ボンディング点数が経審W点を左右する全知識

ボンディング点数が経審W点を左右する全知識

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ボンディング点数の仕組みと経審W点への影響を完全解説

宣言しなかっただけで、競合他社より経審P点が数点低くなり入札ランクを落とす可能性があります。


📋 この記事でわかること3つ
🏗️
ボンディングと経審W点の関係

「職人いきいき宣言(ボンディング)」が2026年7月以降の経審W点で5点加点の対象になる仕組みをわかりやすく解説。

📝
宣言の申請手順と注意点

元請・下請・発注者の立場別に宣言内容が異なる申請フローと、審査基準日との関係で失敗しないためのポイントを整理。

⚠️
CCUSとセットで考えるべき理由

改正でCCUSの配点が15点→10点に下がる影響と、ボンディングとCCUSを組み合わせて最大15点を維持する戦略を解説。


ボンディングとは何か―「職人いきいき宣言」の全体像


「ボンディング」という言葉が建設業界で急速に広まっています。正式名称は「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」といい、愛称として「職人いきいき宣言」とも呼ばれています。2025年12月12日から申請受付が始まり、2026年7月1日施行の経営事項審査(経審)改正と連動して、W点(その他の審査項目)に新しく5点の加点項目として組み込まれる制度です。


この制度が生まれた背景には、建設業界が抱える深刻な人手不足と担い手の高齢化問題があります。55歳以上の技能者が全体の大きな割合を占め、若年層の入職が伸び悩む中、「技能者を大切にする企業として宣言し、業界全体でその文化を根付かせる」ことを国土交通省が主導しています。


ボンディング(自主宣言)の仕組みをひとことで説明すると、「技能者の処遇改善に取り組むことを会社として公式に約束し、国土交通省のポータルサイトで公表する」制度です。宣言した企業名・代表者名・宣言内容はポータルサイトに掲載され、発注者・元請・求職者の誰もが閲覧できる形になります。単なる理念の表明ではなく、労務費確保・CCUS活用・宣言企業との取引優先という具体的な必須項目の実行が求められます。


重要なのは、宣言を行うだけで点数がもらえるのではないという点です。経審の申請において、「審査基準日(直前事業年度の終了日=決算日)が宣言日以降であること」「宣言書と誓約書が提出されていること」の両方を満たして初めて5点の加点対象になります。つまり、今すぐ宣言しておかないと、次の決算申請で加点が受けられない可能性があります。


参考情報として、国土交通省の自主宣言ポータルサイトで申請・公表内容を確認できます。


建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度ポータルサイト(国土交通省)


ボンディングの点数は経審W点のどこに加算されるか

経審の総合評定値(P点)は「0.25×X1 + 0.15×X2 + 0.20×Y + 0.25×Z + 0.15×W」という計算式で算出されます。W点(社会性等)はP点全体の15%を占める重要な要素です。W点自体は、W1〜W8(令和8年7月施行後はW9として自主宣言が追加)の合計点に係数をかけて算出されます。


ボンディング(自主宣言)の加点はこのW点の中に新設される項目として位置づけられています。W点の素点(加算前の生の点数)として5点が加算される形です。この5点をW評点の計算式「W1〜W(n)の合計 × 10 × 175 ÷ 200」に組み込むと、最終的なP点への寄与分は約43.75点(5点×8.75)という計算になります。


つまり、平均P点が700点前後に設計されている経審において、5点の素点差がP点で40点強の差になるということです。これは、ランク格付けの境界線付近にいる企業にとって、入札参加できる等級を一段階左右しうる規模の差になります。


状況 W点への素点加算 P点への換算影響(概算)
ボンディング宣言あり +5点 約+43点(P点換算)
ボンディング宣言なし 0点 加点なし


W点全体の構成としては、以下の項目から成り立っています。


  • W1:建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組状況(社会保険・退職金・CCUS等)
  • W2:建設業の営業継続の状況(許可取得からの営業年数)
  • W3:防災活動への貢献の状況(防災協定の締結状況)
  • W4:法令遵守の状況(行政処分の有無)
  • W5:建設業の経理の状況(建設業経理士の在籍等)
  • W6:研究開発費の状況
  • W7:建設機械の保有状況
  • W8:ISO認証等の取得状況
  • (新設)ボンディング:建設技能者を大切にする企業の自主宣言状況 = 5点


W1は社会保険未加入で各▲40点という大幅減点があり、まずそこを「ゼロ」にすることが前提です。そのうえで、ボンディングやCCUS活用などの加点施策を積み重ねていくのが経審対策の基本です。


経審W点の全体像について、こちらのページが詳しいです。


経営事項審査のW評点(その他の審査項目)完全解説(行政書士法人スマートサイド)


ボンディングの点数を得るための宣言手順と申請時の注意点

ボンディング(自主宣言)の申請は、国土交通省のポータルサイトからオンラインで完結できます。建設業許可番号・担当者名・電話番号・メールアドレスがあれば申請できます。費用は無料です。


申請の流れは次のとおりです。


  1. 自社の立場(元請・下請・発注者)を確認する
  2. 宣言する取組項目を検討する(必須・任意の選択)
  3. 取組開始日を決める
  4. ポータルサイトから申請する
  5. 事務局の審査を経て、ポータルサイトに掲載される
  6. 宣言日から2年経過後の最初の12月末までに再申請する


注意したいのは「取組開始日」の設定です。申請時点で既に実施している取組は過去の日付を設定できます。一方、これから始める取組については「申請日から1年以内」に設定する必要があります。宣言後、1年以内に宣言した取組をすべて実施していないと、1年間申請できなくなるリスクがあります。無理に多くの項目を宣言するより、確実に実行できる範囲で宣言することが賢明です。


