間柱の探し方と壁裏の下地を見つける方法

間柱の探し方と壁裏の下地を見つける方法

記事内に広告を含む場合があります。

間柱の探し方と下地センサーの使い方

間柱を見つける3つの方法
👂
ノック音で判断

壁をノックして音の違いで判断する方法。間柱がある部分は「ゴンゴン」と詰まった固い音がします。

🔍
下地センサーを使用

専用のセンサーを壁に沿って動かし、間柱位置を音や光で知らせてくれます。

🧲
磁石でビス位置を特定

石膏ボードを留めているビスを磁石で探し、間柱の位置を特定する方法です。

間柱とは何か?壁の構造における役割

建築における「間柱(まばしら)」とは、主要な柱と柱の間に設置される小さな柱のことです。間柱は家全体の構造を支える役割ではなく、主に部屋の内側の壁を支えるための柱として機能しています。木造住宅だけでなく、軽量鉄骨造の賃貸住宅やマンションのリビングとキッチンを分ける壁などにも広く使用されています。

 

間柱の主な役割は以下の通りです:

  • 壁の強度を保ち、石膏ボードなどの壁材を支える
  • 壁の中に空間を作り、電気配線や給排水管を通すスペースを確保する
  • 壁に棚や家具を取り付ける際の下地として機能する

間柱の材質は、木材(木質の集成材)が一般的ですが、コの字型をした軽量鉄骨が使われることもあります。マンションのリノベーションで間柱を使った壁を設ける場合、木材なら幅30mm・奥行き40mm、軽量鉄骨製なら幅30~50mm・奥行き40mmが標準的なサイズとなっています。ただし、天井の高さによってこれらのサイズは変わることがあります。

 

間柱は一定の間隔で配置されることが多く、基本的には一尺(約303mm)ごとに設置されています。そのため、1本の間柱を見つけることができれば、そこから左右に一定の間隔で他の間柱を見つけることが可能です。また、間柱は床から天井まで垂直に伸びているため、1カ所見つければその上下にも間柱があると考えて良いでしょう。

 

間柱の探し方:ノックによる音の違いを聞き分ける方法

間柱を見つける最も簡単で手軽な方法は、壁をノックして音の違いから判断する方法です。この方法は特別な道具を必要とせず、誰でも簡単に試すことができます。

 

ノックによる間柱の探し方の手順は以下の通りです:

  1. 指の関節や拳を使って壁を軽くノックします
  2. 間柱がない部分をノックすると「コンコン」と軽い音がします
  3. 間柱がある部分をノックすると「ゴンゴン」と詰まった固い音がします
  4. 音の違いを聞き分けながら、壁を横方向に少しずつ移動してノックしていきます
  5. 音が変わる境目を見つけたら、そこが間柱の端である可能性が高いです

この方法のコツは、同じ強さでノックし続けることと、音の微妙な違いに耳を澄ませることです。慣れないうちは、明らかに間柱がある場所(例:コンセントの横など)と、明らかに間柱がない場所の音の違いを比較して、音の違いを把握しておくと良いでしょう。

 

ノックによる方法は手軽である反面、以下のような注意点もあります:

  • 防音材が入っている壁では音の違いが分かりにくい場合があります
  • 二重壁や厚い壁材が使われている場合は判別が難しくなります
  • 経験がないと音の違いを聞き分けるのが難しい場合があります

それでも、最初に試すべき方法としては最適で、多くの場合で十分な精度で間柱の位置を特定することができます。

 

間柱の探し方:下地センサーや下地探し針を使った確実な方法

ノックによる方法よりも確実に間柱を見つけたい場合は、専用の道具を使う方法があります。主に「下地センサー」と「下地探し針」の2種類が一般的です。

 

【下地センサーを使った間柱の探し方】
下地センサー(スタッドファインダーとも呼ばれます)は、壁の内部構造を検知して間柱の位置を特定する電子機器です。使い方は以下の通りです:

