
支保工とは、トンネル・橋梁などの土木工事や建築工事において、上または横からの荷重を支えるために用いる仮設構造物です。建設現場では、コンクリートを所定の形状に仕上げる型枠を支える「型枠支保工」や、土壁の崩壊を防ぐ「土止め支保工」として使用されます。支保工の最大の役割は、構造物が完成するまでの間、重量物を固定し安全に施工を進めることにあります。
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支保工は建物の構造を支えるために重要な役割を果たし、型枠が正しい位置に固定されることで構造物が安全に施工されることを保障します。支保工がなければ、型枠が崩れるリスクが高まり、安全かつ効率的な施工が難しくなります。特に高層建築や橋梁工事などでは、コンクリート打設の際に荷重を支えるために設置され、その後の構築が進むとともに撤去されることが一般的です。
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意外なことに、支保工は本体工事の安全を確保するために不可欠な構造物であるにもかかわらず、荷重に見合わない支保工の設置や解体時に大きな事故を招くことがあります。実際の災害事例では、型枠支保工として用いたパイプサポートの座屈により型枠が倒壊した事故や、仮止めされた土止め支保工が落下し作業者が下敷きになった事故が報告されています。
参考)支保工 - Wikipedia
足場とは、労働者を作業箇所に接近させて作業させるために設ける「仮設の作業床」及びこれを「支持する仮設物」のことです。労働安全衛生規則では、高さが2メートル以上の箇所で作業を行う場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならないと定められています。
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足場は高所作業を安全に行うための仮設構造物であり、塗装や外壁工事、窓ガラスの交換、配管工事など多岐にわたる作業に必要不可欠です。足場がしっかりと組まれていることで、作業員は安心して高所作業を行うことができ、作業効率も向上します。足場には様々な種類があり、作業内容や現場の状況に応じて最適なものを選ぶことが重要です。
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足場組み立て工事は、作業を行うための足場を組むことであり、型枠支保工がコンクリートを流し込むための型枠を支えて保持するための作業であることと明確に区別されます。つまり、支保工は構造物や土壁といった対象物が崩れないように支える仮設設備であり、足場工は高所作業員の安全を支える仮設設備という違いがあります。
参考)https://www.chuo-build.co.jp/column/?itemid=51amp;dispmid=457
支保工と足場の構造上の最大の違いは、その設計目的にあります。支保工は型枠を支えるために使用され、剛性と安定性が要求されます。一方、足場は作業員が安全に高所で作業を行えるようにするための構造物です。支保工は重い荷重を支え、一時的に構造物を補強するために使われる一方、足場は作業の効率性と安全性を確保するために設置されます。
材料面では、両者とも鋼管やパイプなどの類似した材料を使用することがありますが、その組み方や強度要件は異なります。型枠支保工では、パイプサポート式、枠組式、軽量支保ばり式、組立鋼柱式、四角塔式、くさび緊結式など多様な工法が用意されており、建物の種類や現場の環境に応じて選択されます。足場では、枠組足場、くさび式足場、単管足場、丸太足場などが用途や構造によって使い分けられます。
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枠組式型枠支保工は、建物を立てるときの外部の足場に使用する資材を使って支えの設備を作る方法であり、足場の材料を流用して使用するため、型枠にも適した設計を考える必要があります。このように、同じ資材を使う場合でも、支保工としての役割と足場としての役割では求められる性能が異なるため、適切な設計が不可欠です。
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型枠支保工は、コンクリートを所定の形状に仕上げる型枠および支柱などを指し、以下のような種類が存在します。
パイプサポート式型枠支保工
パイプサポート式は広く一般的に使用される方法で、金属パイプとせき板(コンクリートの流れを止める板)で構成されています。金属パイプにはハンドルによって長さを調節できる外ねじ式も存在し、高さを容易に調節できるメリットがあります。不規則な形状の構造物に利用するのに適しており、様々な建築において効率的な作業を可能にしています。
枠組式型枠支保工
枠組式は、型枠を支える役割と足場の役割を果たす支保工を指し、門型の資材を用いる特徴があります。型枠を保持する能力に加え、足場としての安全性を考慮した設計が必要です。
軽量支保ばり式型枠支保工
