縁石寸法一覧|歩車道境界ブロック規格表

縁石寸法一覧|歩車道境界ブロック規格表

記事内に広告を含む場合があります。

縁石寸法一覧|種類別規格表

縁石寸法の基本分類
🏗️
歩車道境界ブロック

車道と歩道を分離する最も一般的な縁石タイプ

📏
地先境界ブロック

敷地境界を明確にする小型の境界石

⚙️
特殊形状縁石

カーブ部や切り下げ部に使用する専用形状

縁石の歩車道境界ブロック基本寸法

歩車道境界ブロックは道路インフラの基本的な構成要素として、JIS A 5371規格に基づいて製造されています。最も使用頻度が高い片面歩車道境界ブロックの寸法を詳しく見ていきましょう。

 

片面歩車道境界ブロック標準寸法

呼び名 a(mm) b(mm) h(mm) r(mm) L(mm) 重量(kg)
A型 150 170 200 20 600 44-45
B型 180 205 250 30 600 66-67
C型 180 210 300 30 600 80-84

この表の寸法記号について詳しく説明すると、aは車道側の幅、bは歩道側の幅、hは全体の高さ、rは上部の丸み半径、Lは長さを示しています。

 

特に注目すべきは、A型からC型になるにつれて高さが段階的に増加している点です。これは交通量や車両の種類に応じて適切な視認性と安全性を確保するための設計思想が反映されています。

 

両面歩車道境界ブロックの特殊寸法
両面歩車道境界ブロックは、両側が車道に面する中央分離帯などで使用される特殊な形状です。

 

呼び名 a(mm) b(mm) h(mm) r(mm) L(mm) 重量(kg)
A型 150 190 200 20 600 48
B型 180 230 250 30 600 70
C型 180 240 300 30 600 90

両面タイプの特徴は、片面タイプよりもb寸法(幅)が大きく設計されている点です。これは両側からの車両の接触を考慮した安全設計によるものです。

 

縁石の地先境界ブロック規格詳細

地先境界ブロックは、主に敷地境界や駐車場の区画整理に使用される比較的小型の境界石です。不動産開発においては、明確な境界設定が法的要件となるケースが多く、正確な寸法把握が重要になります。

 

地先境界ブロック標準寸法一覧

呼び名 a(mm) b(mm) h(mm) L(mm) 重量(kg)
100角 100 100 100 600 14
A型 120 120 120 600 19-21
B型 150 150 120 600 24-26
C型 150 150 150 600 31-32

地先境界ブロックの特徴的な点は、正方形断面を基本としていることです。100角タイプは最もコンパクトな設計で、住宅地の細かな境界設定に適しています。

 

公団型縁石の特殊用途
公団型縁石は、公共住宅団地や大規模開発地域で標準的に使用される規格です。

 

呼び名 a(mm) b(mm) h(mm) L(mm) 重量(kg)
100H 100 100 100 600 14
120H 120 120 120 600 17-21
150H 150 150 150 600 21-25
200H 200 200 200 600 28

公団型の「H」は高さ(Height)を示しており、縦横の寸法が高さと同一になっているのが特徴です。この設計により、設置時の向きを気にする必要がなく、施工効率が向上します。

 

縁石の特殊形状製品寸法一覧

道路設計において直線部だけでなく、カーブ部や車両の乗り入れ部分では特殊な形状の縁石が必要になります。これらの製品は標準的な直線縁石では対応できない複雑な施工条件に対応するため、精密な寸法管理が求められます。

 

曲線縁石(R縁石)の寸法仕様
曲線部に使用される特殊縁石は、半径に応じて複数の規格が用意されています。

 

半径 1/4円長さ(m) 分割数(本) 1本長さ(m)
0.5m R 0.785 1.5 0.514
0.75m R 1.178 2 0.579
1.0m R 1.571 3 0.514
1.5m R 2.356 4 0.579
2.0m R 3.142 5 0.618

この表からわかるように、小さな半径ほど1本あたりの長さが短くなり、より細かな分割が必要になります。現場での施工精度を考慮すると、0.5m R以下の極小カーブでは現場打ちコンクリートの採用も検討されます。

 

切り下げブロックの寸法詳細
車両の乗り入れ部分に使用される切り下げブロックは、歩道から車道への段差を緩やかにする重要な役割を果たします。

 

切下げ高さ a1(mm) b(mm) h1(mm) h2(mm) L(mm) 重量(kg)
5cm右 110 110 155 105 600 20
5cm左 110 110 155 105 600 20
2cm右 110 110 155 75 600 18
2cm左 110 110 155 75 600 18

切り下げブロックの設計では、右用と左用で形状が左右対称になっており、施工時の混同を避けるため明確な区別が必要です。

 

防草ブロック一体型縁石
近年注目されているのが、縁石機能と防草機能を兼ね備えた製品です。従来の縁石では雑草の侵入が問題となっていましたが、この製品により維持管理コストの削減が期待できます。

 

