カートリッジ型ケミカルアンカー樹脂の施工手順と硬化時間

カートリッジ型ケミカルアンカー樹脂の施工手順と硬化時間

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カートリッジ型ケミカルアンカー樹脂の施工手順

カートリッジ型ケミカルアンカー樹脂:失敗しない要点
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孔内清掃が強度の土台

切粉が残ると付着界面が弱くなり、設計どおりの引張・せん断が出ません。ブロワー+ブラシ+ブロワーを複数回で「粉ゼロ」を狙います。

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捨て打ちで混合不良を防ぐ

ミキシングノズルは吐出直後が混合不良になりやすいので、所定量を捨てて色・状態が安定してから本注入します。

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可使時間と硬化時間を管理

気温で反応が大きく変わります。注入後に迷っていると孔内で先に固まり、未充填や挿入不良の原因になります。

カートリッジ型ケミカルアンカー樹脂の孔内清掃:ブロワーとメタルブラシ


カートリッジ型ケミカルアンカー樹脂の注入方式は、孔内に残った切粉・粉じんが「樹脂と母材の界面」を汚し、定着性能を落とす典型要因になります。ユニカの施工要領では、集塵(ブロワー等)→ブラシ→再度集塵を1サイクルとして、これを2~3回繰り返すよう明記されており、清掃の繰り返しが前提の手順になっています。
現場で見落とされやすいのは「孔の奥」ほど粉が残る点で、表面だけきれいに見えても奥が白いままだと、そこから付着が途切れてアンカー筋が“効いていない区間”が生まれます。さらに、ダイヤコア等で孔壁の凹凸が少ない場合は強度が低下する可能性があるため、孔壁の面粗しを推奨している資料もあり、「清掃」だけでなく「孔壁状態」まで意識すると仕上がりが安定します。
箇条書きで、清掃品質を上げるコツをまとめます。


  • ブロワーは孔底まで届かせ、奥から粉を“押し出す”意識で吹く。

    参考)https://nejiya.jp/?mode=f6

  • メタルブラシは孔径に合ったものを使い、孔壁に当てて回しながら上下させる。​
  • 清掃後にアンカー筋を仮挿入し、埋込み深さをテープ等でマーキングしてから本番に入る(挿入迷いを減らす)。​

カートリッジ型ケミカルアンカー樹脂の注入:ミキシングノズルと捨て打ち

カートリッジ型ケミカルアンカー樹脂は、主剤と硬化剤がミキシングノズル内で混合される前提のため、吐出開始直後は混合不良が起きやすい区間です。ユニカの施工要領では、最初の使用やノズル交換時に樹脂約20~30cc(トリガー2~3回分)を捨てるよう示され、混合不良による強度低下の原因になると注意しています。
また、注入はノズルを孔底まで差し込んでから開始し、孔底から抜きながら充填するのが基本で、空気溜まりを作りにくい手順として複数の施工資料で共通しています。
ここで、意外と差が出る“段取り”の話をします。ノズルが孔底に届かないとき、資料ではチューブ等で延長して孔底に当ててから注入する方法が示されていますが、延長した分だけ抵抗が増えて吐出が不安定になりがちです。

そのため、段取りとしては「孔径・孔深さに合うノズル/延長チューブの事前準備」「捨て打ちをしてから現場孔へ移動(ただし可使時間に注意)」を徹底すると、注入ムラが激減します。

実務のチェック項目(入れ子にしない)

  • ミキシングノズルは使用直前に装着する。​
  • 捨て打ち量をケチらない(色・状態が安定してから孔へ)。​
  • 注入とボルト挿入は可能な限り連続で行う。​

カートリッジ型ケミカルアンカー樹脂の挿入:アンカー筋と埋込み長さ

カートリッジ型ケミカルアンカー樹脂は、孔に樹脂を充填し、アンカー筋(全ねじボルトや異形鉄筋など)を挿入して隙間を樹脂で満たし、硬化後に固着させる仕組みです。
挿入時は、アンカー筋を手でゆっくり回しながら孔底まで入れ、孔底到達後に反対方向へ2回転させる手順が示されており、これは樹脂の回り込みや気泡抜けを狙った動作として理解すると納得しやすいです。
さらに重要な制限として、丸棒など凹凸のない棒鋼は使用できない(付着・機械的かみ合わせが不足する)旨が明記されているため、資材選定段階で「現場にある棒」を流用しない判断が必要です。
ここは独自視点として、検査・是正が難しい“見えない不良”に触れます。注入不足(必要樹脂量に対して足りない)や、挿入途中で固まり始めた樹脂による“途中止まり”は、外観上はナットが締まりそうに見えるのに、定着が取れていないケースがあり得ます。chemical-setter+1​
対策としては、メーカー資料にある「必要樹脂量」や施工仕様(穿孔径・深さ・埋込み長さ)を先に拾って、現場で“樹脂使用量の目盛り確認”まで作業に組み込むと、見えない不良を確率で潰せます。

