

2成分形シーリング材の使い方で最初に差が出るのは、下地の「清掃」と「乾燥」です。シーカの施工手順では、被着体が十分乾燥しているか確認し、油分・汚れ・ゴミを除去するために乾拭き後、溶剤を含ませたきれいな布で入念に清掃するよう示されています。特に、油膜や粉じんが残ると、見た目は充填できても、後から界面で剥離しやすく「施工ミスに見えない不具合」になります。
清掃の段取りは、現場だと「とりあえず拭いた」で終わりがちですが、2成分形は硬化後のゴム弾性が安定しやすい反面、密着不良が起きるとリカバリーが大変です。シーカは清掃溶剤の選定にも触れており、被着阻害要因を十分除去できる溶剤を選ぶこと、塗面を溶解する場合はノルマルヘキサンを使用することなどが明記されています。材料メーカーがここまで書くのは、清掃が性能発現の前提条件だからです。
また、目地の納まりとして「二面接着」を確保するのも下地側の仕事です。シーカの施工手順では、バックアップ材を目地寸法に合わせて装てんし、深さに余裕がない場合は底部にボンドブレーカーを貼って二面接着を確保するよう示されています。ここを曖昧にすると、ワーキングジョイントで三面接着になり、目地の動きで早期破断を呼びやすくなります。
作業前チェックの実務ポイント(入れ子なし)
2成分形シーリング材の使い方で、次に外せないのがプライマーです。セメダインのFAQでは「2成分形は必ずプライマーを使用してください」と明確に書かれており、プロはプライマー工程を丁寧に行うと述べています。ここは現場で軽視されがちですが、密着の土台なので省略すると後工程が全部無意味になります。
シーカの施工手順でも、刷毛などで塗りムラのないよう均一に塗布し、所定の乾燥時間を確保したうえで「塗布後有効時間内にシーリング材を充てん」するよう示されています。つまり、プライマーは「塗ったら勝ち」ではなく、乾燥時間と有効時間の管理までがセットです。乾燥不足で溶剤が残っても、放置し過ぎて有効時間を超えても、密着不良の原因になり得ます。
意外と見落とされるのは、プライマーが“どこにでも同じ”ではない点です。セメダインは専用プライマーの例として、変成シリコーン専用、万能(ウレタン系・2成分形全般)など、用途別に複数を挙げ、さらに多孔質(モルタル・スレート・木材等)と非多孔質(塗装面・金属・プラスチックなど)という素材分類も示しています。被着材に対してプライマーが合っていないと、丁寧に塗っても結果が出ないことがあります。
プライマー工程のコツ(入れ子なし)
参考:2成分形はプライマー必須/素材別プライマー例(多孔質・非多孔質の考え方)
https://faq.cemedine.co.jp/architecture/detail?site=T5WB9K2B&category=97&id=24
2成分形シーリング材の使い方で、品質の上限を決めるのが「混合比」と「撹拌(混練)」です。シーカの施工手順では、硬化剤(必要ならカラーマスターも)を基剤に混入し、縞目模様がなくなるまで十分混練すること、混練時間は15分程度で正転→反転→正転を行い、途中で缶壁・缶底や羽根周りなど混ざりにくい部分をヘラでかき落とすことまで具体的に示されています。つまり“混ざった気がする”ではなく、混練の手順そのものが要求されています。
混合が終わったら、次は可使時間との勝負になります。シーカの施工手順では、混練したシーリング材は一定可使用時間内に速やかに、気泡が入らないよう注意しながらコーキングガンに充てんするよう示されています。可使時間を過ぎた材料は、押し出せても反応が進んで粘度が上がり、充填の追従性や仕上げ性が落ち、界面の濡れも悪くなります。
現場で起きやすいミスは「撹拌時間の短縮」と「缶底の未混合」です。シーカが缶壁・缶底のかき落としを明記しているのは、そこに未反応の材料が残りやすいからで、未混合部が目地に入ると硬化ムラとして残ります。2成分形は性能を取りに行ける材料ですが、施工者の混合品質に結果が依存しやすいのが弱点でもあります。
混合・撹拌の現場チェック(入れ子なし)
参考:2成分形の混練時間(15分程度)や正転反転、缶壁・缶底のかき落としなど具体手順
https://jpn.sika.com/ja/construction/sealing-procedure.html
2成分形シーリング材の使い方は、混ぜたら終わりではなく「充填」と「仕上げ」で最終品質が決まります。シーカの施工手順では、目地幅に合ったノズルを選び、被着体に十分な圧力がかかり目地底部まで充填できるよう、ノズル角度と充填速度を考慮するよう示されています。空洞が残ると、後で上面だけがつながって見える“皮張り”状態になり、ムーブメントで破断しやすくなります。
打ち方にもセオリーがあります。シーカは、目地の交差部から充填を開始し、打ち止めは交差部を避けるよう示しています。交差部は応力集中と仕上げ不良が出やすいので、打ち継ぎ位置をずらすだけでも不具合率を下げられます。
仕上げはスピードと押さえが重要です。シーカは、充填後は速やかにヘラで仕上げ、押さえを十分に行い平滑に仕上げること、さらに充填後は速やかにマスキングテープを除去することを示しています。テープを引っ張るタイミングが遅れると、シール表面に段差や糸引きが出て、見栄えだけでなく端部の密着にも悪影響が出ます。
充填~仕上げの実務ポイント(入れ子なし)
2成分形シーリング材の使い方を現場で安定させるコツは、技能よりも「段取り設計」でミスの芽を潰すことです。シーカの手順には、施工前の打合せ(目地の納まり、施工条件など)や、施工前の検査(形状・寸法・段差、欠陥の確認)といった“施工前工程”が明記されており、材料を触る前に品質を決めに行く発想が含まれています。2成分形は混合・可使時間があるため、途中で詰まると一気に不良へ寄るので、前工程で渋滞をなくすのが効きます。
例えば、混練を始めてから「ノズルが合わない」「ガンが足りない」「ヘラが汚れている」と気づくと、可使時間を削り、結果として仕上げを急いで押さえ不足になります。そこで、混合前に“動線を完成”させておくと事故が減ります。プライマー乾燥待ちの間に、ノズル切り出し、ヘラ準備、マスキング端部の浮きチェック、交差部の打ち順確認まで済ませるだけで、作業が可使時間に追われにくくなります。
さらに、2成分形の品質管理は「記録」が有効です。難しい書類ではなく、缶ごとに「混合開始時刻」「混練終了時刻」「打ち始め」「打ち終わり」を油性ペンでメモするだけで、可使時間超過の疑いを後から切り分けできます。問題が起きたとき、原因が材料か施工か天候かを早く特定できるため、現場と元請け双方のダメージを減らせます。
段取りチェックリスト(入れ子なし)

シャープ化学工業株式会社 シーリング材 シャーピー ヘンセイシリコーン NB-LM 【ペイントカラー1】 SK80 (PT-01) カートリッジタイプ 10本×2セットクラック補修