  1. センサーの電源を入れ、壁の表面に密着させます
  2. センサーを水平方向にゆっくりとスライドさせます
  3. 間柱を検知すると、音や光で知らせてくれます
  4. 検知した位置に印をつけておきます

下地センサーには様々な種類があり、以下のような特徴があります:

  • 電子式:壁の密度変化を検知するタイプ(最も一般的)
  • 磁気式:壁内の金属(ビスなど)を検知するタイプ
  • 複合式:電子式と磁気式の両方の機能を持つタイプ

下地センサーを購入する際の注意点として、石膏ボードが2枚重ねになっているような厚い壁にも対応しているかどうかを確認しましょう。一般的な石膏ボードの厚みは12.5mmですが、リフォームで2枚重ねになっていると25mmになり、センサーによっては検知できない場合があります。感知できる深度が2種類から選べるタイプを選ぶと安心です。

 

【下地探し針を使った間柱の探し方】
下地探し針は、バネ付きの針を壁に刺して間柱の有無を確認する道具です。使い方は以下の通りです:

  1. 下地探し針を壁に垂直に押し当てます
  2. 間柱がない部分では針が奥まで進み、バネの反発で針が戻ります
  3. 間柱がある部分では針が途中で止まり、手応えがあります
  4. 下地探し針には目盛りがあり、一般的な石膏ボードの厚み(12.5mm)に近い数値で目盛りが止まったら、間柱がある可能性が高いです

下地探し針を使う際の注意点として、針を刺した場所には小さな穴が開くため、まずは床の近くなど目立たない位置で試すことをおすすめします。また、壁内の配線や配管を傷つけないよう、コンセントやスイッチの周辺では使用を避けるべきです。

 

間柱の探し方:磁石を使った意外な方法とビス位置の特定

プロの建築業者が実践している意外な間柱の探し方として、「磁石」を使う方法があります。この方法は壁に穴を開けることなく、比較的正確に間柱の位置を特定できる優れた方法です。

 

磁石を使った間柱の探し方の原理は、石膏ボードが間柱にビスで固定されていることを利用しています。そのビスを磁石で探すことで、間柱の位置を特定するのです。

 

【磁石を使った間柱の探し方の手順】

  1. 強力な小型磁石(ネオジム磁石など)を用意します
  2. 磁石を壁に軽く当て、水平方向にゆっくりと動かしていきます
  3. ビスがある位置で磁石が引き寄せられるのを感じ取ります
  4. 磁石が引き寄せられた位置に印をつけます
  5. 縦方向にも磁石を移動させ、ビスが縦一列に並んでいることを確認します
  6. ビスが縦一列に並んでいれば、そこが間柱の位置です

この方法の利点は、壁に穴を開けることなく間柱の位置を特定できることです。また、一度一本の間柱を見つけることができれば、そこから他の間柱も見つけやすくなります。

 

石膏ボードは尺モジュールの場合、幅が91cmで、規定により両端と中央をビスで留めることになっています。そのため、一本のビス留めしているラインを見つければ、その左右45cm前後の位置に隣の間柱があると推測できます。

 

磁石を使う際のコツとしては、できるだけ強力な小型磁石を使うことと、壁に対して垂直に保ちながらゆっくりと動かすことです。また、磁石が反応した場所が本当にビスなのか確認するために、縦方向に磁石を動かして複数のビスが一直線上に並んでいることを確認するとより確実です。

 

間柱を探す際の注意点と安全対策

間柱を探して壁に物を取り付ける際には、いくつかの重要な注意点と安全対策を知っておく必要があります。適切な知識と対策を持つことで、壁の損傷や感電などのリスクを回避できます。

 

【配線・配管への注意】
間柱の中や周辺には、電気の配線や給排水管が通っていることがあります。これらを傷つけると、感電や漏電、水漏れなどの深刻な問題を引き起こす可能性があります。

 

