
造園工事の費用は労働時間で算出される場合と施工内容で算出される場合、または両方を組み合わせた方法で決まります。職人一人当たりの人件費は時給2,000〜3,000円、日給15,000〜30,000円が一般的な相場となっており、地域や施工内容によって変動します。人件費を「1人工(いちにんく)」と呼び、職人1人あたりにかかる費用として1日あたり20,000円から高所作業などでは30,000円以上になることもあります。切り落とした枝葉の処分費用や清掃費用、出張費、駐車代などが人件費に含まれていない場合は別途費用が発生するため、見積もり時に確認が必要です。
参考)https://akashiryokka.com/column/1673
庭木の剪定だけを依頼する場合、費用は50万円以下が目安となります。庭木には低木(3m未満)、中木(3〜5m未満)、高木(5〜7m未満)があり、それぞれ1本あたり1,000〜5,000円、4,500〜9,000円、9,000〜17,000円の相場です。植え込みや生垣の剪定は1平方メートルあたり500〜1,000円程度、新しく生垣などを植える場合には1平方メートルあたり15,000〜20,000円程度の費用がかかります。庭全体の空間を作る造園工事では、砂利敷きやフェンス設置、花壇作りなどを含めて約50〜100万円が費用相場となっています。
参考)造園の費用相場っていくら?依頼するときに意識したい3つのポイ…
庭全体の造園に加え、外構(塀、フェンス、玄関アプローチなど)の工事も含める場合、費用は100万〜300万円程度が一般的です。外構部分が加わることで、剪定や庭づくりとは異なるプランニングや施工が必要になり、道路や建蔽率との兼ね合いも考慮する必要があります。カーポートなどを増設する際は固定資産税の問題も発生するため、エクステリアや外構リフォームに対応している業者を選ばなければなりません。一般家庭の庭全体の造園では50平米あたり50万〜100万円が目安となり、デザインから植栽の選定・調達、整地、装飾、アフターメンテナンスまで一括で依頼するのが一般的です。
参考)造園費用の相場はどのくらい?料金の決まり方から安く抑えるコツ…
造園の費用は「1坪あたり10万円」を基準にしておくと計画が立てやすくなります。この基準価格であれば、十分満足できる庭園の実現が可能です。もちろん土地柄や造園業者によって価格は変動しますが、一つの目安として覚えておくと見積もり時の判断材料になります。平米単位で考える場合、砂利設置は3,000〜9,000円/㎡、芝生設置は4,500~13,000円/㎡が相場となっています。整地作業では10万〜30万円、植栽では20万〜40万円、アフターメンテナンスでは年間5万〜10万円程度の費用がかかることも把握しておきましょう。
参考)庭のリフォーム・整地・ガーデニングの費用相場と事例をご紹介!…
造園工事の見積書は直接工事費と共通費(諸経費)で構成されています。直接工事費とは工事目的物を造るための直接必要とする費用をいい、工事種別ごとに分けて計上されます。共通費(諸経費)は共通仮設費、現場管理費、一般管理費で構成され、工事全体を管理するために必要な費用です。材料費には使用する植物や資材の費用、人件費には作業にかかる労働力の費用、設計費には庭のデザインにかかる費用が含まれ、その他の費用として交通費や機材のレンタル費用なども発生します。見積もりを依頼する際は、これらの項目が明確に記載されているかを確認することが重要です。
参考)https://www.sibazouen.co.jp/14630637129297
造園工事とは「整地、樹木の植栽、景石の据え付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事」と定義されています。建設業法の別表には造園工事の種類例として、植栽、地被、景石、地ごしらえ、公園設備、広場、園路、水景、屋上等緑化、緑地育成工事の10種があげられています。一般的に造園工事として認知されがちな樹木の剪定や除草、草刈り、伐採工事、緑地や公園などの清掃や維持管理などは、この定義の造園工事には含まれません。各工事の内容を理解することで、適切な業者選定と費用算出が可能になります。
参考)造園工事の種類は?工事区分の考え方を徹底解説│みどりシゴト新…
植栽工事は樹木や草花を植える工事で、植生を復元する建設工事も含まれます。お庭一式の植栽工事を行う場合、広さや植える本数によっておおよそ150,000円~1,000,000円ほどとかなり費用に幅があります。庭の植栽と一概に言っても、シンボルツリーの単木植栽から大規模な緑化工事まで様々な規模があるためです。植栽では季節感のある花木やシンボルツリーを取り入れ、整地では排水の勾配を調整して水はけを良くする工夫がされます。土壌改良や支柱の設置等を伴って樹木、芝生、草花等の植物を育成する緑地育成工事では、長期的な視点でのメンテナンス計画も重要になります。
参考)工事の種類−㉓造園工事
地被工事は芝生や草花などで地面を覆う工事を指し、庭の景観を美しく保つだけでなく、土壌の流出を防ぐ効果もあります。芝生設置の場合は1平方メートルあたり4,500~13,000円が相場となっており、施工後の維持管理も考慮する必要があります。景石工事は庭園に景観用の石を据え付ける工事で、日本庭園やモダンガーデンなど庭のスタイルに合わせて適切な石材を選定します。景石の据え付けには重機が必要になる場合もあり、石材の種類やサイズによって費用が大きく変動します。地ごしらえ工事は造園工事の基礎となる整地作業で、重機を入れて地ならしをしたり、水はけが良くなるように勾配をつけたりする重要な工程です。
参考)造園工事とは?工事の役割・特徴を調査
公園設備工事には花壇、噴水その他の修景施設、休憩所その他の休養施設、遊戯施設、便益施設等の建設工事が含まれます。広場工事とは修景広場、芝生広場、運動広場その他の広場を築造する工事であり、用途に応じた適切な設計が求められます。園路工事とは公園内の遊歩道、緑道等を建設する工事で、歩行者の安全性と景観の調和を考慮した施工が必要です。水景工事は池や滝、噴水などの水を使った景観を作る工事で、防水処理や循環システムの設置など専門的な技術が要求されます。屋上等緑化工事とは建築物の屋上、壁面等を緑化する建設工事のことで、建物への負荷や防水対策を十分に検討する必要があります。
参考)造園工事ってどんな種類があるの?それぞれの種類について詳しく…
造園工事にかかる費用を抑えるには、まず複数の業者に見積もりを行う方法がおすすめです。施工に使用する資材や道具はもちろん、施工内容まで業者によってさまざまだからです。施工内容や対応範囲は業者ごとに異なるので、複数の業者を比較して希望する施工内容かどうかを確認する必要があります。金額・内容を比較検討し、ニーズに合った業者に依頼することで満足度の高い施工を受けることができます。相見積もりで金額だけを比べてしまうのは危険で、単に「一番安いから」といった理由だけで業者を選べば、メンテナンスやお手入れのことを考えてくれない業者に依頼してしまうこともあります。相見積もりをするときには金額だけではなく工事内容や材料などをしっかりと比べなければなりません。
参考)造園工事にかかる費用を抑えるには?
