脂でも同じで、ウレタンは“食いつくから多少雑でもいける”という誤解が事故の入口になりがちです。
施工トラブルを減らすための整理(現場の確認順)です。
参考:製品特長として旧塗膜適性(塗替え適性)や幅広い素材適用が整理されています(改修の考え方の裏取りに使えます)。
旧塗膜適性・幅広い適用下地(モルタル/ALC/鉄部/木部など)の記載が参考(塗替え適性の根拠確認)
ファインウレタンU100|日本ペイント株式会社
ウレタン樹脂塗料は上塗り用途で用いられることが多く、外観(つや、肉持ち)を含めた塗膜性能が評価されやすい系統です。
一方で、耐候性や黄変性は“ウレタンだから一律”ではなく、ポリイソシアネートが芳香族型か脂肪族型かで傾向が大きく変わります。
たとえば芳香族型(TDI/MDI系)は日光暴露で黄変しやすい可能性が高く、脂肪族型(HDI/IPDI系)は無黄変型として使い分けられる、という整理は材料選定の現場判断に役立ちます。
ここは「見える不具合」になりやすいので、発注者説明にも使える実務ポイントを置いておきます。
ポリウレタン樹脂塗料は、製品形態として1液型/2液型に分かれ、現時点では2液型が主体という整理が一般的です。
また分散媒体として溶剤系・水分散系・無溶剤系があり、現状は溶剤系が主体とされています。
2液型は硬化性に優れ、特に低温硬化性に優れるという指摘があり、寒冷期の工程設計で検討価値があります。
ただし施工管理は「選んだ瞬間に難易度が決まる」ことが多いです。
参考:可使時間(ポットライフ)や乾燥時間、希釈率など、施工管理に直結する数値の確認に使えます。
可使時間(ポットライフ)・乾燥時間・希釈率の具体例が参考(2液ウレタンの工程管理)
ファインウレタンU100|日本ペイント株式会社
ポリウレタン樹脂塗料は設計自由度が高い反面、原料として多種類の化学物質を使用し、労働安全衛生法・化管法・消防法などの法規制対象になり得るため、取扱い時の留意が必要とされています。
この「化学物質としての扱い」が、現場の早期劣化と直接つながるケースは意外に見落とされがちで、たとえば換気不足で溶剤が抜けにくい、規定外の希釈で溶剤バランスが崩れる、硬化剤の取り違えが起きる、といった“管理の乱れ”が塗膜寿命を削ります。
要するに、ウレタンは材料として強い弱い以前に「工程・安全・保管を守れる現場かどうか」で性能の出方が変わりやすい塗料です。
建築従事者向けに、早期劣化の「意外な起点」をチェックリスト化します。
参考:ポリウレタン塗料が法規制対象になり得ること、環境対応(低VOC・水系化・低エネルギー化)などの動向整理が参考(材料選定と現場運用のギャップ対策)。
化学物質管理・環境対応(低VOC/水系化/低温硬化など)の整理が参考(安全・品質の両立)
https://gijutsu-keisho.com/technical-commentary/chemical-013/