  • コンセントやスイッチの周辺には配線が集中しているため、その付近での穴あけは避けましょう
  • 水回り(キッチン、バスルーム、洗面所など)の壁には給排水管が通っている可能性が高いので注意が必要です
  • 壁に穴を開ける前に、可能であればコンセントのカバーを外して内部を確認したり、エアコン用の穴から内部を覗いたりして壁の構造を確認することをおすすめします

【適切なクギ・ネジの選択】
間柱に物を取り付ける際は、適切な長さと太さのクギやネジを選ぶことが重要です。

 

  • クギやネジの長さは、石膏ボードの厚み(一般的に12.5mm)に30〜40mmを足した長さが適切です
  • 取り付ける物の重さに応じて、適切な太さと強度のクギやネジを選びましょう
  • 石膏ボード専用のアンカーを使用する場合は、必ず説明書で耐荷重を確認し、それより重い物を取り付けないようにしましょう

【間柱が見つからない場合の対処法】
間柱が見つからない場合や、間柱の位置が希望の取り付け位置と合わない場合の対処法としては以下のようなものがあります:

  1. 石膏ボード用アンカー:間柱がない場所でも使用できる特殊なアンカーがあります。ただし、耐荷重に制限があるため、軽いものの取り付けに限定されます。

     

  2. 補強材の設置:リフォーム時などに、壁の内部に補強材を追加して取り付け強度を高める方法もあります。

     

  3. 別の取り付け方法の検討:突っ張り棒式の棚や、床置き式の家具など、壁に穴を開けない代替方法を検討することも一つの選択肢です。

     

【プロに依頼するタイミング】
以下のような場合は、DIYではなくプロに依頼することを検討しましょう:

  • 重量のある物(大型テレビ、大きな本棚など)を壁に取り付ける場合
  • 壁の構造が複雑で間柱の位置が特定できない場合
  • 配線や配管の位置が不明で、穴あけのリスクが高い場合
  • マンションなど集合住宅で、共用部や躯体に穴を開ける必要がある場合

安全を最優先に考え、不安がある場合は無理をせず専門家に相談することをおすすめします。

 

間柱の探し方:建物の種類別に見る効果的な方法

建物の種類や構造によって、間柱の材質や配置が異なるため、それぞれに適した間柱の探し方があります。ここでは、木造住宅、マンション、軽量鉄骨造の賃貸住宅など、建物のタイプ別に効果的な間柱の探し方を解説します。

 

【木造住宅の場合】
木造住宅では、主に木材の間柱が使われています。一般的な木造軸組工法の場合、間柱の壁側の幅は30~50mm程度で、奥行きは構造を支える柱に合わせたサイズになっています。

 

木造住宅での間柱の探し方:

  • ノックによる方法が比較的効果的です
  • 下地センサーの電子式タイプが適しています
  • 磁石による方法も有効ですが、ビスの位置が見つけにくい場合があります

木造住宅の特徴として、柱の位置が規則的で、基本的には一尺(約303mm)間隔で配置されていることが多いです。そのため、一本の間柱を見つけることができれば、そこから左右に一定間隔で他の間柱を見つけやすくなります。

 

【マンションの場合】
鉄筋コンクリート造のマンションでは、住戸と住戸の間(戸境壁)はコンクリート壁ですが、住戸内の間仕切り壁には軽量鉄骨製の間柱が使われていることが多いです。

 

マンションでの間柱の探し方:

  • 磁気式の下地センサーが特に効果的です(金属製の間柱を検知しやすい)
  • 磁石による方法も非常に有効です
  • ノックによる方法は、二重壁や防音材が入っている場合は効果が限定的です

マンションでリノベーションを行った場合、間柱の位置が図面と異なることもあります。そのため、新築時やリフォーム時の施工会社に確認するか、実際に探して確認することが重要です。

 

【軽量鉄骨造の賃貸住宅の場合】
軽量鉄骨造の賃貸住宅では、コの字型をした軽量鉄骨の間柱が使われていることが多いです。

 

軽量鉄骨造での間柱の探し方:

  • 磁気式の下地センサーが最も効果的です
  • 磁石による方法も非常に有効です
  • ノックによる方法は効果