圧着端子JIS規格の基準と認証要件解説

圧着端子JIS規格の基準と認証要件解説

記事内に広告を含む場合があります。

圧着端子JIS規格の基準

圧着端子JIS規格の重要ポイント
📋
規格の体系

JIS C2805(銅線用圧着端子)を中心とした規格体系と認証制度

電気的性能

電線抱合範囲、最大使用電流、定格電圧の規定値

🔧
施工基準

適正な圧着工具の選定と作業方法の標準化

圧着端子におけるJIS規格は、電気工事の安全性と信頼性を確保するための重要な基準です。建築業界では主にJIS C2805「銅線用圧着端子」が使用され、この規格に適合した製品はJISマーク表示制度の認証を受けています。
JIS規格の圧着端子は、主として電力用機器内部及び機器相互の配線に用いる軟銅のより線又は単線の電線を接続するために制定されています。規格では端子の材料、構造、性能試験方法、表示方法などが詳細に規定されており、品質の均一化と安全性の向上を図っています。
日本品質保証機構(JQA)による認証制度では、製造業者は厳格な審査を経てJISマーク表示の認証を取得します。これにより、建築業従事者は信頼性の高い製品を選択できるようになっています。

圧着端子JIS規格の種類と構造

JIS C2805では、圧着端子を用途と構造によって明確に分類しています。裸圧着端子は取付孔が一つの「R型」と二つの「RD型」に分けられ、建築現場での用途に応じて使い分けられます。
絶縁被覆付圧着端子については、絶縁体の形状と材質により4つのタイプが規定されています。

  • RAV型:直管形の硬質ビニル樹脂系絶縁体
  • RAP型:直管形のポリアミド樹脂系絶縁体
  • RBV型:拡管形の硬質ビニル樹脂系絶縁体
  • RBP型:拡管形のポリアミド樹脂系絶縁体

これらの分類により、建築物の環境条件や用途に最適な端子を選択できます。材料については、JIS H3100で規定する黄銅(C2600P又はC2600R)やJIS H3110で規定するりん青銅(C5102P又はC5102R)が主に使用されています。

圧着端子JIS規格の電線抱合範囲

JIS規格では電線抱合範囲(wire conjugation range)が厳密に定められており、これは接続可能な電線の公称断面積の範囲を示しています。この規定は安全な電気接続を確保するための重要な基準です。
電線抱合範囲を逸脱した使用は重大な事故につながります。

  • 範囲以下の場合:「電線抜け」が発生し、接触不良による発熱や火災の原因となる
  • 範囲以上の場合:「電線切れ」が発生し、断線や接触抵抗増加の原因となる

建築現場でよく使用される電線サイズごとに、対応する端子サイズが明確に規定されており、例えばR1.25-4端子であれば1.25mm²の電線に対応します。現場作業者は必ず電線の仕様を確認し、適合する端子を選択する必要があります。

圧着端子JIS規格の認証制度と品質管理

JIS規格の圧着端子はJISマーク表示制度による厳格な認証を受けています。認証番号「JQ0608003」で管理されるこの制度は、一般財団法人日本品質保証機構が認証機関として機能しています。
認証取得製品は定期的な品質監査を受け、規格適合性が継続的に確認されています。この制度により、建築業従事者は以下の品質保証を得られます。
🔍 材料の品質保証

  • 高純度の銅条・銅板からの製造
  • 電気すずめっき処理による耐腐食性
  • RoHS指令適合による環境配慮

📊 性能の品質保証

  • 最大使用電流の規定値遵守
  • 定格電圧の安全マージン確保
  • 温度変化や振動に対する耐久性

また、UL規格(カナダ向け認証含む)にも同時適合している製品も多く、国際的な品質基準もクリアしています。これにより、輸出向け建築設備や外資系企業の現場でも安心して使用できます。

圧着端子JIS規格の工具選定基準

JIS規格では圧着端子の種類ごとに適正な圧着工具の使用が義務付けられています。工具の選定ミスは重大な事故につながるため、建築現場では特に注意が必要です。
裸圧着端子用工具は、端子を歯口に仮押さえしてから電線を挿入し、ハンドルを握って圧着します。銀ロー付部を上にしてオスダイスでカシメる作業手順が規定されています。
絶縁付圧着端子用工具は、心線部とひふく部を同時にカシメる2枚歯構造となっており、圧着方向を間違えると圧着不足による焼損事故の原因となります。工具の2枚の歯口幅とカシメ高さが異なるため、端子のセッティング方向が決まっています。
建築現場でよく発生する工具選定ミスの例。

  • 絶縁付端子を裸圧着端子用工具で圧着→絶縁被覆の陥没や破損
  • 閉端接続子を裸圧着端子用工具で圧着→適正な絶縁体厚みの不足
  • 電線サイズと歯口サイズの不一致→圧着不良や接触抵抗増加

これらのミスを防ぐため、JIS規格では端子サイズごとに使用すべき歯口が明確に規定されており、現場作業者は必ず取扱説明書を確認して適正工具を選択する必要があります。

 

この検索結果から、建築業界の「安全規格 一覧」に関する情報は限定的です。検索結果は主に機械安全規格(ISO/IEC)や労働安全衛生法に関する内容で、建築業界に特化した安全規格の詳細な一覧は見当たりません。しかし、これらの情報を基に記事構成を作成いたします。