セットバック費用から助成金・測量・工事費の相場まで

セットバック費用から助成金・測量・工事費の相場まで

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セットバック費用相場と内訳

セットバック費用の主な項目
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測量費用

境界確定測量や現況測量で10万~65万円程度が必要

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工事・撤去費用

既存構造物の撤去や舗装工事で20万~70万円程度が発生

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分筆登記費用

土地家屋調査士への依頼と登録免許税で10万~20万円程度

セットバック費用の総額相場

セットバックにかかる費用は、道路に面する土地の広さや工事の規模によって変動しますが、一般的に40万~130万円程度が相場となります。隣地との境界が既に確定している場合は、現況測量のみで済むため20万~30万円程度に抑えられる可能性があります。
参考)https://akiya-pass.jp/column/no-reconstruction/setback-fee/

費用が大きく変動する要因として、既存の塀や擁壁の撤去が必要な場合は、標準的な工事費用の1.5倍から2倍程度になることがあります。また、道路に面する部分の長さが10mを超える場合や、古い擁壁や排水設備の移設が必要な場合は、相場よりも高額になる傾向があります。
参考)https://inakalife.co.jp/3165/

セットバック工事の費用は基本的に土地所有者の自己負担となりますが、地域社会への貢献という性質から、自治体によっては補助金や助成金制度が設けられています。正確な費用を把握するためには、専門家による現地調査と複数の業者からの見積もりを取得することが推奨されます。
参考)https://kaitai-mado.jp/housing/kaitai-settobakkunohiyouhaikurahitsuyounatochimenseki/

セットバック測量費用の詳細

測量費用は、境界が確定しているかどうかで大きく変わります。境界確定測量は隣接する土地との境界を正確に確定させるもので、隣地所有者の立ち合いや官公庁での図面確認が必要となり、25万~65万円程度かかります。一方、既に境界が確定している場合は現況測量のみで済むため、費用は10万~30万円程度に抑えられます。
参考)https://kashi-pro.com/setback-cost/

境界確定測量には、土地家屋調査士による現地測量、隣接地所有者との立ち合い、境界標の設置、測量図の作成といった工程が含まれます。特に古い土地や境界が不明確な場合は、隣地所有者との協議に時間がかかることもあり、測量期間が長引くケースもあります。
参考)https://m-line.tokyo/column/2654/

測量後は、道路用地と宅地を分けるための分筆測量も必要になる場合があります。これにより、セットバック部分を明確に区分し、将来的な固定資産税の減免申請や自治体への寄付がスムーズに行えるようになります。
参考)https://tsukuru-ai.co.jp/innovation/subdivision-lot-setback

セットバック工事・撤去費用の内訳

工事費用の中で最も大きな割合を占めるのが、既存構造物の撤去と舗装工事です。撤去対象となるのは、門、塀、擁壁、樹木、生け垣などで、これらの撤去費用は構造物の種類や規模によって20万~70万円程度と幅があります。​
舗装工事費は1平方メートルあたり5,000円~15,000円程度が相場で、アスファルト舗装は比較的安価ですが、コンクリート舗装や化粧舗装を選択すると費用は高くなります。重機を使用する場合は、搬入運搬費用なども加算されるため注意が必要です。​
擁壁の撤去や新設が必要な場合は、工事費用が大幅に増加します。特に高低差が1m以上ある土地では、擁壁の築造費用だけで数十万円から数百万円かかることもあります。また、上下水道管の移設工事が必要な場合も、状況により数十万円から数百万円の追加費用が発生する可能性があります。
参考)https://taniguchi-office.net/sub/takken-support/2025/02/10/%E9%81%93%E8%B7%AF%E6%93%81%E5%A3%81%E3%81%AE%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E5%B7%A5%E4%BA%8B%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%81%AE%E8%AA%AC%E6%98%8E%E7%BE%A9%E5%8B%99/

セットバック分筆登記費用

分筆登記は、セットバック部分を道路用地として明確に区分するために必要な手続きで、土地家屋調査士への報酬と登録免許税を含めて10万~20万円程度が相場です。100平方メートル程度の土地であれば、この範囲内で収まることが多いですが、土地の形状が複雑な場合や面積が大きい場合は費用が増加します。
参考)https://sora-ie.jp/identify/set-back/

分筆登記を行うことで、セットバック部分の固定資産税を非課税にすることができます。また、自治体に土地を寄付する際にも、分筆されていることが条件となる場合が多いため、将来的な維持管理費用の削減につながります。
参考)https://www.ie-miru.jp/articles/418

分筆登記の手続きには、測量図の作成、登記申請書類の作成、法務局への申請といった工程があり、通常1~2ヶ月程度の期間を要します。登記が完了すると、登記簿上で道路用地と宅地が明確に区別されるため、不動産取引の際にもトラブルを避けることができます。​

セットバック費用を抑える補助金・助成金制度

多くの自治体では、セットバック工事に対する助成金や補助金制度を設けています。例えば千葉県千葉市では、後退用地内の柱・門扉・塀・擁壁の撤去、樹木・生垣の移植、公共汚水桝等の移設にかかる費用の1/2(上限100万円)、擁壁の築造には上限150万円の助成が受けられます。
参考)https://outlet-estate.biz/column/358/

助成金の対象となる項目は自治体によって異なりますが、一般的に測量費用、撤去費用、舗装費用、分筆登記費用などが含まれます。四日市市や名古屋市、長浜市など、多くの市町村で独自の助成制度を実施しており、予算の範囲内で交付されるため、早めの申請が推奨されます。
参考)https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1620701586769/simple/seibihojokinpamphlet.pdf

助成金の申請は工事前に必要な場合が多く、工事完了後では申請できないケースもあるため注意が必要です。申請手続きには、現地調査、事前協議書の提出、見積書の添付などが必要となります。管轄の自治体の建築課や都市計画課に事前に問い合わせ、申請条件や必要書類を確認しておくことが重要です。
参考)https://www.nishi.or.jp/kotsu/kotsu/doro/tetsuzuki/kyoaidoro.html

セットバック費用の見積もり時の注意点と建築業従事者向けアドバイス

建築業従事者として顧客にセットバック費用を説明する際は、土地の個別状況を詳細に確認することが不可欠です。まず現地調査で道路幅員、境界の確定状況、既存構造物の種類と規模、高低差の有無を把握し、複数の専門業者から見積もりを取得することが推奨されます。​
見積もりには隠れたコストが含まれていない場合があります。例えば、地中埋設物の撤去、想定外の擁壁補強、電柱や水道管の移設などが工事中に判明することがあり、当初見積もりから20~30%増加するケースも珍しくありません。そのため、予備費として見積もり総額の15~20%程度を確保しておくことをアドバイスすべきです。​
顧客への説明では、助成金制度の活用を必ず提案しましょう。申請手続きのサポートも業務範囲に含めることで、顧客満足度が向上します。また、セットバック部分の固定資産税非課税措置についても説明し、長期的な費用対効果を示すことで、工事への理解を得やすくなります。工事スケジュールについても、建築確認申請とセットバック工事の時期を調整し、全体工期への影響を最小限に抑える計画を立てることが重要です。​
セットバック費用の詳細な内訳と相場について - 空き家パス
費用項目別の詳細な相場と計算方法が掲載されており、見積もり作成の参考になります。

 

狭あい道路整備補助金パンフレット - 四日市市
具体的な助成金制度の内容と申請手続きの流れが確認できる公的資料です。