造園工事にかかる費用を抑えるには施工内容を見直すというのも一つの方法です。使用する資材やデザインは自分の要望と合っているか、より安価な材料に変えることができるかなど変更できる部分を見つけることで施工費用を削減できます。作業工程で妥協できる部分はカットすることもコストを抑える方法の一つで、たとえば事前・事後の清掃業務や個人で解決できる作業がサービス内容に含まれていることがあります。すでに施工内容に組み込まれているものでも作業工程を削減することで費用を大幅に削減できます。産廃費カットも重要なポイントで、造園業を営む上で切っても切り離せないのが作業で出る草木のゴミ処理であり、処理方法によってコスト削減が可能になります。オフシーズンを狙った施工は造園の費用を抑えるための賢い方法の一つで、多くの業者は春から秋にかけての繁忙期により料金が高く設定されることがあります。
参考)費用削減できる仕組み
業者選びで重要なポイントとして設立年数に注目することが挙げられ、その造園業者が信頼できるに値するかどうかを見極める指標になります。料金体系が不明瞭だったり、職人さんとの意思疎通がうまくいかず依頼していた工事をしてもらえなかったりする可能性があるため、まず信頼できる会社かどうかのチェックが必須です。造園やエクステリアの工事を依頼する際には複数社の見積もりをとって金額と内容を比較し、自分に最適な業者を見つけ出すことが大切です。経験豊富な技術者が在籍し、プランニング(企画提案)から施工そしてメンテナンス(維持管理)までをトータルサポートできる業者を選ぶことで、長期的な視点での庭づくりが実現します。営業・設計・監理を一貫して担当する体制があれば、依頼者の想いを現場に直接反映できる点も大きな強みとなります。
参考)造園業者の正しい選び方とは?信頼できる業者選びのポイントや費…
造園業における「植栽メンテナンス」や「維持管理」が手掛ける仕事には剪定の他にも落ち葉集め、枯れた木の取り替え、施肥、病害虫駆除、芝刈り、除草などがあります。アフターメンテナンスでは年間5万〜10万円程度の費用がかかることも把握しておく必要があります。メンテナンスやお手入れのことも考えることが重要で、低価格を提示してきた業者にキレイな庭をつくり上げてもらっても、メンテナンスやお手入れが発生するような場合には継続的にストレスを感じることもあります。ランニングコストがかかれば「結果的に予算オーバーしていた」なんてこともあるため、ある程度の価格は覚悟したうえでメンテナンスやお手入れが少ないものを選ぶなどの工夫をしましょう。年間スケジュール表を作成し、季節ごとの作業内容や頻度を書き込んだ計画表を用意することで計画的に管理を進めることができます。最適な時期に最適な規模で工事を行うことで将来的なコスト削減にもつながります。
参考)植栽の年間管理費用を徹底解説!効果的なコスト削減方法とは?
建設業の29業種のうちのひとつである造園工事は、整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事と定義されています。建築業従事者として造園工事を理解する際には、工事の種類や内容だけでなく、料金体系や費用相場、業者選定のポイントまで総合的な知識が求められます。現場では職人の人数や作業日数を確認しないと費用が高くなることがあるため、見積時に必ず確認をすることが重要です。日当の場合は15,000~30,000円が相場ですが、地域によって料金に幅があることが多いです。造園工事は単なる植木屋や庭師ではできない部分もあるため、外構工事まで考えている場合にはエクステリア専門の業者に依頼することをおすすめします。庭のゾーニングを明確にしておくことで後悔のない庭づくりができ、空間をテーマや用途に切り分けて考えることが成功の鍵となります。
参考)【庭木の剪定】費用・料金の相場はいくら?業者に依頼する前に
参考リンク(造園費用の料金体系と施工内容別の詳細な費用相場について)。
【費用相場】造園はいくらかかる?料金体系や施工内容別の費用を解説
参考リンク(造園工事の種類と工事区分の考え方について)。
造園工事の種類は?工事区分の考え方を徹底解説
参考リンク(造園工事費用を抑える具体的な方法について)。
造園工事にかかる費用を抑えるには?