

エポキシ床塗料トップ材を現場で語るとき、「上塗り」と「トップコート(トップ材)」が混線しやすいので、まず工程の意味を揃えるのが安全です。合成樹脂系の塗り床工法では、基本工程としてプライマー→下塗→上塗があり、工法によっては上塗の後にトップコートを追加する仕様も示されています。特にローラー系などの仕様では「①プライマー②下塗③上塗④トップコート」という並びが例示されており、トップ材が“追加の保護層”として扱われるケースがある点が重要です。
ただし、すべての仕様で必ずトップコートを入れるわけではなく、厚膜型・薄膜型、平滑・防滑、ライニング等で工程数が変わります。例えばABC商会の代表例では、流しのべコーティング工法は「①プライマー②下塗③上塗」、一方でローラースチップル工法は「①プライマー②下塗③上塗④トップコート」とされ、トップ材の要否が工法側に組み込まれているのが分かります。つまり「トップ材を塗るか?」は、材料だけでなく“採用工法のレシピ”で決まることが多い、と整理すると判断が速くなります。
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現場目線で言い換えると、トップ材は「主材(上塗り)を傷ませないための犠牲層」に近い役割になります。清掃頻度が高い床、タイヤ痕・擦り傷が出やすい床、粉塵を嫌う床では、トップ材の有無や種類で維持管理の難易度が変わります。トップ材を入れると、次の改修時に“どこまで削るか(トップ材のみ更新か、主材まで入替か)”というメンテ計画も立てやすくなるため、長期運用の視点で検討する価値があります。
エポキシ床塗料トップ材を選ぶとき、建築従事者が押さえるべき軸は「どの性能を最優先するか」です。工場床などでは、耐薬品性が必要な場所、粉塵の発生を抑える防塵性が必要な場所、静電気帯電防止機能が必要な場所など、要求性能が用途で大きく変わることが整理されています。したがってトップ材も“汎用で一つ”ではなく、運用条件(薬品・油・溶剤・粉塵・機器の有無)から絞り込むのが合理的です。
耐摩耗性を上げたい場合、そもそも塗り床として厚膜型(1mm以上を目安)を選ぶのか、薄膜型(ローラー等で数回塗り重ねる)を選ぶのかで、トップ材の役割が変わります。厚膜型塗り床はコテ施工で厚みを確保しやすく、機械的性能や耐薬品性などを狙いやすい一方、薄膜型は回数(2~3回が多い)で膜を作る設計思想です。トップ材はこの“薄膜の弱点(摩耗で早く薄くなる)”を補う意味でも検討されやすく、工法仕様にトップコート工程が入る例が示されています。
防塵性の観点では、床の強度だけでなく「粉が出る状態を作らない」ことが目的になります。粉塵が問題になる現場は、帯電で粉が舞いやすい・清掃で微粉が立つ・搬送で削れるなど理由が複合しがちです。用途別工法案内では、防塵性が工場用途で重要な要求として繰り返し示され、静電気帯電防止や耐溶剤性・耐油性なども含めて選ぶ必要があるとされています。トップ材は、床表面の微細な荒れを抑えて清掃性を上げる方向にも効くため、“防塵=下地と主材だけの話ではない”と捉えると設計が固くなります。
エポキシ床塗料トップ材の失敗原因で多いのは、トップ材そのものより、下地処理不足と工程管理不良です。一般的な床塗装の流れとして、下地処理→プライマー(下塗り材)→主材(上塗り)→トップコートという順序が説明されており、下地処理が密着性と耐久性を左右する前提が共有されています。つまりトップ材を良いものに変えても、下地が悪ければ剥がれ・浮き・早期摩耗の回避は難しい、というのが現場の現実です。
下地処理で最低限そろえる観点は「汚れ・油分・粉塵・水分の除去」と「目荒し(研磨)」です。汚れが軽度なら洗浄後の目荒し+油面プライマー処理、ひどい汚れなら薄層研削で汚れや脆弱部を除去してからプライマー処理、という改修の考え方も示されています。つまり“何を塗るか”の前に、“何を削って何を残すか”で勝負が決まります。特に既存塗膜の上に更新する場合、密着に効く専用プライマーの指定があることもあるため、材料メーカーの仕様書に従うのが安全です。
参考)施工・改修方法を知る
