

建築現場でまず押さえておきたいのが、ダイソーの「穴あきラジオペンチ」の仕様だ。穴あきラジオペンチは全長約16cmで、原産国は中国、本体にカーボンスチール、グリップに塩化ビニル樹脂が使用されている。
ダイソーの商品説明では「切る・つかむ・むく」に対応し、コードなどの皮むきや簡易圧着用の穴・凹凸が付いている点が特徴とされている。
切断能力としては、軟線で直径約1.6mm、銅線で直径約2.0mmまでと明記されており、これは一般的な家庭用電気コードや弱電配線レベルには十分な余裕があるスペックだ。建築の設備・内装周りで扱うことが多いVVFやIV線の細めのサイズであれば、補助的な切断・整線には使える範囲といえる。
参考)穴あきラジオペンチ
- 100均 通販 ダイソーネットストア…
ただし、鉄線やステンレス線などの硬い材料には対応と書かれていないため、番線やメッシュワイヤー、結束用ステンレス線の本切断には、専用のニッパやペンチを用意しておいた方が刃こぼれのリスクを抑えられる。
同じくダイソーのラジオペンチには、釣り用として設計されたステンレス製のモデルもあり、こちらはサビにくい点と、先端のスプリットリングオープナーが特徴となっている。
参考)【500円】ダイソーの釣り用ラジオペンチを買ってみた件【サビ…
重量は約126gとそれなりにあり、グリップにナイフなどを内蔵しないシンプルな構造と比べるとやや重めだが、その分しっかりした剛性感があり、フックをつかんだり軽い曲げ加工を行う程度なら強度的にも十分と評価されている。
屋外作業が多い建築従事者にとって、ステンレス製ラジオペンチの「サビにくさ」は無視できないポイントだ。ダイソーの釣り用ラジオペンチはステンレス製で、海釣りを想定した設計になっており、一般的な炭素鋼ペンチと比べて錆びにくいとのレビューがある。
塩分を含む環境を想定しているため、雨ざらしや湿気の多い現場に持ち出しても、日常的に拭き取りと軽い防錆スプレーを行っていればサビの進行はかなり抑えられるという声も見られる。
ただし、ステンレスは「絶対に錆びない」わけではなく、粉じんやセメントスラリー、鉄粉が付着したまま放置すると“もらいサビ”を起こすことがある。釣り用ラジオペンチのレビューでも、使用後の水洗いと拭き取りを怠ると、ヒンジ部や刃の隙間から腐食が出始めるという指摘が見られ、建築現場でも同様のリスクを想定しておく必要がある。monita+1
一方で、グリップが樹脂カバーになっているモデルは、電気関係の軽作業にも向いており、洗面所の排水溝内の金網の取り外しや設備周りの細かい部品の挿入・取り出しなど、室内でのメンテナンス作業でも活躍したとのレビューが報告されている。
参考)ラジオペンチのおすすめ人気ランキング17選【最強をご紹介!】…
ステンレス製ラジオペンチは硬度面ではプロ用の炭素工具鋼製ほど高くない場合が多く、刃の耐久性は「サビにくさ」とトレードオフになっているケースもある。そのため、針金・鉄線の切断をルーチンでこなす用途より、つかむ・曲げる・挟む作業を中心としたサブ工具として使うと、寿命を延ばしつつ“サビないメリット”を活かしやすい。
サビにくいラジオペンチ(材質やレビュー)について詳しい解説とユーザー評価がまとまっている参考ページ。
ラジオペンチのおすすめ人気ランキングとレビュー(monita.online)
ダイソーのラジオペンチを現場で使うなら、JIS規格ラジオペンチとの違いを理解しておくと安全管理がしやすくなる。JIS B4631では、ラジオペンチを主に電子機器などの組立に用いる工具として規定し、刃部の硬さや切れ味試験、変形試験、衝撃試験、ねじり試験といった厳しい品質基準を設けている。
材料も炭素工具鋼SK7や機械構造用炭素鋼S55Cなど、一定以上の品質が要求され、熱処理後の刃部硬さはロックウェルCスケールで54~62程度とされている点からも、プロ用としての耐久性が重視されていることが分かる。
JISマークが入ったラジオペンチは、一定以上の切断性能と変形に対する耐性が確認されているため、針金を繰り返し切断しても刃こぼれや先端の開きが起こりにくいとされる。一方、非JISの廉価工具では、硬い針金を切った瞬間に刃に穴が開いたり、先端が広がってしまう不良品も存在するため、信頼性が必要な場面には向かない。