軽量支保ばり式とは、横架材という水平方向に渡された部材を梁や壁型枠にかけ、間の支柱を少なくする工法です。この工法では、資材を使いまわしたり、同じ構造を組み合わせた構築ができたりするメリットがあります。
組立鋼柱式型枠支保工
組立鋼柱式は、鋼管などの一般的な材料を用いて支柱を組み立てる方式です。1本の鋼管で許容できる荷重が大きいため土木工事などでよく使用されます。
四角塔式型枠支保工
四角塔式は、数点の基本部材で構成され、クレーンで吊って移動できる点が特徴です。支保工の組立作業を工事現場とは別の場所で行えるので、作業性に優れている工法だと言えるでしょう。
くさび緊結式型枠支保工
くさび型緊結式は、緊結部を備えた鋼管をハンマーなどで緊結し、構成する方法です。多くの工具を必要とせず、簡単に組み立てられる点がメリットで、木造家屋や低層住宅に使われる傾向があります。
土止め支保工は、土木現場で使われる支保工で、土壁の崩壊や土砂崩れなどを防ぐ役割を果たします。工事を行う箇所の土質や地下水位などの土木に関する検討が必要です。土止め支保工には、主に以下の工法が存在します。
軽量鋼矢板工法
軽量鋼矢板工法では、切削した地面に幅が狭く薄い鋼板を複数枚はめ込み、土止めを行う工法です。この工法には手順の違いにより建て込み式と打ち込み式に分けられます。建て込み式は、掘削した地山が自立することを前提とした工法であり、一定の深さまで掘削機械により溝掘削を行い、軽量鋼矢板を建て込んだ後、地上から専用の治具を使用して最上段の腹おこし及び切りばりを設置して土止め支保工を組み立てる方式です。
参考)https://www.mlit.go.jp/tec/sekisan/sekou/pdf/tuutatu016.pdf
対して、打ち込み式は、砂質土や湧水等のある軟弱な地盤の掘削に使用されることが多い工法であり、溝の幅に合わせてあらかじめ軽量鋼矢板をくい打機等により打ち込んだ後、最上段の切りばりを設置する深さまで掘削を行い、地上から専用の治具を使用して腹おこし及び切りばりを設置して土止め支保工を組み立てる方式です。弱い地盤に適しています。
建込み簡易土止め工法
建込み簡易土止め工法は、地面に土止めパネルを打ち込み、切削を行う工法です。この工法には、切りばりを圧入した後に地面を掘り進めながら土止めパネルをスライドさせるスライドレール方式と、地面に土止め支保工を圧入した上で切削を進める縦ばりプレート式があります。
参考)https://speedshore.co.jp/wp-content/uploads/2023/02/kensetsu-anzen-0102.pdf
スライドレール方式は、スライドレールと呼ぶ柱状の部材に切梁を必要な段数取り付け、スライドレールに土止めパネルを差し込んで箱状にし、掘削と土止めパネルおよびスライドレールの押し下げを繰り返しながら土止め工を設置する工法です。縦梁プレート方式は、スライドレールを用いずに、パネルの両端に縦梁と呼ぶ柱状の部材が接合された縦梁プレートを使用し、縦梁部に切梁を取り付けて箱状に組み立て、掘削と箱状の構成部材の押し下げを繰り返しながら土止め工を設置する工法です。
足場には用途や構造によってさまざまな種類がありますが、現在よく使用されている足場は枠組足場とくさび式足場のふたつです。両者の違いを比較することで、現場に適した足場選びが可能になります。
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枠組足場の特徴
枠組足場は門型に部材を溶接された建枠を中心として、ジャッキや筋交(すじがい)を加えつつ、ジョイント・番線で組立てる足場です。部材ごとのパーツで組立てるためハンマーを使わず、作業中に騒音が出ません。高層建築物での工事を想定しているため強度があるほか、あらかじめ地上で足場をつくってクレーンで取付け、または取り外し(大組・大払し)することも可能です。
労働安全衛生法や関連する政令・省令に基づき、高さ31m以下、幅1m以上、壁繋ぎの間隔は垂直方向9m以下・水平方向8m以下、手すりの設置、下さん・幅木の設置などの設置ルールが定められています。デメリットとしては、部材が大きいので資材置き場の確保が必要である点、部材が50種類ほどと多く、相応の知識と経験が必要な点の2つがあります。
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くさび式足場の特徴
くさび式足場は一定間隔を空けて緊結部がある支柱を中心に、手すりや筋交(すじがい)といった部材を加えつつ、くさびという金具で固定・緊結していく足場です。ハンマーひとつで緊結と取り外しができるため、組立てが比較的簡単・時間も短く済むのが大きな特徴で、修正なども早いです。一つひとつの部材が小さくまとめやすいので、一度の輸送で多くの部材を載せられます。
中~低層建築物に組まれるのが一般的であり、5階建て(約15m)のマンション・アパートまでならくさび式足場を組むことが多いでしょう。手すり先行工法に対応しており、墜落防止機能が高い点も特徴です。組立て時に騒音が出る点や、高層建築物には適さない点がデメリットとして挙げられます。