プライマー工程は、単なる「接着剤」ではなく、下地と塗膜を強固に結びつける役割として説明されています。さらに塗り床仕様の例では、プライマーの後に下塗・上塗が続き、トップコートまで含む工程もあります。ここで重要なのは、プライマーの塗布量のムラや、乾燥時間不足があると、後工程(上塗り・トップ材)でふくれや肌荒れにつながり得ることです。メーカーが示す塗布量、施工間隔、養生条件(温度・湿度)を守ることが、結局いちばん安い保険になります。
エポキシ床塗料トップ材で現場が困る不具合は、見た目の問題だけでなく、早期の再工事に直結します。代表的には、ふくれ(ブリスター)、剥がれ(密着不良)、艶ムラ(塗布ムラ・硬化ムラ・吸い込みムラ)が挙げられます。とくに工法案内のカタログには「上塗りを1.3kg/㎡以下で施工しますと、塗膜にフクレが発生することがあります。使用量を厳守してください」といった注意書きがあり、塗布量管理が不具合防止の核心であることが読み取れます。
ふくれは「水分」だけが原因だと思われがちですが、実際は複合要因が多いです。下地に残った水分・油分、研磨不足による密着低下、プライマーの乾燥不足、主材の過厚・過少、施工温度条件のズレなどが重なると、トップ材で封じた瞬間に症状が顕在化します。カタログが塗布量を強く制限しているのは、硬化反応と揮発・脱泡のバランスが崩れるとトラブルになりやすい、という経験則が仕様に落ちているからです。トップ材だけの是正でなく、工程の“前半”まで遡って潰すのが最短です。
剥がれは、下地処理不足とプライマー選定ミスが典型です。改修では、汚れがひどい場合に薄層研削で除去してからプライマー処理を行う、という考え方が示されており、既存面の状態評価が前提になります。既存塗膜が残る床や、油が染みた床などは、見た目がきれいでも“密着の敵”が残っていることがあるため、現場では試験施工(小面積)で密着や仕上がりを確認してから全面に入るのが安全です。
エポキシ床塗料トップ材を「いま綺麗に仕上げる材料」としてだけ見ると、改修のたびに床全体を削ってやり直す計画になりがちです。ここでの独自視点は、トップ材を“消耗品として更新しやすい層”に位置づけ、改修の手戻りを減らす発想です。合成樹脂系塗り床は工法が多様で、ライニング工法のようにガラスクロス貼りや脱泡・研磨を含む重い仕様もあれば、ローラー系でトップコートまで入る仕様も示されています。つまり同じ「エポキシ」でも、将来の補修難易度は工法設計の段階でほぼ決まります。
例えば、タイヤ痕や擦り傷が早い現場では、主材を守るためにトップ材を計画的に更新する運用が現実的です。用途別工法案内には「ウレタン樹脂溶剤形の保護クリヤー仕上げ工法」が例として示され、フォークリフト走行時のタイヤ痕付着の防止や耐摩耗性、美観維持を狙う考え方が紹介されています(下地に別仕様を用いた上で、上塗りとして保護クリヤーを入れるイメージ)。この“保護層を交換する”という思想を、エポキシ床塗料トップ材にも応用すると、床を長く使う計画が立てやすくなります。
更新設計で重要なのは、次回改修の手順が読みやすいことです。汚れが軽度なら洗浄+目荒し、ひどい汚れなら薄層研削…という改修の基本線が示されているように、改修は状態別のルート分岐になります。トップ材を更新する運用を採るなら、日常清掃の薬剤・洗浄方法・摩耗の出方まで含めて「トップ材がどのくらいで傷むか」を把握し、更新時は“トップ材だけを確実に目荒しして塗り直す”段取りを組むのが合理的です。結果として、主材の寿命を延ばし、工事停止時間も短くできます。
【塗り床の基本(厚膜型・薄膜型、代表的工法と工程、トップコート工程の例)】
https://www.abc-t.co.jp/guide/article/20160115001050.html
【工場用途別に必要性能(防塵性・耐薬品性・静電気帯電防止など)と工法例、塗布量注意(フクレ注意)】
https://www2.nttoryo.co.jp/dcms_media/other/yu_takku_sogo_katarogu_yotobetsu_koho_annai.pdf

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