

ロータンクの「水が止まらない」は、大きく分けて2系統です。ひとつは便器側へ水が抜け続けてタンク水位が上がらず、結果として給水が止まらない系(排水側の不具合)です。もうひとつは給水自体が止まらず、水位が上がってオーバーフロー管へ逃げ続ける系(給水側の不具合)です。
まず観察するポイントは、(1)便器内へチョロチョロ流れ続けるか、(2)タンク内で「シュー」という給水音が続くか、(3)タンク水位が高い/低いのどちらに寄っているか、の3点です。タンク水位が低いのに給水が終わらない場合は、フロートバルブ(ゴム部品)や鎖の引っ掛かりで排水口が完全に閉じていない可能性が高いです(鎖・フロートバルブの点検が基本)。
参考)https://jp.toto.com/support/repair/toilet/floatvalve/
一方で、水位が高すぎて溢れ方向へ流れているなら、ボールタップ系(給水装置)側の不具合を疑います。メーカー情報でも「タンク内の水位は正常、レバーハンドルにも問題がないのに水が止まらない」場合、ボールタップのバルブ(またはタイプによってダイヤフラム)交換が案内されています。
参考)https://jp.toto.com/support/repair/toilet/replaceballtap/
DIYでいちばん大事なのは「先に水を止めて、安全に観察できる状態を作る」ことです。止水栓を閉めればトイレだけ止められますが、固着して回しにくい止水栓を無理に回すと配管や止水栓自体の破損リスクがあるため、無理なら元栓を閉める判断が安全です。
止水栓はドライバーで回すタイプが多く、右に回すと止水という説明が一般的です。作業前に温水便座のプラグを抜く注意もあり、漏水と電気が重なる事故を避ける基本動作になります。
応急処置としては、(1)止水(または元栓)、(2)タンクふたを割らないように外す、(3)チェーン絡みやフロートバルブのズレを目視、(4)水位が高すぎないか確認、までが「すぐできて、やり直しが効く」範囲です。ここで陶器を落とすと修理どころではなくなるので、ふたは両手で水平に持ち上げ、置き場を先に確保してから触るのが無難です(陶器は欠けやすい)。
TOTOのロータンク修理で失敗が多いのが「部品の型違い」です。対策はシンプルで、先にTOTOマーク/品番ラベル位置を確認して、便器とタンクの“どちらの品番”を見ているかを整理します。
TOTO公式の案内では、便器側面の下側に便器のTOTOマーク/品番ラベルがあり、タンクは正面または側面にTOTOマーク、品番ラベルはタンク正面に表示とされています。また品番の先頭文字の目安として、腰掛便器は「C」、陶器製タンクは「S」、樹脂製タンク系では「TCF」または「CES」などが示されています(「#」から始まる表示は色番で品番ではない)。
部品購入前にやることは、次の3つです。
部品検索の入口を間違えると「似ているが合わない」パターンに落ちます。特にロータンク内の部品は見た目が近くても適合が異なることがあるため、品番控え→適合確認→購入の順が結局いちばん速いです。
便器内へ水がチョロチョロ流れ続ける症状は、フロートバルブ(排水口の弁)側が疑わしい典型です。TOTOの案内でも「タンク内の水位は正常、レバーハンドルにも問題がないのに水が止まらない」場合、まずフロートバルブの鎖と本体をチェックし、摩耗していれば交換するとされています。
チェックは「外さずに直る」ケースから入るのがコツです。鎖がどこかに引っ掛かって弁が完全に閉じないだけなら、位置を直すだけで止まることがあると案内されています(この段階で直れば部品交換は不要)。
交換が必要な場合、TOTO側は機種によってフロートバルブ形状が一般型と異なることがあり、その場合はパッキン交換になるなど分岐がある点も注意ポイントです。つまり「フロートバルブを買えば必ず直る」ではなく、機種の排水弁構造に合わせて交換対象が変わります。
参考:フロートバルブ/パッキン交換の考え方(TOTO公式の修理手順)
フロートバルブの鎖・本体・パッキンの点検と交換手順(機種別の分岐がある)
検索上位はフロートバルブ交換の話が多い一方で、「給水音が止まらない」「水位が高い」側のトラブルは、ボールタップ内部のゴム部品(ダイヤフラム等)の劣化が原因になることがあります。実務的には“本体まるごと交換”より“内部ゴムだけ交換”のほうが低コストで済む場合がある、という視点が重要です(ただし対応可否は機種差があります)。
TOTOの公式案内でも「ボールタップのバルブを交換」「使用タイプによってダイヤフラム交換」とされ、作業にはマイナスドライバー、モンキーレンチ、ラジオペンチが挙げられています。さらにシートパッキンの上下向き(径の大きい方をピストンバルブにはめ込む等)といった“向きミスで再発する系”の注意が明記されており、DIYでは写真を撮ってから外すのが安全策です。
独自視点として、DIYでの再発原因は「部品そのもの」より「止水栓の開きすぎ(水圧過多)」「砂・テープ片などのゴミ噛み」「鎖のわずかな干渉」といった“微妙な条件”が多い点です。新築・リフォーム直後に止まりにくい場合は異物混入や水圧調整が原因になり得る、という整理もあり、部品交換前に止水栓を少し絞って挙動が変わるかを見るのは有効です。
参考:ボールタップ(バルブ/ダイヤフラム)交換の基本(TOTO公式の修理手順)
ボールタップの部品(バルブ等)交換手順と工具・注意点

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