参考)http://www.okanokiki.co.jp/gijutsu/kougu/14.htm
建築現場で構造に関わる部材を扱う場合や、電気・通信工事で何百本も芯線を処理するようなケースでは、JISマーク付きのラジオペンチやニッパをメインとし、ダイソー製は補助的な場面や軽作業に割り切って使う方がトラブルを避けやすい。
ラジオペンチの基本的な用途としては、銅線や針金を切断・曲げ加工したり、小さな部品を挿入・取り出しする作業が挙げられ、ペンチより狭い箇所の作業に強いことが特徴となる。
また、JISでは本来150mmが標準寸法だが、125mm・175mm・200mmなどのバリエーションも存在し、先端が曲がったタイプや先細タイプ、刃部に丸穴を設けたタイプ、バネ内蔵で開きやすくしたタイプなど、用途に応じた形状が用意されている。tsunochoku+1
JIS規格ラジオペンチの種類・寸法や品質要求、試験項目が詳しく記載されている技術資料。
建築・設備の現場でダイソーのラジオペンチが役立つのは、「軽作業・仮対応・屋内メンテ」のシーンが中心になる。例えば、天井裏配線の仮固定、器具プレートの取り付け時に落としたビスの回収、設備機器周りでの薄板金具の曲げ調整など、細かいつかみ作業が続く場面では、安価なラジオペンチでも十分に仕事をこなしてくれる。
また、穴あきラジオペンチの簡易圧着機能を使えば、弱電系の細いコードの被覆むきや小型端子の仮圧着もこなせるため、「とりあえず一本腰道具に入れておく」用途にはコストパフォーマンスが高いと言える。
一方で、構造金物の縛り線や足場周りの番線、太めのアース線など、力のかかる線材の本切断や本締めには、JIS規格のペンチ・ニッパや、専用のウォーターポンププライヤーなどを使うべきだ。非JISのラジオペンチで無理に切断作業を続けると、刃が変形したり、最悪の場合折損して飛散し、目や顔に当たるリスクもある。benri-tankyu-lab+1
現場での安全衛生や品質管理を考えるなら、「100均工具の使用範囲」を社内ルールやKY資料に落とし込み、特に新人や応援の職人に対して「ここまでがOK、ここからはNG」というラインを共有しておくと、ヒューマンエラーを減らしやすい。
ダイソーのラジオペンチは、ホームセンターのエントリーモデルと比べても、つかむ・曲げる・切るを一通りこなせる万能選手として紹介されることが多いが、やはり「何でもこれ一本」で片付けようとすると無理が出る。hochi+1
実用的な使い分けとしては、ダイソー製を「軽作業・雑作業・屋内メンテ用」、JIS規格品やプロ用を「本締め・本切断・構造や安全に関わる場所用」と役割分担し、工具箱の中でポジションを明確にしておくと、結果的に工具の寿命と作業品質の両方を守りやすい。
ホームセンター品と100均ペンチ・ラジオペンチの性能差や簡易圧着機能付きモデルのレビューがまとまっている記事。
文章だけでは伝わりにくいのが、ラジオペンチの「開き具合」や「バネの硬さ」「先端精度」といった感触面の情報だ。ダイソーのラジオペンチや先細ペンチを扱った動画では、開きがやや硬い個体があることや、先端長さが約5.5cm程度で細く伸びているため、狭いスペースでのピンポイント作業に向いているといった具体的な印象が語られている。
グリップ長さが約7cm前後のモデルでは、指をしっかり掛けられるため保持性は悪くない一方、手が小さい人には全開時にやや開きすぎる感覚があり、実際の作業では「工具を持ち替える頻度を減らす」ことを意識して選定することが重要となる。
建築現場向けの独自活用術としては、ダイソーの先細ラジオペンチを「回収専用工具」と割り切る使い方がある。例えば、壁内や床下で落としたナット・ビス、天井裏で引っかかった配線保護キャップなど、通常のペンチでは届きにくい対象物の“救出用ツール”として腰袋に一本忍ばせておくイメージだ。tsunochoku+1
さらに、穴あきラジオペンチの丸穴部を利用して、結束バンドの余りを短く切りそろえたり、細い銅パイプやボルトの頭を軽くつかんで位置決めするなど、「本締めはしないが“仮押さえ”には便利」という使い方を現場標準として取り入れると、安価な工具でも十分な費用対効果が得られる。
ラジオペンチの形状バリエーション(JIS形状・先細・先曲がりなど)と用途の違いを、写真付きで分かりやすく解説しているコラム。