日影図 書き方 手書き 真北 測定面高

日影図 書き方 手書き 真北 測定面高

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日影図 書き方 手書き

日影図の手書き作図を失敗しない全体像
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真北・測定面高を先に確定

日影図は「方位」と「受影面」がズレると全てが崩れます。真北と測定面高(1.5m/4.0m/6.5mなど)を最初に固定します。

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倍率×高さで影の長さを作る

冬至・真太陽時の「倍率」を使い、建物高さから時刻ごとの影の長さを作図します。方位角で影の向きを決めます。

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時刻日影→等時間日影へ

時刻日影線だけでは適合判定ができないため、交点を拾って等時間日影線へ整理し、5m/10mラインとの関係で確認します。

日影図の書き方 手書きで必要な時刻日影と等時間日影

日影図の基本は、冬至日における「各時刻の影形状」を描く時刻日影図(時刻日影線)です。時刻日影図は、一般に8時〜16時(または9時〜15時)の範囲で30分または1時間おきに影を作図します。これは「その時刻に影がどんな形で落ちるか」を確認する図面で、影倍率や方向(方位角)の妥当性チェックに向きます。
一方、実務で適合判定の主役になるのは等時間日影図(等時間線)です。等時間日影図は、日影時間が等しい点を結んだ線で、日影規制に適合しているか(5m/10mの測定線内側に収まるか)を確認するための図として説明されています。つまり「時刻日影を丁寧に描く」だけでは目的達成にならず、最終的に等時間日影として読める形にまとめる意識が重要です。


手書きで取り組む場合は、時刻日影→等時間日影の変換に“交点を拾う”発想を入れるとブレにくいです。資料では、例として「3h等時間線は8:00の時刻日影と11:00の時刻日影の交点が通過点になる」と整理されており、交点を連ねることで等時間線の形が見えてきます。CADの自動作図がない状況ほど、この“交点ルール”が作業を救います。


参考:時刻日影と等時間日影の定義・使い分け(判定に等時間日影が必要)
https://www.pivot.co.jp/post/regulation-shadowline.html

日影図の書き方 手書きで押さえる真北と方位角

手書き日影図の事故原因として多いのが、真北が曖昧なまま「北っぽい方向」を基準に描いてしまうことです。日影計算の手引書でも、日影規制算定に必要な条件として真北が明示され、設定時の注意として「現在算定中の方位が真北か?」が挙げられています。配置図に北矢印があっても、それが真北とは限らない点が実務上の落とし穴になります。
方位角は「真北からの角度」として扱い、時刻ごとに影が伸びる方向を決めます。手引書では主要都市の時刻別の方位角表が示され、時刻日影作成で使う前提が説明されています。また、同資料には「方位角および倍率は、計算ソフトが存在しないときに手書きで作図するための値として用いられていた」と明記されており、まさに“手書き前提の道具”だった経緯が読み取れます。


独自の作業コツとしては、作図の前に「真北の線を赤鉛筆で太く一本だけ」引き、以後その線以外は真北として扱わないルールにすることです。線が増えるほど、現場では人が“それっぽい線”を真北として誤認します。さらに、方位角を分度器で都度測るより、主要時刻(例:9時・12時・15時)の放射線だけ先に薄く引き、そこへ影長を載せていくほうが、作業が速く、線の一貫性も保ちやすくなります。


参考:方位角=真北からの角度、手書き作図のための値(倍率・方位角の考え方)
https://www.epcot.co.jp/pdf/hikageguide.pdf

日影図の書き方 手書きの測定面高と平均地盤面

日影図で“同じ建物なのに結果が変わる”最大の理由は、測定面高(受影面)の設定違いです。手引書では測定面高として、平均地盤面から1.5m(1階窓面相当)、4.0m(2階窓面相当)、6.5m(3階窓面相当)が例示され、規制時間を判断するレベルだと説明されています。つまり、日影図は「地面に落ちる影」ではなく、「決められた高さの面に落ちる影」を扱うことが本質です。
手書きの場合、ここを誤ると修正が非常に重いので、最初に“作図メモ欄”を用意して固定情報を明文化するのが有効です。メモに最低限入れるべきは、(1)測定面高(1.5m/4.0m/6.5m等)、(2)平均地盤面の取り方(どの図面を根拠にしたか)、(3)対象時間帯(8-16 or 9-15)です。これらは後から第三者がチェックする際の説明責任にも直結します。


