割石規格と種類から用途と施工方法まで

割石規格と種類から用途と施工方法まで

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割石規格と用途

💡 この記事で分かること
📏
JIS規格に基づく寸法基準

30割石、35割石、40割石の具体的な控長と表面積の規格を詳しく解説

🏗️
建築現場での実践的な用途

基礎工事、擁壁工事、外構工事における割石の選定と施工のポイント

⚠️
現場で役立つ注意点

他の石材との違いや施工時の安全対策、品質管理の実践的なノウハウ

割石のJIS規格に基づく寸法基準

割石の規格は、JIS A 5003:1995「石材」において明確に定められており、建築業従事者が理解すべき基本的な技術基準となっています。規格では、割石は「面が原則としてほぼ方形に近いもので、控えは二方落としとし、面に直角に測った控えの長さは、面の最小辺の1.2倍以上であること」と定義されています。
参考)JISA5003:1995 石材

割石の標準寸法は、控長(石の奥行き)と表面積によって3つの規格に分類されます。具体的には、30割石は控長30cm以上で表面積620cm²以上、35割石は控長35cm以上で表面積900cm²以上、40割石は控長40cm以上で表面積1,220cm²以上という基準が設けられています。この規格化により、建築現場での品質管理と施工計画が容易になります。​
寸法の測定方法については、厚さ、幅、長さは欠点部分を除いた最小部分を測るという原則が定められています。これにより、実際の施工で使用できる有効寸法が保証され、工事の品質が担保されます。​

割石と類似石材の違いと選定基準

割石は、間知石や割栗石といった他の石材と形状や用途において明確な違いがあります。間知石は四方落としで控えが整形されているのに対し、割石は二方落としで形を決めずに野面石を割ったものです。この構造の違いにより、間知石は擁壁土留めなど高い強度が求められる場所に適し、割石は石垣や歴史的建造物など自然な風合いを求める場所に使用されます。
参考)【図解】野面石とは?間知石、玉石、雑割石、割石との違いについ…

割栗石との違いについては、割栗石は岩石を人工的に割って作られた角ばった形状が特徴で、サイズは一般的に100mm~300mm程度です。割栗石は石同士がかみ合うため高い安定性を発揮し、基礎工事や地盤の安定化に多く使用されます。一方、割石はJIS規格に基づく寸法基準があり、より大型で石積み工事に適しています。
参考)外構の割栗石の用途は?おしゃれな使い方やメリット・デメリット…

選定基準としては、施工目的に応じた強度要件、自然な風合いの必要性、施工技術者の熟練度を考慮する必要があります。割石は熟練技術が必要な一方、自然美を活かしたい建築物や歴史的建造物の復元に最適です。
参考)割石とは?その特徴、種類、用途、施工方法、メリット・デメリッ…

割石の種類と建築現場での用途展開

割石は石材の種類によって、花崗岩、砂岩、石灰岩、大理石などに分類されます。花崗岩は硬度が高く耐久性に優れているため、建築や舗装工事に広く使用されており、長期的な強度が求められる基礎工事に最適です。砂岩は柔らかく加工が容易なため、装飾や壁材に適しており、意匠性を重視する外構工事で好まれます。​
形状による分類では、角割石は直方体や立方体に近い形状で石積みや基礎工事に使用され、乱形割石は不規則な形状で自然な雰囲気を求める庭園や舗装に適しています。板石は薄くて平らな形状で、敷石や舗装材として使用されます。​
建築現場での主要な用途として、基礎工事では建物や構造物の基礎として安定性を提供し、地盤の沈下を防ぐ役割を果たします。擁壁工事では土壌の崩壊を防ぎながら景観を保つことができ、河川工事では護岸工事に使用され水流を制御します。外構・エクステリアの施工では、自然な風合いを活かした庭園設計に活用されています。
参考)割栗石とは?3分でわかる外構で使うメリット|知って得するエク…

割石の施工方法と現場での注意点

割石の施工は、適切な準備作業から始まります。まず、使用する割石の種類や配置を計画し、必要な材料を準備します。地盤の整備では、割石を設置するための基礎を作るため、必要に応じて掘削や地盤改良を行います。伝統的な「割栗地業」では、割石を小端立てにし、上下を楔状に交互に敷き込み、目潰しや上端均しのために切り込み砂利を用いて突き固める方法が採用されてきました。
参考)知らなかった!割栗石の歴史と現代の利用方法

施工手順としては、コンクリートや砂利を用いて安定した基礎を構築した後、割石を形状や大きさに応じて適切に配置し、水平と垂直を確認しながら作業を進めます。必要に応じてモルタルを使用し、割石を固定する際は、モルタルを均一に塗布し隙間がないように設置することが重要です。​
現場での注意点としては、割石は比較的大きいため敷く際には適切な配置を考える必要があり、特に安定した地盤を作るためには整地作業が重要です。安全面では、重量物の取り扱いには十分な注意が必要で、適切な重機や人員配置を行います。また、防草対策として石の下に防草シートを敷いておくと、雑草対策になります。完成後は、割石の表面を清掃し、目地を整え、必要に応じて防水処理や補強を行います。
参考)割栗石の使い方と注意点 |ブログ|株式会社ノエル

割石の購入先と価格帯の実際

割石の購入先は大きく分けて、建材店、ホームセンター、ネット通販の3つがあります。最も安く購入できるのは建材店で、例えば荒川建材では割栗石を1トンあたり3,200円(税別)で販売しており、中間コストがかからず商品価格が安いという利点があります。ただし、配送料が別途かかる点には注意が必要です。
参考)割栗石を安く買う方法!カインズやコメリなどのホームセンターは…

ホームセンターでは、カインズやコメリなどで割栗石が販売されており、価格は20kgで約2,200円が相場となっています。少量購入する場合や、現物を確認してから購入したい場合には、ホームセンターが便利です。店舗在庫については事前確認が推奨されます。
参考)TAIKOH マーブルホワイトゴロタ 100-200mm 2…

ネット通販では、楽天市場やYahoo!ショッピングで購入可能で、Yahoo!ショッピングではPayPayポイントが貯まるキャンペーンを活用することでお得に購入できます。特に「5のつく日」や「買う!買う!サンデー」などのキャンペーン期間中は、ポイント付与率が4%以上になるため、計画的な購入が推奨されます。大量購入する場合は建材店への直接発注、少量購入や好みの色・形状を探す場合はネット通販が適しています。
参考)https://www.niwaishi.co.jp/blog/%E5%BA%AD%E7%9F%B3%E5%B1%8B%E3%81%8C%E6%95%99%E3%81%88%E3%82%8B%EF%BC%81%E5%BA%AD%E3%82%92diy%E3%81%99%E3%82%8B%E9%9A%9B%E3%81%AE%E5%BA%AD%E7%9F%B3%E3%81%AE%E5%85%A5%E6%89%8B%E5%85%88%E3%81%AF/

建材店では専門のプロに種類や必要量について相談できるという大きなメリットがあり、取扱商品にないものも相談可能な店舗が多いです。購入前に相談することで、施工目的に最適な割石を選定できます。​
JIS A 5003:1995 石材規格の詳細
割石の正式な規格寸法や品質基準について、日本産業規格の原文で確認できます。

 

割栗石の歴史と現代の利用方法
割栗地業の伝統的な工法から現代の建設プロジェクトでの活用まで、歴史的背景を含めた詳細情報が掲載されています。