
日野プロフィアに搭載されているSYNCスイッチは、シンクロモードスイッチとも呼ばれる重要な安全装備です 。このスイッチの「SYNC」とは「synchronize(シンクロナイズ)」の略称で、複数のシステムを同期させる機能を持っています 。
参考)新型プロフィア乗りの初心者です。このスイッチの使い方を教えて…
プロフィアにおけるSYNCスイッチの最も重要な役割は、排気ブレーキとフットブレーキを連動させることです 。この連動システムにより、通常の制動力よりもさらに強力な制動効果を得ることができ、特に重い荷物を積載した状態や長い下り坂での安全運転に大きく貢献します 。
参考)新型プロフィア トラクターヘッド 最速試乗レポート!
また、トレーラーを連結している場合には、SYNCスイッチによってトレーラーブレーキとも連動し、より安定した制動システムを構築することができます 。これにより、運転者は複雑な操作を覚える必要がなく、一つのスイッチで統合的なブレーキシステムを活用できるのです。
プロフィアの排気ブレーキは、エンジンの排気管に設置されたフラップやバタフライバルブを制御することで作動します 。通常の排気ブレーキは、アクセルペダルから足を離した際に自動的に作動し、エンジンブレーキの効果を大幅に向上させる仕組みです 。
参考)排気ブレーキの仕組み・使い方・修理方法【トラック補助ブレーキ…
SYNCスイッチを作動させると、この排気ブレーキとフットブレーキが協調して動作するようになります 。具体的には、フットブレーキを踏んだ際に排気ブレーキも同時に作動し、より短い制動距離と安定した減速を実現します 。この連動システムは特に、急な下り坂や高速走行からの減速時に威力を発揮します。
参考)https://websvr157-205-208-176.alpha-prm.jp/reports/04/
一部のプロフィアには永久磁石式リターダーが装備されており、このリターダーもSYNCスイッチと連動して作動します 。リターダーは排気ブレーキと合わせることで、エンジンブレーキの約40%も減速時間を短縮し、制動距離を30%以上短縮する効果があります 。
参考)永久磁石式リターダ
プロフィアの運転席には、操作性を重視した設計のスイッチ操作パネルが配置されています 。SYNCスイッチは、運転時に頻繁に使用される主要なスイッチとして、ドライバーが直感的に操作できる位置に配置されています 。
参考)快適性能
パネル上でSYNCスイッチは明確に「SYNC」と表示されており、夜間でも視認しやすいよう照明付きのスイッチとして設計されています 。このスイッチを押すことでON/OFFの切り替えが可能で、作動時には表示灯が点灯してドライバーに状態を知らせます 。
参考)SYNCモードの使いかた
プロフィアの操作パネルは、運転時と停車時の操作シーンを考慮したゾーン配置により、ドライバーのストレスや疲労を軽減する設計となっています 。SYNCスイッチもこの設計思想に基づき、安全運転をサポートする重要な装備として最適な位置に配置されているのです。
参考)プロフィアの内装は上質なプロの仕事場!乗り心地の魅力もご紹介…
SYNCスイッチの活用により、プロフィアドライバーは従来の単体ブレーキシステムと比較して、格段に向上した制動性能を得ることができます 。特に重量物輸送や山間部での運行において、この機能は事故防止に大きく貢献しています。
強力な制動力により、高速走行時の制動距離を大幅に短縮できるだけでなく、フットブレーキの使用頻度を約半分に削減することができます 。これにより、ブレーキライニングの過熱を防ぎ、緊急時にもフルブレーキで確実に対応できる安心感を提供します 。
また、SYNCスイッチによる制動は、強力でありながらもソフトに効くため、積荷の荷崩れを防ぐ効果もあります 。建築業において重機や資材を輸送する際には、この機能により荷物の安全性と作業効率の両立を実現できます。下り坂での定常走行も可能となり、ドライバーの疲労軽減に大きく役立っています 。
建築業界でプロフィアを活用する際、SYNCスイッチは現場作業の効率性と安全性を大幅に向上させる重要な装備です。建設現場への重機輸送や資材運搬において、このシステムの恩恵は特に顕著に現れます。
建築現場は山間部や起伏の激しい地域に位置することが多く、急勾配の道路を頻繁に通行します 。このような環境でSYNCスイッチを活用することで、5%程度の下り坂であれば一定速度での走行が可能となり、運転者の負担を大幅に軽減します 。
参考)トラックのリターダーとは?補助ブレーキとの違いや操作方法を解…
さらに、建築資材は形状が不規則で重心が高いものも多いため、急ブレーキによる荷崩れのリスクが常に存在します。SYNCスイッチによる段階的で安定した制動により、高価な建材や精密機器の損傷を防ぐことができ、現場での作業遅延や追加コストの発生を回避できます 。また、プロフィアに搭載された先進の安全システムと組み合わせることで、建築業界特有の作業環境でも安全かつ効率的な輸送を実現しています 。
参考)安全性能