意外と知られていない点として、測定面高の考え方は「設計者の都合で自由に選ぶ」ものではなく、用途地域や規制条件とのセットで運用される前提が資料側にあります。さらに手引書には、無規制地域でも北側に規制地域がある場合、そちら側の5m/10mラインが効くケースが示されており、測定線・測定面高以前に“敷地の周辺条件調査”が欠かせないことが分かります。


参考:測定面高(受影面)の定義、敷地外の日影規制の注意点
https://www.epcot.co.jp/pdf/hikageguide.pdf

日影図の書き方 手書きの倍率と影の長さ

手書き日影図の計算核はシンプルで、「影の長さ=建物高さ×倍率」です。手引書では時刻別に倍率表が用意され、影の長さの考え方として「建物高さ×倍率」と明記されています。ここでいう建物高さは、測定面高が地面より上にある場合、その分を差し引いた“有効高さ”で考える必要が出ます(例:平均地盤面からの建物高さ−測定面高)。
倍率の使い方で現場が混乱しやすいのは、「どの高さを採用するか」が建物の形状で変わるためです。陸屋根の単純形状なら最高高さを一本で扱いやすいですが、片流れ・勾配屋根・塔屋などがあると、影の輪郭は単純な相似形になりません。手書きで厳密にやるほど工数が跳ねるため、まずは“規制に効く外周(最も影を延ばす稜線)”を特定し、そこを優先して時刻日影を作るのが現実的です(チェック段階で必要なら詳細化)。


あまり語られない実務テクとして、倍率表をそのまま手計算すると転記ミスが起きるので、作図前に「よく使う時刻(例:8,9,10,11,12,13,14,15,16)」の倍率を電卓で“影長(1mあたり)”に変換して一覧化しておくと安定します。例えば、H=1mあたり影長が何mかを先に書いておけば、H=12.4mでも掛け算だけで済み、途中計算が減ります。手書き作図は“計算を減らす設計”が品質を上げます。


参考:倍率表と「建物高さ×倍率」の基本式、手書き前提の説明
https://www.epcot.co.jp/pdf/hikageguide.pdf

日影図の書き方 手書きの独自視点:交点と島日影のチェック

検索上位の多くは「描き方手順」中心ですが、現場で怖いのは“図としては描けているのに、判定の読みが甘い”状態です。建築ピボットの解説では、複雑な形状(ツインタワー等)では等時間線の外側に周囲より長時間日影となる部分、いわゆる「島日影」が発生することがあると注意されています。手書きで島日影まで追い込むのは難易度が上がりますが、「起こり得る」と知っているだけでチェック観点が変わります。
手書きでの現実解は、等時間線を“きれいな一筆書きの曲線”として決め打ちしないことです。時刻日影の交点を拾っていくと、点が局所的に飛び出す(島のタネになる)場合があります。そうした点が出たら、(1)形状が複雑な部位(セットバック、突出、塔屋、2棟配置)を疑う、(2)時刻間隔を1時間→30分に細かくして追加で時刻日影を描き、交点密度を上げる、という手順が有効です(線を“推測”で結ぶ割合を下げられる)。


もう一つの独自視点として、等時間線の誤差はゼロにならない前提で運用される点も重要です。ピボットの説明では、単純形状を除き等時間線作成に精算法がなく、位置や時間に誤差が含まれるとされています。だからこそ、手書きの現場では「余裕のないギリギリ設計」を日影図の読みだけで押し切らず、要所は追加検討(別手法での確認)に回す判断が、結果的に手戻りを減らします。


参考:等時間日影線の意味、島日影の注意、等時間線には誤差がある前提
https://www.pivot.co.jp/post/regulation-shadowline.html