
カーテンボックスの標準寸法は、用途と設置方法によって大きく異なります。アルミ製カーテンボックスの主要メーカーである三洋工業株式会社や理研軽金属工業では、以下のような標準規格を設定しています。
アルミ製カーテンボックス標準寸法表
用途 | 幅(mm) | 深さ(mm) | 備考 |
---|---|---|---|
カーテン用(シングル) | 90以上 | 80 | 一般住宅用 |
カーテン用(ダブル) | 120以上 | 80 | 厚地+レース |
ブラインド用 | 120-200 | 80-120 | スラット幅により調整 |
暗幕用 | 150-200 | 120-150 | 業務用・ホール仕様 |
サッシからの持出し材寸法は、壁厚に応じて15mm、35mm、45mm、60mm、75mm、90mmなどが標準設定されています。これらの寸法は建築図面を参考に、壁厚や天井高との関係を考慮して決定します。
特に注意すべきは、カーテンボックス内寸法の設定です。ブラインド収納の場合、ボックスの幅は12.5cm以上必要で、深さはブラインドの「たたみ代」より余裕を持たせる必要があります。
アルミ押出し型材の利点として、複雑な形状の製作が可能で、開口部と一体的な表面仕上げができることが挙げられます。これにより、高強度と工業生産化を同時に実現しています。
カーテンボックスの高さ設定は、サッシ開口高さと天井高さの関係が重要な決定要因となります。基本的な計算方法は以下の通りです。
高さ計算の基本式
サッシとの取り合いパターンは主に3つに分類されます。
🔹 パターン1:基本的なブラインドボックス納まり
サッシからの持出し材を使用し、壁厚に応じて寸法を調整。額縁外-外を小口の押さえとする標準的な納まりです。
🔹 パターン2:サッシH押さえと天井同高さの場合
アルミ額縁を追加するため、BOX高さが変更になります。この場合、建築図面での確認が必須となります。
🔹 パターン3:梁下・ブラケット納まり
天井高さや梁の位置によって、サイドカバーの追加やブラケット取付が必要になる特殊な納まりです。
製品高さの算出では、ブラインドの場合「たたみ代」の計算が重要です。計算式は「製品仕上がり高さ(H)×0.08+8.0cm」となり、この値よりもカーテンボックスの深さに余裕を持たせる必要があります。
建築現場での実務では、壁の立ち上がり状況によって5~10mm離す場合もあるため、担当者との確認が欠かせません。
ブラインドボックスの寸法設定は、ブラインドの種類とスラット幅によって大きく左右されます。適正な深さの確保は、ブラインドの正常な動作と美観の両面で重要です。
スラット幅別たたみ代寸法(片開きの場合)
ブラインドL | スラット75mm | スラット100mm |
---|---|---|
1,000mm | 200mm | 250mm |
1,500mm | 300mm | 350mm |
2,000mm | 400mm | 400mm |
2,500mm | 450mm | 500mm |
3,000mm | 500mm | 550mm |
ブラインドボックス内寸法の最小要件は、幅120mm以上、深さ80mm以上が基本ですが、実際の設計では以下の配慮が必要です。
アルミブラインドの詳細な採寸方法と製品サイズ計算
ブラインドの重量計算も重要な要素です。アルミブラインドの場合、「製品M幅×(製品M高さ×0.5+0.7)+0.2」で重量を算出し、取付下地の耐荷重性を確認する必要があります。
特殊な納まりとして、暗幕用ブラインドボックスでは、より大きな深さ(120-150mm)が要求され、業務用途での遮光性能を確保するための設計配慮が必要です。
アルミ製カーテンボックスの標準仕様は、メーカーごとに細かな違いがありますが、基本的な構造と寸法は業界標準に準拠しています。
理研軽金属工業の標準仕様例
🔧 本体型材仕様
🔧 側板バリエーション
埋め込み式と露出式の選択基準は、天井裏空間の有無と梁・スラブ下の空間寸法によって決まります。埋め込み式は天井仕上面から出ないタイプで高級感があり、露出式は梁・スラブ下の空間が狭い場合に対応します。
アルミ製カーテン・ブラインドボックスの詳細仕様と納まり図
材質はアルミニウム合金押出型材(アルマイト仕上げ)が標準で、カラーバリエーションはアルミシルバー、アルミブロンズ、アルミブラックが一般的です。
製品の最大長は6mまで可能ですが、4mを超える場合は構造計算や運搬方法の検討が必要になります。付属材(アングル材・Zバー含む)は4m定尺での供給が標準となっています。
実際の設計・施工現場では、図面上では問題なくても実際の納まりで問題が生じるケースが少なくありません。以下は特に注意すべき見落としポイントです。
🚨 下地確認の重要性
カーテンボックスの取付には確実な下地が必要ですが、新築・リフォーム時に下地位置の確認を怠ると後々の問題となります。特に天井付けの場合、ブラケット取付ビスが確実に打てるよう、コンパネなどを広めに入れておく配慮が重要です。
🚨 壁との取り合い納まり
BOXのL寸法によっては壁との取り合いが発生しますが、この納まり図を省略すると現場で混乱が生じます。サッシの上方にカーテンボックスが付く場合も壁取合いの納まりとなるため、詳細図の作成が必須です。
🚨 天井伏図との整合性
カーテンボックスの取付位置は天井伏図に記載されることが多いですが、建築図との照合を怠ると位置ずれが発生します。特に照明器具や空調設備との干渉確認は重要です。
🚨 将来的なメンテナンス性
カーテンやブラインドの交換時のアクセス性を考慮した設計が不足するケースがあります。特に高所設置の場合、メンテナンス用の足場確保や作業スペースの検討が必要です。
大建工業のカーテンボックスセット仕様と組立方法
🚨 圧迫感の配慮
部屋のサイズによってはカーテンボックスが圧迫感を生む場合があります。特に狭い部屋や小さな窓への設置では、ボックス自体のサイズと部屋全体のバランスを慎重に検討する必要があります。
これらのポイントを事前にチェックリスト化し、設計段階から施工完了まで一貫して確認することで、品質の高いカーテンボックス設置が実現できます。特に不動産開発では、入居者の満足度に直結する要素として、これらの詳細な配慮が重要な差別化ポイントとなります。