アレスクールsiの特徴と外壁塗装での使い方と注意点

アレスクールsiの特徴と外壁塗装での使い方と注意点

記事内に広告を含む場合があります。

アレスクールsiの特徴と外壁塗装での使い方

アレスクールsiを「夏だけ効く塗料」と思って使うと、冬場の結露クレームで現場対応に追われます。


この記事の3つのポイント
🏠
アレスクールsiとは?

関西ペイントが開発した遮熱・シリコン系外壁塗料。日射反射率を高める特殊顔料で室内温度上昇を抑え、省エネ効果が期待できます。

🔧
施工時の重要ポイント

希釈率・塗布量の管理が遮熱性能に直結します。規定量を守らないと、カタログ値より遮熱効果が最大30%低下するケースもあります。

💡
他の遮熱塗料との違い

アレスクールsiはシリコン樹脂ベースのため耐候性が高く、一般的な遮熱塗料と比べて塗膜の劣化が遅いという特徴があります。


アレスクールsiの基本性能と遮熱の仕組み

アレスクールsiは、関西ペイントが製造・販売する遮熱機能付きシリコン樹脂系外壁用塗料です。製品名の「si」はシリコン(Silicon)を指しており、耐候性に優れたシリコン樹脂を主成分としています。


一般的な塗料が太陽光を吸収して熱に変換するのに対し、アレスクールsiは特殊な遮熱顔料によって近赤外線を反射します。太陽光のエネルギーのうち約52%を占める近赤外線を効率よく反射することで、塗膜表面の温度上昇を抑える仕組みです。これが基本原理です。


具体的な数字で見ると、従来の一般塗料と比較してアレスクールsiを施工した壁面では、夏季の外壁表面温度が最大で約15℃低下するというデータが関西ペイントから公表されています。外壁表面が15℃下がるというのは、熱帯夜の室温が翌朝でも続くような状態と、涼しい秋の朝の感覚くらいの差に相当します。つまり塗料一つで体感できるレベルの温度差が生まれるということですね。


また、アレスクールsiはJIS K 5675(屋根用高日射反射率塗料)の性能基準に準拠した製品設計となっており、建築物省エネ法や省エネ改修の文脈でも活用できる製品です。建築業に携わる方であれば、省エネ改修の提案資料にも使いやすい製品といえます。


さらに遮熱性能だけでなく、低汚染性能も備えています。塗膜表面が汚れにくい設計になっているため、長期間にわたって遮熱効果を持続しやすいという点も現場から評価されています。汚れが付くと反射率が下がるため、低汚染性と遮熱性はセットで考えるのが基本です。


アレスクールsiの適用下地と外壁塗装での選定基準

アレスクールsiが対応できる下地は、モルタル・コンクリート・窯業系サイディングALCパネルなど、一般的な外壁材のほとんどをカバーしています。ただし、金属系サイディングや鉄板への適用は別製品(アレスクールSI金属用など)が推奨されているため、下地の確認が施工前の必須作業です。


下地の種類を誤ったまま施工すると、塗膜の密着不良や早期剥離につながります。これは後のクレームに直結します。特に既存塗膜がある場合は、その塗料の種類と状態を確認し、必要に応じてアレスクール専用の下塗り材(プライマー)を選定することが重要です。


関西ペイントが指定している下塗り材との組み合わせを守ることで、製品保証の対象となります。組み合わせが異なる場合は保証対象外になるケースがあるため、施工仕様書を必ず参照してください。仕様書の確認は必須です。


また、施工前の下地処理として、脆弱部の除去・ひび割れ補修高圧洗浄が求められます。特にモルタル面の場合、表面の脆弱層が残っていると塗膜全体の耐久性が著しく低下します。下地処理の品質が最終的な仕上がりと耐久性を左右するといっても過言ではありません。


選定基準としては以下の点を確認してください。



  • ✅ 外壁の下地素材(サイディング・モルタル・ALCなど)の確認

  • ✅ 既存塗膜の種類と密着状態の確認

  • ✅ 指定下塗り材との組み合わせ確認(関西ペイント施工仕様書参照)

  • ✅ 施工環境(気温5℃以上・湿度85%以下が目安)の確認

  • ✅ 遮熱効果の訴求が目的か、耐候性向上が目的かの確認


アレスクールsiの施工手順と希釈率・塗布量の管理

アレスクールsiの施工は、下塗り→中塗り→上塗りの3工程が基本です。2回塗りの仕様もありますが、3工程仕上げのほうが塗膜厚が確保でき、遮熱性能・耐久性ともに高くなります。3工程が原則です。


希釈率の管理は、遮熱性能を担保するうえで特に重要なポイントです。アレスクールsiの推奨希釈率は水道水で5〜10%(重量比)とされており、この範囲を大きく超えると塗膜の乾燥膜厚が不足し、遮熱顔料の分布密度が下がります。現場で「伸びが悪い」と感じて過剰希釈するケースが報告されていますが、それが遮熱性能を最大30%程度低下させる要因になり得ます。


塗布量は1回あたり0.10〜0.15kg/㎡(上塗り時)が目安です。一般的な住宅の外壁1面(約30㎡)で換算すると、上塗り1回あたり3〜4.5kgの材料が必要になります。これはペットボトル(2L)に換算すると約1.5〜2.25本分の重さに相当します。イメージがしやすいと思います。