箇条書き(現場の止血ポイント)

  • 穿孔径・穿孔深さは仕様どおり(過大孔は樹脂量増、過小孔は挿入不良の原因)。​
  • 埋込み深さはテープ等でマーキングして「迷い」を排除。​
  • 丸棒は使わず、全ねじボルト/異形棒鋼を使う。​

カートリッジ型ケミカルアンカー樹脂の硬化時間:気温と可使時間

硬化時間・可使時間は気温の影響が大きく、施工計画(何本を何分で打つか)に直結します。ユニカの例では、気温-5℃で可使時間40分・硬化時間180分、25℃で可使時間5分・硬化時間30分など、温度で作業可能時間が大きく変わるデータが示されています。
また、メーカーFAQでも、カートリッジタイプは長孔・太物だとボルト挿入前に樹脂が硬化するおそれがあるため、可使時間に注意する旨が述べられています。
硬化養生中はアンカー筋を動かさない、荷重をかけないことも施工要領に明記されており、「硬化時間を守ったつもり」でも途中で触ってしまうと性能が崩れる点が現場事故の種になります。
“意外な落とし穴”として、冬場の低温だけでなく、夏場や直射日光で母材温度が上がった状態も危険です。施工要領には、気温が高い場合は母材温度が高いため可使・硬化時間が早まる場合があると記載されており、日向の躯体で「想定より急に回らなくなる」現象の説明がつきます。

従って、段取りは「打設本数を小分け」「日陰で材料・ガンを待機」「迷いが出る工程(位置確認、マーキング)を注入前に終わらせる」が効きます。

硬化管理の実務メモ

  • 「注入→挿入→規定養生」の流れを、可使時間内に収める。chemical-setter+1​
  • 養生中は注意喚起の表示をして、第三者が触らない状態を作る(現場ルール化)。

    参考)https://www.inoue-s.co.jp/cad_data/00115-IS_sekouyouryouzu.pdf

  • 保管温度の逸脱は硬化挙動のブレ要因なので、保管条件も守る。​

カートリッジ型ケミカルアンカー樹脂の独自視点:低臭・無スチレンと改修現場

改修工事や設備更新では、臭気・換気制限がある環境(商業施設、病院、稼働中の工場など)で施工することが増え、樹脂の選択が工期とクレームリスクを左右します。例えばユニカの施工要領では、GEタイプを「低臭無スチレン」のエポキシアクリレート樹脂として説明し、不燃・臭いが少ない等の特長を挙げています。
また、あと施工アンカー協会(JCAA)は、注入方式(カートリッジ型)はカプセル方式より樹脂注入から埋込みまでの作業が難しく、メーカーにより施工要領が異なる点も含めて、有資格者がメーカー教育を受けて行うことを基本にするという考え方を示しています。
つまり「低臭だから簡単」ではなく、むしろ運用(教育・標準手順・チェックリスト化)を作った会社ほど、低臭タイプのメリットを現場で回収できます。
ここでは、現場導入のための運用例を、無理なく回る範囲で提示します。


  • 標準手順を写真付きで1枚にし、「清掃回数」「捨て打ち量」「注入方法」「養生中禁止」を固定文言化する。​
  • 新人が迷うポイント(ノズル交換、途中中断、可使時間超過)だけを想定したNG事例集を作る。chemical-setter+1​
  • 臭気対策は「樹脂の種類」だけでなく、「廃棄物(ノズル・空容器)管理」「混合して硬化させて廃棄」まで含めてクレームを潰す。​

設計・施工指針(注入方式カートリッジ型の位置づけ、有資格者・メーカー教育の考え方)
https://www.anchor-jcaa.or.jp/research/guidelines.html
メーカー施工要領(清掃サイクル、捨て打ち量、可使時間・硬化時間、保管条件などの具体値)
https://unika-technical.jp/dlsys/data/21_e_GE.pdf




サンコー 旭化成ケミカルMUアンカー(打込み型) 54-865