

単水栓の交換は「本体を外す→ネジ部を整える→新しい本体を取り付ける」というシンプルな流れですが、工具と準備の差で難易度が大きく変わります。特に古い単水栓は固着していることが多く、素手で外せない前提で段取りを組む方が安全です。固着を無理にこじると、給水管や壁側のねじ山を傷めて、DIYの範囲を超える修理になることがあります。
最低限そろえたい工具・部材は次の通りです(家庭にあるもので代用できるものも含む)。
工具類として、モンキーレンチやウォーターポンププライヤーなどが蛇口交換の代表的な道具として挙げられています。工具の用途を理解しておくと、作業中に「どこを持てばいいか」「どこを回せばいいか」で迷いません。
作業前の準備で重要なのは「止水」と「残圧抜き」です。家全体の元栓を閉めてから蛇口を開け、圧が抜けて水が止まったことを確認すると、作業中の噴き出し事故を避けられます。止水栓がある場所なら止水栓でも止められますが、経年劣化で固着して回らない・閉めたら今度は開かないなどのリスクがあるため、確実性を優先するなら元栓の方が安全という考え方も紹介されています。
また、床や壁の養生も軽視しないでください。蛇口を外す瞬間に給水管の中に残っていた水がじわっと出て、壁紙や木部にしみるケースがあるからです。タオルを巻きつけて受けを作っておくだけで、掃除と復旧が格段に楽になります。
単水栓の交換手順は、DIY記事でも概ね共通しており、順番を崩さないことが最大のコツです。特に「先に外してから止水する」などの順番ミスは、ほぼ確実にトラブルを呼びます。ここでは壁付の単水栓(横水栓など)を想定し、迷いにくい形に手順を整理します。
単水栓交換の流れとして「元栓を閉める→交換→通水確認」までの一連が整理されている例もあり、初めての人はこの型に沿うのが近道です。特に通水確認は、目視だけでなく「ティッシュを当てる」「乾いた指でなぞる」など、微小漏れも拾える方法で行うと後悔が減ります。漏れは最初の数分では出ず、圧がかかってしばらくしてからにじむこともあるため、作業後に5〜10分置いて再確認するのも実務的です。
注意点として、締めすぎは意外と危険です。ネジ込み式の単水栓は、シールテープで微小な隙間を埋めて止水する発想なので、「力で潰して止める」方向に振ると、ねじ山を傷めたり、壁内の配管に余計なねじれ応力を与えたりします。最後の増し締めは、必要最小限に留めるのが安全側です。
単水栓交換の成否は、かなりの割合でシールテープに左右されます。水が漏れる原因がシールテープの劣化・巻き直し不足だと説明されている解説もあり、「交換したのに漏れる」場合はまずここを疑うのが定石です。逆に言えば、ここさえ丁寧にやればDIYの成功率が上がります。
基本ルールは次の3つです。
メーカー系の解説では、シールテープなしで何回転入るか数えた上で、時計回りに6〜7回巻き、先に数えた回転数より「1回転少なく」締め込む、といった具体的な手順が提示されています。これは、無理に奥まで回して戻す(逆回転させる)とテープが緩んで漏れやすくなるためです。別の解説でも「反対に回すとシールテープがゆるみ、水漏れの原因」と明確に注意されており、方向管理が重要だと分かります。
シールテープの「回数」については、情報源によって幅があります。例えば「時計回りに8〜13回を目安」という説明もあれば、5〜6周という説明もあります。ここは配管の状態(ねじ山の摩耗、メス側の傷、テープ厚)で必要量が変わるため、「回数の暗記」よりも「締め込み感」と「漏れ確認」で最終判断するのが現実的です。
あまり知られていない失敗パターンとして、テープを巻きすぎて「ねじ込みが浅いまま硬くなって止まる」現象があります。ねじ込みが浅いと、接触面積が足りず、逆に漏れやすくなります。硬くなって止まった時点でさらに力をかけるのではなく、いったん外してテープ量を減らし、適正に入る状態を作る方が安全です。
参考:単水栓本体交換の手順と、シールテープの巻き方(回数・回転数の数え方)が具体的
SANEI公式:単水栓 本体の交換(壁面からの水もれ)/シールテープの巻き方
単水栓の交換で地味に多いのが「買ってきた蛇口が付かない」問題です。水栓本体側のデザインや吐水の形ばかり見て、壁側(給水管側)とのネジ規格やサイズ確認を飛ばすと、ここで詰まります。特に屋外や古い住宅では、一般的な規格と違うネジが混ざっていることがあります。
代表的に出てくるのが G1/2(呼13)と W26山20 です。ネジ規格の解説では、屋外用蛇口(ガーデン水栓)について G1/2、G3/4 などの対応表が示され、W26山20 も別枠として扱われています。W26山20 は「約26mm」「20山(細かいネジ山)」など特徴が整理されているため、ノギス等で外径を測ると見当をつけやすいです。
DIYでの現実的な確認方法は、次の3段階です。
また、規格が合わない場合でも「変換アダプター」で救えるケースがあります。例えば、W26山20 を G1/2 に変換するパイプアダプターのような製品が流通しており、「ネジを変換することで取付けできる幅が広がる」と説明されています。つまり、蛇口本体の交換だけでなく、周辺部材の組み合わせで解決できることがあるため、現場を見て即断で諦めないのもポイントです。
参考:ネジ規格(G1/2、W26山20など)と外径目安の一覧が見られる
水生活製作所:蛇口のネジ径や水栓の型番を確認する方法
検索上位でも「固くて外れない」対処はよく出ますが、ここでは一歩踏み込んで「壊さないための力の掛け方」を独自視点として整理します。単水栓が固いとき、ただ力任せに回すと、壁の中の配管をねじってしまうリスクがあります。DIYで怖いのは、蛇口本体を壊すことより、壁内配管や継手を傷めて被害を拡大させることです。
まず基本の対処として、固着部に潤滑剤を使う、モンキーレンチやパイプレンチで緩める、テコを利用する、軽く叩いて衝撃を与える、といった方法が紹介されています。ただし、過度な力をかけると配管や蛇口を傷める可能性があるとも注意されており、ここが重要です。つまり「回せる道具」より「回して良い力」を設計する必要があります。
壊さないための実務的コツは次の通りです。
さらに意外と効くのが、「外す前に締め込み方向へほんの少しだけ動かす」テクニックです。固着は片方向に噛み込んでいる場合があり、わずかな“遊び”を作ると緩み方向に動きやすくなることがあります。もちろん、やりすぎると余計に固着したり配管に負担をかけたりするため、「1〜2mm動いたら止める」レベルの慎重さが前提です。
それでも動かない場合は、DIYの撤退ラインを決めます。壁内配管を傷めると復旧費が跳ね上がるので、レンチで明らかに本体が変形しそう、壁がミシミシ鳴る、回すたびに壁内で何かが動く感触がある、といった兆候があれば中止が妥当です。固い場合の一般的対処として潤滑剤やレンチ使用が挙げられている一方で、無理は禁物という注意もあるため、限界を見極めるのがDIY成功の一部です。
参考:固着時の基本対処(潤滑剤、レンチ、テコ、軽い打撃)が整理されている
クリーンライフ:単水栓の交換が固い時の対処法と手順