
建築における「間柱(まばしら)」とは、主要な柱と柱の間に設置される小さな柱のことです。間柱は家全体の構造を支える役割ではなく、主に部屋の内側の壁を支えるための柱として機能しています。木造住宅だけでなく、軽量鉄骨造の賃貸住宅やマンションのリビングとキッチンを分ける壁などにも広く使用されています。
間柱の主な役割は以下の通りです:
間柱の材質は、木材(木質の集成材)が一般的ですが、コの字型をした軽量鉄骨が使われることもあります。マンションのリノベーションで間柱を使った壁を設ける場合、木材なら幅30mm・奥行き40mm、軽量鉄骨製なら幅30~50mm・奥行き40mmが標準的なサイズとなっています。ただし、天井の高さによってこれらのサイズは変わることがあります。
間柱は一定の間隔で配置されることが多く、基本的には一尺(約303mm)ごとに設置されています。そのため、1本の間柱を見つけることができれば、そこから左右に一定の間隔で他の間柱を見つけることが可能です。また、間柱は床から天井まで垂直に伸びているため、1カ所見つければその上下にも間柱があると考えて良いでしょう。
間柱を見つける最も簡単で手軽な方法は、壁をノックして音の違いから判断する方法です。この方法は特別な道具を必要とせず、誰でも簡単に試すことができます。
ノックによる間柱の探し方の手順は以下の通りです:
この方法のコツは、同じ強さでノックし続けることと、音の微妙な違いに耳を澄ませることです。慣れないうちは、明らかに間柱がある場所(例:コンセントの横など)と、明らかに間柱がない場所の音の違いを比較して、音の違いを把握しておくと良いでしょう。
ノックによる方法は手軽である反面、以下のような注意点もあります:
それでも、最初に試すべき方法としては最適で、多くの場合で十分な精度で間柱の位置を特定することができます。
ノックによる方法よりも確実に間柱を見つけたい場合は、専用の道具を使う方法があります。主に「下地センサー」と「下地探し針」の2種類が一般的です。
【下地センサーを使った間柱の探し方】
下地センサー(スタッドファインダーとも呼ばれます)は、壁の内部構造を検知して間柱の位置を特定する電子機器です。使い方は以下の通りです:
下地センサーには様々な種類があり、以下のような特徴があります:
下地センサーを購入する際の注意点として、石膏ボードが2枚重ねになっているような厚い壁にも対応しているかどうかを確認しましょう。一般的な石膏ボードの厚みは12.5mmですが、リフォームで2枚重ねになっていると25mmになり、センサーによっては検知できない場合があります。感知できる深度が2種類から選べるタイプを選ぶと安心です。
【下地探し針を使った間柱の探し方】
下地探し針は、バネ付きの針を壁に刺して間柱の有無を確認する道具です。使い方は以下の通りです:
下地探し針を使う際の注意点として、針を刺した場所には小さな穴が開くため、まずは床の近くなど目立たない位置で試すことをおすすめします。また、壁内の配線や配管を傷つけないよう、コンセントやスイッチの周辺では使用を避けるべきです。
プロの建築業者が実践している意外な間柱の探し方として、「磁石」を使う方法があります。この方法は壁に穴を開けることなく、比較的正確に間柱の位置を特定できる優れた方法です。
磁石を使った間柱の探し方の原理は、石膏ボードが間柱にビスで固定されていることを利用しています。そのビスを磁石で探すことで、間柱の位置を特定するのです。
【磁石を使った間柱の探し方の手順】
この方法の利点は、壁に穴を開けることなく間柱の位置を特定できることです。また、一度一本の間柱を見つけることができれば、そこから他の間柱も見つけやすくなります。
石膏ボードは尺モジュールの場合、幅が91cmで、規定により両端と中央をビスで留めることになっています。そのため、一本のビス留めしているラインを見つければ、その左右45cm前後の位置に隣の間柱があると推測できます。
磁石を使う際のコツとしては、できるだけ強力な小型磁石を使うことと、壁に対して垂直に保ちながらゆっくりと動かすことです。また、磁石が反応した場所が本当にビスなのか確認するために、縦方向に磁石を動かして複数のビスが一直線上に並んでいることを確認するとより確実です。
間柱を探して壁に物を取り付ける際には、いくつかの重要な注意点と安全対策を知っておく必要があります。適切な知識と対策を持つことで、壁の損傷や感電などのリスクを回避できます。
【配線・配管への注意】
間柱の中や周辺には、電気の配線や給排水管が通っていることがあります。これらを傷つけると、感電や漏電、水漏れなどの深刻な問題を引き起こす可能性があります。
【適切なクギ・ネジの選択】
間柱に物を取り付ける際は、適切な長さと太さのクギやネジを選ぶことが重要です。
【間柱が見つからない場合の対処法】
間柱が見つからない場合や、間柱の位置が希望の取り付け位置と合わない場合の対処法としては以下のようなものがあります:
【プロに依頼するタイミング】
以下のような場合は、DIYではなくプロに依頼することを検討しましょう:
安全を最優先に考え、不安がある場合は無理をせず専門家に相談することをおすすめします。
建物の種類や構造によって、間柱の材質や配置が異なるため、それぞれに適した間柱の探し方があります。ここでは、木造住宅、マンション、軽量鉄骨造の賃貸住宅など、建物のタイプ別に効果的な間柱の探し方を解説します。
【木造住宅の場合】
木造住宅では、主に木材の間柱が使われています。一般的な木造軸組工法の場合、間柱の壁側の幅は30~50mm程度で、奥行きは構造を支える柱に合わせたサイズになっています。
木造住宅での間柱の探し方:
木造住宅の特徴として、柱の位置が規則的で、基本的には一尺(約303mm)間隔で配置されていることが多いです。そのため、一本の間柱を見つけることができれば、そこから左右に一定間隔で他の間柱を見つけやすくなります。
【マンションの場合】
鉄筋コンクリート造のマンションでは、住戸と住戸の間(戸境壁)はコンクリート壁ですが、住戸内の間仕切り壁には軽量鉄骨製の間柱が使われていることが多いです。
マンションでの間柱の探し方:
マンションでリノベーションを行った場合、間柱の位置が図面と異なることもあります。そのため、新築時やリフォーム時の施工会社に確認するか、実際に探して確認することが重要です。
【軽量鉄骨造の賃貸住宅の場合】
軽量鉄骨造の賃貸住宅では、コの字型をした軽量鉄骨の間柱が使われていることが多いです。
軽量鉄骨造での間柱の探し方: