pseマーク モバイルバッテリー 発火と安全対策

pseマーク モバイルバッテリー 発火と安全対策

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pseマーク モバイルバッテリー 発火の原因と対策

この記事で分かること
発火事故の実態

2023年に過去最多167件を記録したリチウムイオン電池火災の統計データと増加傾向

PSEマークの重要性

2019年2月から義務化された安全基準と、マークがない製品の危険性

🛡️
建築現場での安全管理

工事現場特有のリスクと、事故を防ぐための具体的な対策方法

pseマーク モバイルバッテリー 発火事故の統計データ

モバイルバッテリーを含むリチウムイオン電池搭載製品による火災は深刻な増加傾向を示しています。東京消防庁が公表している統計データによると、2023年には過去最多の167件が発生し、2024年は6月末時点で既に107件と前年同期比35.4%の大幅な増加を記録しています。このペースで推移すると、2024年の年間火災件数は214件に達する見込みとなっており、社会全体での対策強化が急務となっています。
参考)モバイルバッテリーが発火したメーカーから学ぶ正しい製品選択術…

製品別の出火件数を見ると、モバイルバッテリーが44件で最多を占めており、全体の約26%に相当します。この数字は単体製品としての火災リスクの高さを明確に示しています。スマートフォンの17件(10.2%)、電動アシスト付自転車の14件(8.4%)と比較しても、モバイルバッテリーの危険性は突出しています。​
出火要因の分析では、使用者の明らかな誤使用(分解、衝撃、充電方法誤り等)により出火する火災の他に、製品の欠陥により製品から突然出火する火災も発生しています。建築事業者の現場では、粉塵や振動、高温環境などの厳しい条件下でモバイルバッテリーを使用するケースが多く、一般的な使用環境よりもリスクが高まる可能性があります。
参考)リチウムイオン電池搭載製品の出火危険

pseマーク モバイルバッテリー 劣化による電解質の酸化

モバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池は、使用を重ねるうちに徐々に劣化していきます。この劣化過程で最も危険なのが、電解質の酸化によるガスの発生です。電解質が酸化すると、バッテリー内部でガスが発生し、これによりバッテリーが膨張を始めます。
参考)モバイルバッテリーは発火する?安全に使うための予防法と対応方…

膨張したバッテリーは内部圧力が高まっており、この状態で外部から衝撃が加わると発火や爆発の原因となる可能性があります。特にバッテリーが膨らんでいる状態で使用を続けることは非常に危険です。膨張は劣化の明確なサインであり、この段階で使用を中止することが重要です。
参考)https://www.elecom.co.jp/pickup/mobile_battery/basic09.html

建築現場では工具の落下や資材の衝突などで、モバイルバッテリーに物理的な衝撃が加わるリスクが高くなります。充電スピードの遅延や異常な発熱、バッテリー部分の膨張など、バッテリーの劣化を感じたら、直ちに使用を中止し新しい製品に交換する必要があります。リチウムイオン電池の劣化がモバイルバッテリーの発火事故の原因のひとつと言えるでしょう。
参考)モバイルバッテリーの発火事故が起きる理由とは?危険なNG行為…

pseマーク モバイルバッテリー 安全装置の不備によるリスク

モバイルバッテリーは精密機械であり、品質の低い部品が使われている安価なモバイルバッテリーでは、何が原因でトラブルになっても不思議ではありません。特に重要なのが、電気を送る部分に配置された安全装置です。この安全装置は、スマートフォンへの充電中にモバイルバッテリーが発熱した場合、給電スピードを落として温度を制御する装置です。​
安価なモバイルバッテリーは、その安全装置がきちんと機能しないケースや、最悪の場合、安全装置そのものがついていない可能性があります。バッテリー保護ICは、基本機能として過充電保護、過放電保護、過電流保護機能をもっていて、外付けFETをON/OFFして充電/放電電流を制御できるICです。
参考)リチウムイオン電池保護ICとは? href="https://www.ablic.com/jp/semicon/products/power-management-ic/lithium-ion-battery-protection-ic/intro/" target="_blank">https://www.ablic.com/jp/semicon/products/power-management-ic/lithium-ion-battery-protection-ic/intro/amp;#8211; エイブリッ…

悪質なバッテリーの中には、基準を満たしていないにもかかわらず、安全基準を満たしていることを示すPSEマークを表示していることがあるので注意が必要です。過充電保護はバッテリーが設定電圧以上にならないようにすることで、過充電時にバッテリー内部で化学反応が過剰に進行し、内部圧力が上昇するのを防ぎます。正極板と負極板が何らかの理由で電気的につながることを内部ショートと呼び、異常発熱・発火につながります。
参考)https://www.nite.go.jp/data/000135089.pdf

pseマーク モバイルバッテリー 義務化の背景と基準

2019年2月1日より、モバイルバッテリーにPSEマークの表示が義務付けされました。経済産業省は2018年2月1日に「電気用品の範囲等の解釈について(通達)」を改正し、今後ポータブルリチウムイオン蓄電池(いわゆるモバイルバッテリー)を電気用品安全法に基づく規制対象と扱うこととしました。
参考)https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/topics.html

従来、リチウムイオン蓄電池が組み込まれたポータブルリチウムイオン蓄電池については、規制対象外として運用していましたが、近年、事故が増加傾向にあることを踏まえ、これに対応するため電気用品安全法に基づき政令で指定されている電気用品(リチウムイオン蓄電池)に含まれることを明確化し、規制対象としました。事業者の準備期間として1年の経過措置期間が設けられていましたが、2019年2月1日よりPSEマークの表示が義務化され、このマークのないモバイルバッテリーは一切販売できなくなりました。
参考)モバイルバッテリーに新たに表示が義務づけられた「PSEマーク…

モバイルバッテリーは電気用品安全法の対象製品に該当し、この法律は製品が安全に使用できることを保証するために設けられたものです。PSEマークのないモバイルバッテリーを販売することは違法であり、そのような製品を購入・使用すると、火災や爆発のリスクが高まります。実際に、PSEマークのない低品質のモバイルバッテリーが原因で、発火事故が報告されることがあります。
参考)モバイルバッテリーのPSEマークとは?安全基準と確認方法を解…

建築現場におけるpseマーク モバイルバッテリーの選定方法

建築現場では、電源の取り回しに伴うさまざまな安全リスクを解消するため、ポータブル蓄電池やモバイルバッテリーの活用が進んでいます。分電盤や発電機から引き込まれた延長コードは、通路や作業エリアにおいて転倒事故の原因となるだけでなく、資材や機材の運搬を妨げたり、コードへの接触による破損のリスクもあります。
参考)大容量ポータブル蓄電池が建設現場で喜ばれる秘密 ~安全性・効…

建築現場で使用するモバイルバッテリーを選定する際は、まずPSEマークが付いているモバイルバッテリーであることを確認する必要があります。PSEマークが付いている製品は、国が定めた厳しい安全基準をクリアしていることを意味し、発火や爆発、過熱などの危険性を大幅に低減できます。
参考)モバイルバッテリーのPSEマークとは?安全に使用する方法やよ…

容量が大きければ、複数の機器を同時に充電できるため、作業効率も上がります。また、定格出力の大きさが使用する機材や電動工具の消費電力を下回ると使用できないため、現場で使用する工具の消費電力を事前に確認することが重要です。大容量の業務用ポータブル電源であれば、照明を長時間使ったり、ドリルなどのパワフルな工具も利用できたり、作業の際に活躍するでしょう。
参考)工事用ポータブルバッテリーなら「デルタプロ」がおすすめ!工事…

近年はフリマアプリやネット通販で、PSEマークなしの安価なモバイルバッテリーが出回っているケースもあります。特に注意が必要なのは、海外からの並行輸入品やノーブランド製品です。価格の安さにつられて買ってしまうと、最悪の場合、火災事故や怪我につながる可能性もあるので要注意です。
参考)PSEマークとは?モバイルバッテリーでよく聞く安全認証をやさ…

建築現場でのpseマーク モバイルバッテリー保管と管理

建築現場でモバイルバッテリーを安全に使用するためには、適切な保管と管理が不可欠です。リチウムイオン電池の保管時の安全対策として、直射日光を避け、温度管理された場所(理想的には10〜25℃)での保管が推奨されます。また、湿気や水濡れを防止できる環境の確保、可燃物との隔離保管も重要です。
参考)リチウムイオン電池の適正処理:安全性と法令順守のためのポイン…

建築現場は粉塵や振動、高温環境などの厳しい条件下にあるため、モバイルバッテリーの保管場所を慎重に選ぶ必要があります。現場事務所や資材置き場などの比較的環境が安定した場所に専用の保管スペースを設け、他の資材や工具とは分けて保管することが望ましいです。
参考)可搬型バッテリーを活用したGX建設機械の運用実証実験を実施

廃棄物担当者による電池搭載機器の特定と分別の徹底、リチウムイオン電池マークの確認習慣化、社内での適正処理ルールの明確化と教育が事故防止のための具体策となります。社内のリチウムイオン電池使用機器の棚卸しを行い、処分予定のものをリスト化し、社内での保管方法・場所を見直し、安全対策を強化することが重要です。​
経済産業省が公開しているリチウムイオン電池使用製品による発火事故の注意喚起資料では、PSEマークの確認方法や安全な使用方法について詳しく解説されています。
東京消防庁のリチウムイオン電池搭載製品の出火危険に関するページでは、実際の事故事例や予防策が紹介されており、現場管理者の方にとって参考になる情報が掲載されています。