足場ベースプレート寸法一覧と選び方ガイド

足場ベースプレート寸法一覧と選び方ガイド

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足場ベースプレート寸法一覧

足場ベースプレートの主要寸法規格
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ジャッキベース標準タイプ

A-752:405×250×35∅mm、質量3.3kg の基本規格

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ジャッキベースロングタイプ

A-752L:606×450×35∅mm、質量4.4kg の延長対応型

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自在ジャッキベース

A-752UG・US:406×250×35∅mm、質量3.6kg の可動式

足場ベースプレートの基本規格と寸法詳細

足場工事において、ベースプレートは建物の安全性を左右する重要な基礎部材です。現在の建設現場で使用される主要なベースプレートには、以下の標準規格があります。

 

ジャッキベース(ミゾ切り)の標準寸法

  • A-752(標準タイプ):全長405mm × 調節長250mm × 軸径35∅mm、質量3.3kg
  • A-752L(ロングタイプ):全長606mm × 調節長450mm × 軸径35∅mm、質量4.4kg
  • A-752UG・US(自在タイプ):全長406mm × 調節長250mm × 軸径35∅mm、質量3.6kg

建枠ベースの基本寸法
建枠ベース A-15は、幅140mm × 高さ110mm、質量0.76kgの軽量設計となっており、狭い場所での設置に適しています。

 

これらの寸法は、日本工業規格(JIS)に基づいて標準化されており、各メーカー間での互換性も確保されています。ミゾ切り加工が施されたタイプは、建枠との接続部分で確実な固定が可能になります。

 

建設現場でよく使用される「1スパン」という単位は1.8メートルの間隔を指しており、この基準に合わせてベースプレートの配置間隔も設計されています。

 

ジャッキベース類の詳細寸法データと性能比較

ジャッキベースは調節機能付きのベースプレートとして、地盤の不陸調整や水平出しに欠かせない部材です。各タイプの詳細な寸法データと適用範囲を以下に示します。

 

調節長による分類と用途

  • 標準調節長250mm:一般的な平坦地や軽微な不陸調整に使用
  • 長調節長450mm:大きな高低差がある地盤や支保工用途に対応

重量と強度の関係
ジャッキベースの質量は耐荷重性能と直結しており、A-752Lの4.4kgという重量は、その分高い安定性を提供します。現場では「積載荷重1スパンあたり200kg」という基準があり、この荷重に対応できる強度設計となっています。

 

ミゾ切り加工の重要性
すべてのジャッキベースにはミゾ切り加工が施されており、建枠の脚部がしっかりと嵌合する構造になっています。この加工により、風荷重や横力に対する抵抗力が大幅に向上します。

 

朝日機材やササイナカムラなどの主要メーカーでは、これらの寸法規格を統一しており、現場での部材交換や補充が容易になっています。

 

建設現場での実際の選定では、地盤条件と建物の高さを考慮して適切な調節長を選択することが重要です。特に軟弱地盤では、より大きな接地面積を持つベースプレートを選択する必要があります。

 

足場建枠との適合性確認方法と寸法管理

足場の安全性を確保するには、ベースプレートと建枠の寸法適合性を正確に確認することが不可欠です。建枠の寸法規格と対応するベースプレートの選定方法について詳しく解説します。

 

建枠の主要寸法規格

  • 建枠VF-1219:幅1,219mm × 高さ1,700mm、質量22.9kg(羽根つきジョイントピン付)
  • 建枠VF-1217:幅1,219mm × 高さ1,700mm、質量18.0kg
  • 建枠A-4055B:幅1,219mm × 高さ1,700mm、質量20.5kg(インチサイズ)

適合性確認のチェックポイント
建枠の脚部径とベースプレートの受け部径が一致していることを確認します。標準的な建枠では軸径35∅mmが使用されており、これに対応するジャッキベースA-752シリーズが適合します。

 

寸法管理の実務ポイント
現場では「建地」と呼ばれる支柱が垂直に立っているかを常にレベル測定で確認しています。ベースプレートの水平出しが不正確だと、上部の建枠全体が歪んでしまい、安全性に重大な影響を与えます。

