
ノルトロックワッシャーの規格サイズは材質によって異なります。最も一般的な鉄製では、M3から最大M130までという広範囲なサイズ展開を実現しています。
標準的なサイズ展開。
この豊富なサイズバリエーションにより、小さな精密機器から大型建設機械まで、様々な用途に対応可能です。建築業では特にM8からM24の中間サイズが多用されており、構造物の接合部分で重要な役割を果たしています。
各サイズには対応するボルトサイズが明確に設定されており、例えばNL16はM16ボルト用、内径17.0mm、外径25.4mmという具体的な寸法規格が定められています。これにより、設計段階から適切な製品を選定することができます。
ノルトロックワッシャーの材質規格は、使用環境に応じて3つの主要タイプに分類されます。
鉄製ワッシャー(標準タイプ)
ステンレスワッシャー
254SMO®ワッシャー(高耐食性)
建築現場では、屋外使用や湿潤環境を考慮してステンレス材質が選ばれることが多く、特に海岸部や化学工場近辺では254SMO®の選択が推奨されています。
ノルトロックワッシャーの寸法規格は、内径(ID)、外径(OD)、厚さ(T)の3つの基本寸法で構成されています。
標準的な寸法例(ステンレス製)
これらの寸法は、ドイツ工業規格DIN65151に準拠しており、国際的な互換性が確保されています。また、座繰り穴に使用する場合はDIN974規格の座繰り穴径との適合性も重要な選定基準となります。
幅広タイプ(SPタイプ)
標準外径よりも大きな外径を持つSPタイプも用意されており、長穴や軟質材料との組み合わせ時に使用されます。例えばM3.5spでは外径が9.0mmと、標準の7.6mmより大きく設計されています。
ノルトロックワッシャーの規格選定には、ボルトの強度区分との適合性が重要な要素となります。
強度区分別対応
建築業で一般的に使用される高強度ボルト(強度区分10.9や12.9)に対して、鉄製ノルトロックワッシャーが最も適しています。これは、ワッシャー自体の硬度がボルトの座面硬度よりも高く設定されているためです。
使用制限と注意点
規格上、以下の条件では使用できません。
これらの制限は、ウェッジロッキング機構の原理に基づく技術的制約であり、規格選定時の重要な判断基準となります。
ノルトロックワッシャーの規格には、独自の品質保証システムが組み込まれています。この分野では世界初となる「製品生涯保証」が付与されており、最初の取り付けから取り外しまでの全期間において品質が保証されています。
トレーサビリティシステム
全ての製品には製造ロットごとにコントロール番号が付与され、以下の情報が追跡可能です。
このコントロール番号は、製品本体とパッケージの両方にレーザーマークで印字されており、現場での真正性確認が可能です。建築業では、構造物の長期保証要求に対応するため、このトレーサビリティが重要視されています。
認証試験と規格適合
ノルトロックワッシャーは、ドイツ工業規格DIN65151に準拠したユンカー振動試験により性能が実証されています。この試験は現在世界で最もシビアな耐振動性試験とされ、客観的な数値による軸力損失測定が行われます。
建築現場での使用では、地震や風荷重による振動に対する耐性が求められるため、この認証は製品選定の重要な根拠となっています。初期なじみによる僅かな軸力低下後は、確実に軸力を保持し続けることが試験で証明されています。