
配線色規格は、電気設備の安全性と保守性を確保するために不可欠な基準です。建築業界では、正しい配線識別により電気事故を防止し、作業効率の向上を図ることが重要になっています。
国内では**JIS C 0446「色又は数字による電線の識別」**が基本規格として制定されており、ケーブルの絶縁線心、配線に用いる絶縁電線及び機器内で識別を必要とする電線の色分けを規定しています。
JIS C 0446では、電線の識別において以下の色分けが標準として規定されています:
単相回路での配線色分け
三相回路での配線色分け
日本では黒、白、赤、緑の4色が一般的に使用されており、これらの色は建築現場での配線工事において長年にわたって定着しています。特に住宅配線では、VVFケーブルの黒、白、赤の心線を適切に使い分けることで、安全な電気設備を構築できます。
国際電気標準会議(IEC)が制定するIEC 60446は、世界標準の配線色規格として多くの国で採用されています。この規格では以下の色分けが推奨されています:
IEC 60446の推奨色
マレーシアでは、従来の赤/黄/青から国際標準の茶/黒/灰/青への移行が進められており、配線色規格の標準化が電気事故防止と国際競争力向上に重要であることを示しています。
日本でも国際基準への対応が求められており、特に輸出向け機器や国際プロジェクトでは、IEC 60446に準拠した配線色規格の採用が必要です。
多心ケーブルの識別では、標準的な12色システムが採用されています:
標準12色による識別
この色分けシステムにより、大規模な電気設備においても確実な線路識別が可能となります。特に建築設備では、通信・電源・制御回路の混在する配線において、適切な色分けが保守作業の効率化と安全性向上に直結します。
通信ケーブルの色分け規格(ANSI/TIA/EIA-606)
配線色規格では、色による識別だけでなく、数字や文字による表示も重要な識別手段として位置づけられています。
識別表示の方法
工業用設備では、IEC 60204-1に基づく配線色規格が適用されます:
ケーブルタグによる識別強化
現代の配線工事では、色による識別に加えて専用のケーブルタグを使用することで、より確実な識別を実現しています。ケーブルタグには回線名や行き先を記入でき、ボールペンで記入してもにじまない表面処理が施されています。
実際の建築現場では、標準的な配線色規格に加えて、現場特有の工夫が求められます。
VVFケーブルでの色転用技術
この転用技術により、標準的なVVFケーブルを使用しながらも、配線色規格に準拠した安全な電気設備を構築できます。
多重化設備での配線色規格
大規模建築物では、以下のような階層的な色分けが効果的です。
保護導体の特殊規定
配線色規格では、保護導体(アース線)の色使用に厳格なルールがあります:
これらの技術により、配線色規格に準拠しながら現場のニーズに対応した電気設備を実現できます。建築業従事者にとって、これらの知識は安全で効率的な電気工事を行うための必須スキルとなっています。