また、有効期限の設定が非常に重要な点も覚えておいてください。宣言の有効期限は「申請日の翌月を起算日として2年経過後の最初の12月末まで」です。例えば2026年12月に申請すると有効期限は2028年12月末(約3年弱)ですが、2027年1月に申請すると有効期限は2029年12月末(約4年弱)になります。1か月の違いで有効期限が約1年も変わることがあるため、年末の申請を検討している場合は年明けまで待ったほうが得なケースがあります。


宣言内容は3つの柱から成り立っています。


  • 💼 労務費確保・賃金支払いのための取組:内訳を明示した見積書の作成、下請からの見積の尊重、担い手育成への参加など。
  • 📱 CCUSの活用:技能者の就業履歴を蓄積できる環境整備(全現場・公共工事のみなど選択可)。
  • 🤝 宣言企業との取引優先:協力会社や発注者の選定時に自主宣言の有無を考慮する。


立場によって必須項目の内容は異なります。元請はCCUS活用の複数選択肢から少なくとも一つを選択する必要があります。下請は雇用する全技能者の「詳細型登録」が必須です。発注者は内訳明示見積の尊重と宣言企業との取引優先が求められます。


経審のW点加点を確実に受けるには、審査基準日(決算日)より前に宣言が完了し、ポータルサイトに掲載されていることが条件です。「宣言した」だけでなく「審査基準日時点で宣言済みかつポータル掲載済み」の状態であることを、申請スケジュールから逆算して準備してください。


2026年7月の経審改正でボンディングを取らないと点数が下がる理由

ここが、多くの建設業者が見落としている重要なポイントです。2026年7月1日施行の経審改正では、加点が増えるだけでなく、既存項目の配点が下がる変更が同時に行われます。


現行制度では、CCUSによる就業履歴蓄積(W1の⑩)の加点は「民間含む全現場で実施:15点、公共のみ:10点」です。しかし改正後は「民間含む全現場で実施:10点、公共のみ:5点」に変更されます。


項目 改正前(〜2026年6月) 改正後(2026年7月〜)
CCUS(全現場) +15点 +10点(▲5点)
CCUS(公共のみ) +10点 +5点(▲5点)
ボンディング宣言 なし +5点(新設)


全現場でCCUSを導入している会社が、ボンディング宣言もしている場合は「10点+5点=15点」で現状維持です。これが原則です。一方、CCUS導入済みでもボンディング宣言をしていない会社は「10点のみ」となり、改正前より5点の素点減(P点換算で約44点のマイナス)になります。


CCUSさえ導入していれば大丈夫だと思っている建設会社は多いかもしれません。しかし改正後の制度設計は、「ボンディング+CCUS」をセットで運用している会社が以前と同等以上の評価を受けられるよう設計されています。ボンディングなしでCCUSだけの会社は実質的に点数が下がる仕組みです。点数が下がれば、格付けが落ちます。


特に、これまでBランクの上位にいた会社がAランクに上がるかどうかのボーダーライン付近にいる場合、この変更は受注機会に直接影響します。大規模公共工事への参加資格を保つためにも、改正施行前に今すぐ宣言の申請を検討することをおすすめします。


【2026年7月施行】経審改正の全体像・W点変更点と対策チェックリスト(施工管理の教科書)


ボンディングと経審点数の独自視点―「宣言企業との取引優先」がもたらす発注構造の変化

ボンディングの点数上の効果(W点+5点)に目が向きがちですが、この制度が建設業の仕事の取り方そのものを変える可能性を持っていることは、あまり語られていません。


自主宣言の必須項目に含まれる「宣言企業との取引優先」という条件に注目してください。これは、元請企業が協力会社(下請)を選定する際、発注者が元請を選定する際に、自主宣言を行っているかどうかを考慮することを全宣言企業が約束するものです。


つまり、宣言企業どうしのネットワークが形成され、宣言していない会社は「取引候補リストから外れるリスク」が生まれるということです。経審P点という入口だけでなく、民間工事を含むサプライチェーン全体で「宣言企業同士で取引する」文化が醸成されていく構造です。


現時点(2026年3月)で宣言企業数はまだ多くはありません。しかし制度開始直後に宣言した企業は、ポータルサイト上で「先行宣言企業」として認知される先行者優位を持ちます。求職者(特に若い技能者)がポータルサイトで「職人を大切にする会社リスト」を確認して就職先を選ぶという行動も広がりつつあります。採用コストが年間数十万円から数百万円かかる中小建設業にとって、宣言による採用力向上は、経審点数の加点と同等以上の経営メリットになる可能性があります。


さらに任意項目として最大5項目まで企業独自の取組を記載できます。処遇改善・スキルアップ・女性活躍・ICT化・週休2日制の実現など、自社の強みを対外的にアピールできる場として活用することで、企業ブランディングにもなります。


  • 🎯 処遇改善(長時間労働の是正、育児休業取得促進など)
  • 📚 スキルアップ(資格取得支援、キャリアアッププラン策定)
  • 💻 生産性向上(ICT化、業務効率化ツールの導入)
  • 👩 女性活躍(女性技能者の採用促進、多様な働き方の実現)
  • 🌏 外国人活躍(外国人就労者の共生支援、多言語対応)


経審の点数上の効果だけを目当てにするのではなく、宣言内容を実際の現場改善と連動させることで「点数も上がり、人材も集まり、取引先からも評価される」好循環が生まれます。宣言の内容は実態が問われる設計になっており、名ばかりの宣言では取り消しリスクもあります。無理のない範囲で確実に実行できる取組を選んで宣言し、毎年の運用実績を積み重ねることが、この制度の正しい活用法です。


参考情報として、申請の詳細手順はこちらで確認できます。


建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度について(国土交通省公式ページ)




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