行政書士法改正と補助金と申請と報酬

行政書士法改正と補助金と申請と報酬

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行政書士法改正と補助金

行政書士法改正と補助金の要点
⚖️
報酬の名目を問わない

「コンサル料」「手数料」など名目ではなく、実態が「官公署に提出する書類作成・提出代理」かで判断されます。

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補助金は書類が中心

補助金は事業計画・添付資料・電子申請入力など、提出書類の品質が採択率と手戻りを左右します。

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建築は許認可と同時進行

建設業許可や各種届出と補助金が絡むと、工程・資金繰り・契約の順序が重要になり、早期の役割分担が効きます。

行政書士法改正と補助金の報酬と名目

行政書士法改正の実務で最も効いてくるのは、「行政書士又は行政書士法人でない者」が、他人の依頼を受け、いかなる名目であっても報酬を得て、業として行政書士業務を行えない、という趣旨が条文上より明確になった点です。特に“名目を問わず”が追加されたことにより、契約書上は「コンサル」「サポート」「会費」などと書かれていても、実態が「官公署に提出する書類」の作成や提出手続の代理であれば、アウトになり得ます。これは「現行法解釈を条文に明示して抑止する」という説明がされており、グレーな運用を許容する方向ではありません。


建築従事者の現場で起きがちなのは、補助金の書類が“工事”そのものではなく“事務”に見えるために、外注先の線引きが曖昧になることです。ところが補助金は、官公署に提出する文書(申請書、事業計画、見積・相見積、図面や仕様の説明資料、誓約書等)で構成され、しかもオンライン入力まで含めて「提出行為」になりやすい領域です。だからこそ、報酬の名目を変える小手先ではなく、「誰が、どの書類を、どこまで作り、誰の権限で提出するか」を最初に決めておくことが最大の防御になります。


さらに意外に盲点なのが、社内の“兼業”です。例えば現場監督や営業が、別会社(グループ会社や知人の会社)から「補助金申請を代行して」と依頼され、対価を受け取って書類作成・提出までやると、役割が士業領域に踏み込みやすくなります。個人として軽い手伝いのつもりでも、反復継続・有償・他人の依頼という要素が揃うと「業として」と評価される可能性があるため、会社として副業規程や外部受託のルールも整備しておくと安全です。


参考:総務省の通知(改正の施行日・条文趣旨・「名目を問わず報酬」等の明確化)
https://www.soumu.go.jp/main_content/001014708.pdf

行政書士法改正と補助金の申請と書類作成

改正後の条文イメージでは、行政書士は「官公署に提出する書類…(電磁的記録を含む)」を作成することを業とする、と整理されています。ここで重要なのは、紙だけでなく電磁的記録=オンライン申請の入力データも射程に入ることです。補助金の世界では、ポータルに入力してボタンを押すところまで“申請手続”と一体になっているため、書類作成と提出の境界が現場感覚以上に近いのが特徴です。


建築系の補助金(省エネ改修、設備更新、BCP関連、DX関連など)では、事業計画の文章だけでなく、工事範囲の妥当性、仕様の整合、見積の根拠、工程表、証憑の揃え方が採択後の実績報告まで影響します。ここで「とりあえず通す」発想をすると、後工程での差戻し・補助対象外判定・入金遅延が起きやすいです。結果として、資材発注や下請け契約、着工タイミングにまで波及し、現場の損失が大きくなります。申請段階から、工事契約・発注・着工の順番、写真の撮り方、型番・性能証明の取り方まで“実績報告から逆算”して設計するのが堅い進め方です。


また、補助金は「申請者=事業者」が主役で、行政書士はその書類の作成や提出代理を担う立場です。つまり、情報の一次発生源(現場写真、設計条件、発注書、請求書、検収書、支払証憑など)を持っているのは建築側・事業者側であり、そこが弱いと誰が申請支援しても強くなりません。したがって、建築従事者が押さえるべきは「自分たちが出す情報を、行政に通る形で証明できる粒度にする」ことです。補助金は“文章力”より“証明力”が勝つ場面が多い、というのが現場で効くコツです。


参考:行政書士会連合会の説明(使命・職責・デジタル社会への対応等の改正ポイント)
https://www.gyosei.or.jp/news/20250606

行政書士法改正と補助金の電子とデジタル

今回の改正の文脈には、デジタル社会への対応がはっきり入っています。行政書士の「職責」として、情報通信技術の活用などを通じて利便向上・業務改善に努める、という方向性が示されており、今後も電子申請・オンライン手続の比重が上がると見込まれます。建築業界は現場が強い一方で、補助金はオンライン入力と証憑管理が重く、ここがボトルネックになりがちです。