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項目 | 枠組足場 | くさび式足場 |
---|---|---|
強度 | 高い。高層建築物に適している | 中程度。中~低層建築物向け |
組立作業 | 部材数が多く知識と経験が必要 | ハンマーひとつで簡単に組立可能 |
騒音 | ほとんど出ない | 組立時にハンマーの音が出る |
輸送 | 部材が大きく資材置き場の確保が必要 | コンパクトで輸送効率が良い |
安全性 | 高い強度で安全性が高い | 手すり先行工法対応で墜落防止に優れる |
費用単価 | 1,000~2,000円/m² | 800~1,200円/m² |
堀越工業株式会社 - くさび式足場と枠組足場の違いとメリット・デメリットの比較表
足場は高所作業における作業台の役割を果たし、安全上の理由から労働安全衛生法による規定が存在します。墜落や物体落下の危険を防止するため、枠組足場と本足場それぞれに対して以下のような安全措置を講じる必要があります。
枠組足場の規定
枠組足場では、墜落や作業者に危険の恐れがある箇所に、以下のような安全設備の設置が必要です。墜落防止措置として、交さ筋かいと高さ15cm~40cmの桟のセットもしくは、高さ15cm以上の幅木(高さ15cm以上で同等以上の機能があれば代用可能)、または手すり枠のいずれかの設置が必要です。物体落下による危険防止措置としては、高さ10cm以上の幅木およびメッシュシートや防網(高さ10cm以上で同等以上の機能があれば代用可能)の設置が求められます。
本足場の規定
本足場では、墜落および物体落下の危険を防止するために、手すり・中さん・幅木の設置が必要です。墜落防止措置として、高さ85cmの手すり等(高さ85cm以上で同等以上の機能があれば代用可能)と、高さ35cm~50cmの中さん(高さ35cm以上で同等以上の機能があれば代用可能)の設置が必要です。物体落下による危険防止措置としては、高さ10cm以上の幅木およびメッシュシートや防網(高さ10cm以上で同等以上の機能があれば代用可能)の設置が求められます。
労働安全衛生規則では、移動式足場の場合を除いて、1か所に固定して足場を組む枠組足場の場合は、2つ以上の支持物を足場に取り付けなければなりません。また、2024年の4月1日の労働安全衛生法の改正により、幅1m以上の箇所における足場では一側足場(建物で作業板の片側を支えている足場)の使用ができなくなるので、注意が必要です。
参考)足場利用の押さえておきたい労働安全衛生法
本丸産業株式会社 - 支保工と足場の違いと労働安全衛生法による安全措置の詳細
支保工に関して、重要なことはなんといっても安全面です。スラブの周りでは大勢の職人さん達が仕事をしているため、少しのミスでも大事故へとつながってしまいます。型枠支保工は、何よりも堅固であること、丈夫であること、頑丈であることが求められます。
参考)型わく支保工を安全に行うための措置2(施工編)
組立時の安全措置
組み立て方にも様々な決まり事があり、必要な措置をとらなければなりません。まず足元は、敷角などを敷き、沈下しないようにします。敷角とは、支柱の足の下に置く板や角材のことで、柱の荷重を一点集中から分散させ、沈下を防ぎます。また足元は、根がらみ、つまり柱同士をつなぐ横棒を取付け、横にグラグラ動かないようにしなければなりません。
背の高い構造物になると、1本の支柱では足りず、継ぎ足すことがあります。この場合は、差し込み継手や突合せ継手とします。これは端の面同士を合わせるので、力が逃げません。重ね継手は、上からの荷重に耐えられないので、やってはいけません。鋼材同士をつなぐときも、ボルトや専用金具で、がっちりと接続します。
パイプサポート使用時の注意点
労働安全衛生規則第242条には、「パイプサポートを支柱として用いるものにあっては高さが3.5mを超えるときには、高さ2m以内毎に水平つなぎを二方向に設け、かつ、水平つなぎの変位を防止すること」と規定されています。実際の災害事例では、支保工の横変位を防止するための水平材が壁まで達しておらず、支保工の横変位防止に寄与できていない状態であったために支保工が座屈を起こし、その支保工で支えられていた小梁が落下したものと考えられています。
参考)https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/sai_det.aspx?joho_no=1094
コンクリート打設作業の安全管理
事業者は、コンクリートの打設の作業を行なうときは、その日の作業を開始する前に、当該作業に係る型わく支保工に異常の有無を点検しなければなりません。また、作業中に型わく支保工に異状が認められた際における作業中止の措置を定めることが必要です。足場や型枠支保工などの仮設設備については工事中も点検・整備を励行します。
参考)建設現場の施工管理とは? 必要な安全管理についても解説
厚生労働省 職場のあんぜんサイト - 型枠支保工が倒壊した災害事例と原因分析