 

スパン間隔との関係
1スパン1.8メートルの間隔に合わせて、ベースプレートも同じ間隔で配置する必要があります。この時、地盤の沈下を考慮して、調節代を持ったジャッキベースを選択することが重要です。

 

建枠と筋違いの組み合わせ表を参照しながら、全体の構造安定性を確保することも寸法管理の重要な要素です。特に「建枠VF-1219幅」に対しては、対応する筋違い「B-1218」などの適切な組み合わせが必要です。

 

足場ベースプレート選定時の安全基準と法的要件

足場工事では労働安全衛生法に基づく厳格な安全基準が定められており、ベースプレートの選定もこれらの基準に適合する必要があります11。

 

荷重基準と安全率
足場の積載荷重は「1スパンあたり200kg」が基準となっており、これに安全率を考慮した設計荷重でベースプレートを選定します。ジャッキベースA-752の3.3kgという自重は、この荷重基準を満たすために最適化された値です。

 

地盤対応と沈下対策
軟弱地盤では、ベースプレートの接地圧を分散させるため、より大きな底面積を持つ製品や、敷板との組み合わせが必要です。調節長450mmのA-752Lは、こうした地盤条件下での高さ調整に対応できます。

 

風荷重対応設計
高層建物の足場では風荷重が大きな課題となります。ミゾ切り加工されたベースプレートは、建枠との接続部で横力に対する抵抗力を向上させ、強風時の安全性を確保します。

 

定期点検と交換基準
労働安全衛生規則では、足場の定期点検が義務付けられており、ベースプレートの摩耗や変形も点検項目に含まれます。ミゾ切り部分の摩耗が進んだ場合は、建枠との嵌合が緩くなるため交換が必要です。

 

作業員の安全確保
ベースプレートの不適切な選定は、作業床の「アンチ」(作業床)の安定性に直接影響します。特に「ダブル」(400mm幅踏板)や「ハーフ」(240mm幅踏板)との組み合わせでは、十分な支持力を確保することが重要です。

 

現場の「鳶」(足場職人)は、これらの安全基準を熟知しており、日々の作業でベースプレートの状態を注意深く確認しています。

 

足場ベースプレートメンテナンス時期判断のポイント

足場ベースプレートの適切なメンテナンスタイミングを見極めることは、現場の安全性維持と経済効率の両立において重要な技術です。この判断基準について、実務経験に基づいた詳細なガイドラインを示します。

 

摩耗パターンによる交換判断
ジャッキベースのミゾ切り部分は、建枠の抜き差しによって徐々に摩耗します。摩耗深さが元の深さの30%を超えた場合は交換時期と判断されます。特にA-752の軸径35∅mm部分の摩耗は、建枠との嵌合度に直接影響するため、定期的な測定が不可欠です。

 

調節機構の動作確認
ジャッキベースの調節機構は、250mm(標準)または450mm(ロング)の調節長において、スムーズな動作が必要です。調節ネジ部分に錆や異物が付着すると、現場での高さ調整作業に支障をきたし、作業効率が大幅に低下します。

 

荷重履歴による疲労評価
建設現場では使用頻度が高く、1スパン200kgの積載荷重を繰り返し受けるため、金属疲労の蓄積を考慮する必要があります。使用回数が300回を超えた場合は、詳細な強度点検を実施することが推奨されます。

 

環境要因による劣化対策
海岸地域や工業地帯では塩害や酸性雨の影響で腐食が進行しやすく、通常よりも短いサイクルでの交換が必要です。表面処理の状態を定期的に確認し、亜鉛メッキの剥離が見られた場合は優先的に交換対象とします。

 

安全マージンの確保
現場の「鳶」職人の経験則では、ベースプレートの交換は「まだ使える段階」で実施することが重要とされています。これは、足場の「立ち上げ」作業において、部材の信頼性が作業員の生命に直結するためです。

 

専門的な点検技術として、非破壊検査による内部欠陥の確認や、寸法測定による規格適合性の定期チェックが効果的です。これらの予防保全により、現場での突発的な部材交換を避け、工期短縮と安全性向上を両立できます。