呼び名 a(mm) b(mm) h(mm) h1(mm) h2(mm) r(mm) L(mm) 重量(kg)
A型 150 170 200 20 50 20 600 44
B型 180 205 250 20 50 30 600 66
C型 180 210 300 20 50 30 600 80

防草機能部分(h2=50mm)が標準縁石に追加されているのが特徴で、この部分により雑草の根の侵入を効果的に防ぎます。

 

縁石選定時の重量・施工基準

縁石の選定において寸法と同様に重要なのが重量です。重量は運搬効率、施工機械の選定、基礎設計に直接影響を与えるため、計画段階での正確な把握が不可欠です14。

 

重量による施工方法の分類
縁石の重量に応じて、以下のような施工方法の選択が一般的です。

  • 軽量タイプ(10-30kg): 手作業での設置が可能、地先境界ブロックが該当
  • 中量タイプ(30-60kg): 小型建設機械が必要、片面歩車道境界ブロックA型・B型
  • 重量タイプ(60kg超): クレーン等の重機が必須、片面歩車道境界ブロックC型以上

特に重量タイプの縁石を使用する場合、クレーン車の進入路確保や作業半径の検討が必要になります。都市部の狭小現場では、重量を理由に仕様変更を検討するケースも少なくありません。

 

基礎設計における重量係数
縁石の基礎設計では、製品重量に加えて以下の荷重を考慮する必要があります。

  • 自重: 縁石本体重量×1.0
  • 土圧: 背面土の土圧係数による側圧
  • 車両荷重: 隣接車道からの輪荷重の影響
  • 温度応力: 季節変動による伸縮応力

これらの荷重の組み合わせにより、適切な基礎幅と根入れ深さが決定されます。

 

地域別重量規格の差異
興味深いことに、同一形状の縁石でも製造地域によって若干の重量差が存在します。これは使用骨材の比重や配合設計の微細な違いによるもので、西日本と中京地域では以下のような差異が確認されています。

  • A型片面歩車道境界ブロック: 44kg(標準)~45kg(西日本)
  • B型片面歩車道境界ブロック: 66kg(標準)~67kg(西日本)

この差は運搬計画には影響しませんが、大量使用時の総重量計算では考慮が必要です。

 

縁石寸法確認時の現場実務ポイント

実際の現場において縁石の寸法確認を行う際には、図面上の理論値と実際の製品との間に微細な差異が生じることがあります。これは製造許容差、経年変化、施工精度などが複合的に影響するためです15。

 

製造許容差の実務的な扱い
JIS規格では縁石の寸法許容差が規定されていますが、実務上は以下の点に注意が必要です。

  • 長さ(L): ±3mm(600mm製品の場合)
  • 幅(a、b): ±2mm
  • 高さ(h): ±3mm
  • 丸み半径(r): ±1mm

これらの許容差は個々の製品レベルでの話ですが、長距離の連続施工では累積誤差となって現れる可能性があります。特に曲線部では、わずかな寸法差が最終的な線形に大きな影響を与える場合があります。

 

経年変化による寸法変動
設置後の縁石は、以下の要因により寸法が変化する可能性があります。

  • 凍害による膨張: 寒冷地では年間0.1-0.2mmの伸長
  • 乾燥収縮: 設置後1年間で0.05-0.1mmの収縮
  • 車両接触による変形: 特に切り下げ部での部分的な損傷

これらの変化は製品単体では微細ですが、施設全体では無視できない数値となる場合があります。

 

現場での寸法確認手順
効率的で正確な寸法確認のため、以下の手順が推奨されます。

  1. 受入検査での全数寸法チェック: 特にa、h寸法の重点確認
  2. 設置前の並べ確認: 10m区間での累積誤差の事前把握
  3. 設置後の線形確認: レーザー測量による最終的な位置精度確認

特殊用途縁石の寸法管理
ラウンドアバウト用の特殊縁石では、一般的な直線縁石とは異なる寸法管理が必要です。最大30cmの厚みを持つエプロン縁石は、従来の境界ブロックの約3倍の厚さがあり、重量も大幅に増加します。

 

このような特殊製品では、製造時の寸法精度がより重要になります。円形配置における目地の一致性や、10cmスロープ部の角度精度など、従来の縁石では考慮不要だった要素が施工品質を左右します。

 

デジタル化による寸法管理の進歩
最近では、3Dスキャンやドローン測量を活用した縁石の寸法管理が導入されています。これにより、従来の手作業による測定では把握困難だった微細な寸法変化や設置精度の定量的な評価が可能になっています。

 

特に大規模開発プロジェクトでは、このようなデジタル技術により施工品質の向上と効率化が同時に実現されており、今後の縁石施工における標準的な手法となることが予想されます。

 

縁石寸法の正確な把握と適切な施工管理により、道路インフラの長期的な機能維持と安全性確保が実現されます。不動産開発においても、これらの技術的な詳細を理解することで、より質の高いプロジェクト管理が可能になるでしょう。