型枠支保工の組立てまたは解体作業については、型枠支保工組立て等作業主任者講習を修了した人のなかから、型枠支保工組立て等作業主任者を選任しなければなりません。事業者は、令第6条第14号の作業については、型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習を修了した者のうちから、型枠支保工の組立て等作業主任者を選任しなければならないと労働安全衛生規則第246条に定められています。
参考)型枠支保工足場の基準とは?作業主任者や高さ・届け出まるっと解…
作業主任者の受験資格
型枠支保工組立て等作業主任者の受験資格は以下の通りです。
作業主任者の職務
型枠支保工の組立て等作業主任者に行わせる職務は以下のとおりです。
足場の組立て等作業についても同様に、足場の組立て等作業主任者の選任が必要です。つり足場、張り出し又は高さが5m以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業には、作業主任者の配置が必要とされています。
参考)http://www.kensaibou-y.jp/koushu/shikaku/sagyou.html
支柱の高さが3.5m以上ある型枠支保工については、工事開始の30日前までに所轄の労働基準監督署長に届け出ることが義務づけられています。この届出基準を守ることは、法令遵守だけでなく、工事の安全性を確保するための重要な手続きです。
届出に必要な確認事項
足場や型枠支保工の設置届では、足場や型枠支保工がどの位置に配置されるかを明確にする必要があります。設置幅が1m以上あれば本足場としているか、型枠支保工の組立等作業主任者の修了証の確認などが重要なポイントとなります。届出対象機械等を同時に2種類以上設置(足場・架設通路・型枠支保工)し、同一場所に共存しているときは、概要欄に届出対象件名を明記して関係書類を添付すれば1件の表紙で提出できます。
参考)https://jsite.mhlw.go.jp/okinawa-roudoukyoku/library/okinawa-roudoukyoku/ken-an/H25/kennsetukoujikeikakutodokenopoinnto.pdf
工期と安全管理の関係
支保工の設置場所が悪く、コンクリートの流し込み作業が円滑に進まない場合、工期に影響を及ぼす可能性があります。また、倒壊による現場事故や梁のたわみなどを招く恐れがあるため、適切な設置計画が不可欠です。工事現場では、工事に関する留意事項や現場状況について情報提供し、「現場対応事例集」「安全管理資料」「開削工における事故事例」について説明を行うことが推奨されています。
参考)型枠と支保工の違いとコンクリート工事の品質向上 |建設データ…
点検とメンテナンスの重要性
日常点検や臨時点検により異常が発見された場合に実施する臨時点検の体制を整えることが重要です。型枠支保工の組立て又は解体の作業を行なうときは、当該作業を行なう区域には関係労働者以外の労働者の立入りを禁止し、強風、大雨、大雪等の悪天候のため作業の実施について危険が予想される場合は作業を中止し、材料、器具又は工具を上げ、又はおろすときは、つり綱を使用するなどの措置を講じなければなりません。
参考)https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chika_benkyoukai/dai06kai/dai06kai_siryou2-1.pdf
ちゃん里 - 型枠支保工足場の基準と作業主任者・届出について詳細解説
支保工と足場の使い分けは、工事の目的と作業内容によって明確に区別されます。建設現場では、これらの違いを正確に理解し、適切に使い分けることが安全かつ効率的な施工につながります。
構造物の荷重を支える場合は支保工
コンクリート打設時に型枠を固定する必要がある場合、橋梁工事で上部構造を一時的に支える場合、地下工事で土壁の崩壊を防ぐ必要がある場合など、構造物そのものや土砂の荷重を支える目的では支保工を使用します。特に型枠支保工は、コンクリートが硬化するまでの間、型枠を所定の位置に保持する重要な役割を果たします。
作業員の安全確保には足場
高所での塗装作業、外壁工事、配管工事など、作業員が安全に作業を行うための作業床が必要な場合は足場を使用します。労働安全衛生規則では、高さが2メートル以上の箇所で作業を行う場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならないと明確に定められています。
現場条件に応じた選定
一戸建て住宅はものによりますが、たいていはくさび式足場が向いています。中~低層建築物に適しているので、5階建て(約15m)のマンション・アパートまでならくさび式足場を組むことが多いでしょう。一方、高層建築物での工事を想定する場合は強度のある枠組足場が選ばれます。
愛知県大府市や東海市、刈谷市など東海地方では、台風シーズンや突風対策も考慮する必要があります。くさび式足場は風荷重への対応が優れており、特に高所や海沿いの工事現場では安全性の観点から選ばれることが増えています。このように、支保工と足場の違いを理解し、現場条件に応じて適切に選定することが、建設現場の安全性と効率性を向上させるために非常に重要です。