
生コン車の寸法は、現場への搬入計画を立てる上で最も重要な基礎データです。以下に主要な車両サイズ別の詳細寸法をまとめました。
小型車(2~4トン)の寸法
中型車(5~8トン)の寸法
大型車(10~11トン)の寸法
これらの寸法データは、メーカーや車種により若干の差があるため、実際の搬入計画では具体的な車両の詳細仕様を確認することが重要です。
生コン車の搬入可能性を判断する際、車両の外形寸法だけでなく、旋回時に必要な所要道路幅の検討が不可欠です。
所要道路幅の基準値
旋回軌跡と安全余裕
10トン車の場合、最小回転半径は約6.7mで、90度旋回時の所要道路幅は約4,920mmとなります。ただし、車両が安全に通過するためには、400mm以上の余裕値を考慮する必要があります。
実際の現場では、曲がり角の形状や道路幅の組み合わせにより通行可能性が変わるため、各車両の旋回軌跡図を入手して正確な検討を行うことが推奨されます。
効率的な生コン車の運用には、現場レイアウトと車両特性を考慮した配置計画が重要です1617。
現場アクセス路の検討事項
荷卸し作業スペースの確保
生コン車は荷卸し時にシュートを伸長するため、車両後方に追加のスペースが必要です。メインシュートの長さは車種により異なり、4トン車で約1,321mm、7~8トン車で約1,474mmとなります。
複数台作業時の配慮
大規模現場では複数台の生コン車が同時に作業することがあり、車両同士の干渉や待機スペースの確保が重要な検討事項となります。
生コンクリートの必要量と現場条件に応じた適切な車両選定により、工事効率と経済性の両立が可能です。
少量打設時の車両選定
住宅基礎や小規模構造物では、2~4トン車が適用されます。2トン車は一般的なセダン並みの寸法で、狭小地でも比較的容易にアクセス可能です。積載容量は0.8~1.6m³で、基礎工事やちょっとした補修工事に最適です。
中規模工事での選定基準
中規模建築物では5~8トン車が主力となります。積載容量2.1~3.2m³により効率的な運搬が可能で、住宅地内の比較的狭い道路でも搬入可能な寸法です。
大規模工事での大型車活用
大型建築物や土木工事では10~11トン車が選択されます。1回あたり4.0~5.0m³の大容量により運搬効率が向上しますが、搬入路の制約を十分に検討する必要があります。
生コンの配合による重量変動
生コンクリートは配合により1m³あたりの重量が変動するため、最大積載量との関係で実際の積載容量が決まります。一般的な配合では1m³あたり約2.3~2.4トンの重量となります。
生コン車の運用には、道路交通法をはじめとする各種法規制への適合と、現場での安全対策が不可欠です。
車両法規制への対応
2006年1月施行の車両灯火器規制により、すべての生コン車は新基準への対応が必要となりました。また、車両の幅員制限により、4トン車は約2.3mが法定最大幅となっています。
特殊車両通行許可の必要性
大型の生コン車は特殊車両に該当する場合があり、事前の通行許可申請が必要なケースがあります。特に11トン車クラスでは、総重量や寸法の制限値を超える可能性が高くなります。
現場安全管理の重要ポイント
保険・責任体制の整備
生コン車は重量物を扱う特殊車両のため、適切な保険加入と責任体制の明確化が重要です。現場での事故や機材損傷に対する補償体制を事前に整備することで、リスク管理の徹底を図ることができます。
生コン打設工事における車両選定と搬入計画は、工事の成否を左右する重要な要素です。本記事で紹介した寸法データと搬入条件を参考に、現場に最適な生コン車の選定と効率的な運用計画の策定にお役立てください。
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