電子申請が増えると、次の“地味だが致命的”なミスが増えます。


  • 申請ポータルの入力者と申請名義(法人・代表者)の整合が崩れる。
  • 添付ファイルの版管理ができず、古い見積や仕様書が提出される。
  • 申請後の差戻し通知を見落として期限を過ぎる。
  • 実績報告で要求される写真・証憑の形式が申請時の想定とズレる。

ここで効くのが、デジタル運用を“現場の段取り”に落とすことです。例えば、現場写真は「撮影日が追える設定」「撮影場所が分かるルール」「撮影対象(型番・銘板・施工前後)の統一」を決め、ファイル名を「案件名_日付_工程_対象」のように標準化しておくだけで、実績報告の作業量が激減します。補助金は、工事が終わってから証拠を作れないため、着工前にデジタル運用設計まで済ませるのが、採択率よりも“入金率”を上げる現場的な戦術です。


さらに意外なポイントとして、デジタル化は「誰が入力ボタンを押すか」の問題を顕在化させます。入力補助や添付整理の段階で外部が深く入り過ぎると、書類作成・提出代理と一体視されやすくなるため、役割分担を明確にし、委任関係や業務範囲(どこまでが助言でどこからが作成・提出か)を紙で残すことが安全策になります。


行政書士法改正と補助金の罰則と両罰

今回の改正は「業務制限の趣旨の明確化」に加えて、両罰規定の整備にも触れられています。つまり、個人だけの問題ではなく、法人側の管理責任に波及し得る方向です。建築会社にとっては、「補助金を取るために外部コンサルへ丸投げ」ではなく、「適法な専門職へ必要部分を委任し、社内は一次資料の整備と意思決定を担う」という体制が、コンプライアンス面でも最終的な採算面でも強い選択になります。


罰則が強いから怖い、で止めるのではなく、実務に落とすと対策はシンプルです。


  • 外部依頼は“成果物”を明確化(事業計画の助言、資料整理、添削、など)し、官公署提出書類の作成・提出代理は適法な受任者に寄せる。
  • 社内の決裁フローを整備し、「申請内容の最終責任者(代表者・役員)」を明示する。
  • 申請ポータルのアカウント運用と、差戻し対応の担当者・代替者を決める。
  • 見積・発注・請求・支払の証憑が、補助金要件に合う順番で揃うように購買ルールを調整する。

建築業の補助金は、工事の品質と同じくらい「証憑の品質」が評価されます。適法な体制を整えた上で、現場側が“証拠が残る施工管理”を実装できる会社ほど、補助金を継続的に活用でき、結果として価格競争ではなく提案競争に移りやすくなります。法改正は、単なる規制強化ではなく、真面目に運用する会社が報われる方向への“市場の整流化”として読むのが実務的です。


行政書士法改正と補助金の建設業の独自視点

検索上位が語りがちなテーマは「誰が代行できるか」「違法ラインはどこか」ですが、建築従事者にとって本当に痛いのは、違法リスクより“採択後の運用不全”です。ここに独自視点として、「補助金の申請支援を誰に頼むか」だけでなく、「現場の契約・工程・検収の設計を補助金仕様に合わせる」ことを最重要に置くと、失敗が減ります。


例えば、補助金は「交付決定前の発注・着工が不可」「同一事業で二重取り不可」「補助対象経費の範囲が限定」など、ルールが厳密です。現場は段取りが命なので、つい先に材料を押さえたり、応急対応で工事を始めたくなりますが、ここで制度要件を踏むと、採択されても補助対象から外れて“実入りゼロ”になることがあります。つまり、補助金は採択よりも「交付決定→施工→実績報告→確定検査→入金」までの完走率で評価すべきです。


建築会社が今すぐできる“制度に強い現場”の作り方は次の通りです。


  • 🧩案件ごとに「補助金仕様の工程表」を作る(交付決定日を起点に発注・着工・完工・支払の順番を固定)。
  • 📸写真ルールを施工要領書に追記する(施工前・施工中・施工後、銘板、型番、数量が分かる撮り方)。
  • 🧾見積・請求・領収の整合チェック項目を作る(会社名、住所、日付、品名、型番、数量、単価、支払方法)。
  • 🔐オンライン申請の担当を“個人依存”にしない(ID管理、通知確認、期限管理を複線化)。
  • 🤝外部支援者とは、委任範囲と責任分界(誰が作成・誰が提出・誰が最終確認)を文書化する。

この運用を先に整えると、行政書士法改正で外部委託の線引きが厳しくなっても、現場が混乱しにくくなります。補助金は「うまい話」ではなく「施工管理の延長」と捉えると成功率が上がり、法改正はその考え方を後押しする材料にもなります。