乾燥時間の管理も見落としやすいポイントです。各工程間の乾燥時間は気温23℃の条件下で2時間以上が推奨されており、気温が低い場合(10℃前後)は3〜4時間以上の待機が必要になります。工程間が短いと塗膜間に溶剤が閉じ込められ、膨れや剥離の原因になります。


施工後の養生期間については、完全硬化まで72時間程度を見込む必要があります。施工直後の雨天は塗膜に悪影響を与えるため、天気予報の確認も施工計画に組み込んでください。天気の確認は基本です。




























工程 使用材料 塗布量の目安 乾燥時間(23℃)
下塗り 指定プライマー 0.08〜0.12kg/㎡ 2時間以上
中塗り アレスクールsi 0.10〜0.15kg/㎡ 2時間以上
上塗り アレスクールsi 0.10〜0.15kg/㎡ 72時間(養生)


関西ペイントの公式施工仕様書は製品ごとに更新されるため、最新版を取得して施工に臨むことを強く推奨します。


関西ペイント公式サイト:アレスクールsiの製品情報・仕様書ダウンロード


上記リンクでは、アレスクールsiの希釈率・塗布量・適用下地・指定下塗り材など、施工に必要な詳細仕様が確認できます。


アレスクールsiの耐候性と耐用年数の実際

アレスクールsiはシリコン樹脂を主成分としているため、フッ素系塗料には及ばないものの、アクリル系・ウレタン系塗料と比較すると耐候性は明確に上位に位置します。一般的に言われるシリコン系塗料の耐用年数は10〜15年程度ですが、アレスクールsiはそこに低汚染性能が加わるため、実質的な遮熱性能の維持期間はこの数字に近い水準を期待できます。


ただし「10〜15年保つ」という数字は、適切な施工と下地処理が行われた場合の目安です。下地処理が不十分だったり、希釈率を守らなかったりすると、耐用年数は大幅に短縮します。施工品質が条件です。


また、遮熱性能の維持に関しては、汚染物質(排気ガスの煤・カビ・藻など)が塗膜表面に付着することで日射反射率が低下するという課題があります。アレスクールsiの低汚染機能はこの課題に対応するための設計ですが、沿岸部や幹線道路沿いなど汚染が激しい環境では、5〜7年ごとに塗膜状態を点検することが推奨されます。


塗膜の劣化サインとして現場で確認すべき項目は以下の通りです。



  • 🔍 チョーキング(手で触ると白い粉が付く):樹脂の劣化サイン

  • 🔍 ひび割れ・膨れ・剥離:塗膜密着の低下

  • 🔍 変色・黒ずみの目立ち:低汚染性能の低下

  • 🔍 光沢の消失:シリコン樹脂の表面劣化


これらのサインが複数現れた場合は、耐用年数内であっても再塗装の検討タイミングと判断できます。早期発見が経済的です。


建物オーナーへの定期点検提案と組み合わせると、施工後のアフターフォローとして差別化につながります。塗り替えサイクルの提案に関しては、国土交通省が公表している「長期優良住宅の認定に関する技術的審査マニュアル」も参考になります。


国土交通省:長期優良住宅に関する技術的審査マニュアル(外壁・塗装の維持管理基準が確認できます)


アレスクールsiが特に有効な建物・環境条件と省エネ提案への活用

アレスクールsiの遮熱効果が最も発揮されるのは、直射日光が当たりやすい南面・西面の外壁です。日本の住宅では西日による室内温度上昇が問題になりやすく、西面への施工は夏季の冷房負荷を下げる効果が特に大きくなります。西面への施工が効果的です。


実際のシミュレーションでは、一般的な木造2階建て(延床100㎡)において西面外壁にアレスクールsiを施工した場合、夏季の冷房電力消費を年間で約3〜8%削減できるという試算があります。これは電気代に換算すると年間1,000〜3,000円程度の節約に相当し、大きな数字ではないものの、複数の家族が長期間生活する住宅では累積効果として意味を持ちます。


また、省エネ性能が評価される文脈として、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)対応リフォームや省エネ改修補助金の申請においても、高日射反射率塗料の使用が有利に働くケースがあります。こういった場合にアレスクールsiの仕様書や試験成績書が求められることがあるため、提案時に関西ペイントから入手しておくと話がスムーズです。


省エネ改修に関心の高い建物オーナーへの提案では、単に「遮熱塗料に塗り替えます」という説明よりも、「ZEHや省エネ補助金と組み合わせられる素材です」という説明のほうが受注確度が高まります。これは使える視点です。


補助金活用の観点では、環境省・国土交通省・経済産業省が共同で実施している「住宅省エネキャンペーン」や各自治体の省エネ補助制度との組み合わせが候補になります。制度は毎年変わるため、最新の情報は以下の公式窓口で確認してください。


国土交通省:住宅省エネキャンペーン公式サイト(省エネ改修補助金の対象条件・申請方法が確認できます)


遮熱塗料を提案のツールとして位置づけ、補助金情報とセットで提供することで、施主にとっての費用対効果が高まり、競合他社との差別化にもなります。提案の幅が広がりますね。