シートジョイント用シール材と施工と防水と下地

シートジョイント用シール材と施工と防水と下地

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シートジョイント用シール材と施工

シートジョイント用シール材の要点
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継目は「材料×手順」で決まる

シール材の性能だけでなく、下地清掃・割り付け・圧着・養生の順守が水密の再現性を左右します。

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重ね幅と端部は仕様で守る

シート防水では重ね幅や三枚重ね部の処理など、標準仕様に沿った「逃げない納まり」が重要です。

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温度と水濡れは最大の敵

低温や急な温度変化、水濡れは硬化不良・膨れ・接着不良の原因になりやすく、養生条件の管理が必須です。

シートジョイント用シール材の種類と防水の相性


シートジョイント用シール材と一口に言っても、現場で担う役割は大きく分けて「継目の一次止水」「端部の仕上げシール」「三枚重ね部など段差の充填」の3つに分けて考えると整理しやすいです。
特に合成高分子系ルーフィングシート防水の世界では、接合部は熱風融着・溶剤溶着など“接合”が主役で、シール材は端部や重ね部の補助材料として使われる位置づけが明確です。実際、塩化ビニル樹脂系シートや熱可塑性エラストマー系シートでは、重ね合わせて融着・溶着したうえで「端部を液状シール材でシールする」とされます。
一方で、加硫ゴム系や非加硫ゴム系では「接着剤による接合」が基本になり、接合部にテープ状シール材を挿入する運用が示されることがあります。さらに、3枚重ね部に不定形シール材を充填して水密性を高める、という扱いもポイントです。
つまり、シートジョイント用シール材は“それ単体で止める魔法の材料”ではなく、シート種別の接合方式(融着/溶着/接着)に合わせて、端部・段差・弱点部を補完する材料として最適化するのが王道です。
防水の設計・施工で迷いやすいのが、同じ「シール材」という言葉でも、メーカー施工要領の“床シートの継目止水”のように継目へ流し込み(例:継目部にシール材を流し込み圧着)を前提にした製品も存在する点です。水を大量に使う場所向けの工法では、継目処理材としてジョイントシートと組み合わせ、継目へ材料を流し込み、さらに溝切り+溶接棒で処理する手順が組まれています。継目の思想(止水をシール材に寄せるのか、接合に寄せるのか)が違うので、ここを混同すると不具合の原因になりやすいです。


シートジョイント用シール材の施工手順と下地清掃

シートジョイント用シール材を活かす前提条件は、下地とシートの「密着」を成立させることです。メーカーの施工要領でも最初に出てくるのは下地の清掃で、砂・塵埃の除去が明記されています。粉塵が残ると、接着剤やシール材の界面が“粉の層”になってしまい、見た目は付いていても荷重・熱・水で簡単に剥がれる弱い層ができがちです。
割り付けは、継目部を少なくする、端部に小さなシートを入れない、という基本が効きます。継目が増えるほどジョイント管理点が増え、養生・圧着・端部処理のミス確率も上がるからです。さらに端部では、側溝端部から5mm以上、壁際は3mm程度の隙間を空ける目安が示されています。ここをゼロにすると、端部処理材やシール材が入る「逃げ」や「仕上げ代」がなくなり、施工者の手癖で薄塗りになったり、ムラが出てピンホールが生まれたりします。


仮敷きでは、方向性のあるシートは同一方向に揃える、巻きグセを取る、シワを作らない、継目は突き付けで隙間を作らない、といった当たり前のようで難しい項目が並びます。特にジョイント部は“突き付け+圧着”の基本を守り、後工程(継目の流し込み・溝切り・溶接・端部シール)に無理が出ない状態を作ります。


接着剤工程は、オープンタイムと張り付け可能時間の管理が核です。オープンタイムが短いとガス膨れが生じ、逆に取り過ぎて乾きすぎると接着力が低下する、と具体的に注意喚起されています。ここは「貼れるから貼る」ではなく、温度・吸水性・塗布量で挙動が変わる前提で、現場の段取り(塗る面積、職人数、ローラー圧着の手順)を合わせ込む必要があります。


シートジョイント用シール材の継目と重ね幅と端部処理

“継目は弱点”というのは現場感覚として共有されていますが、仕様書・技術資料としても、重ね幅、三枚重ね部、端部の扱いが細かく決められています。合成高分子ルーフィング工業会系の技術資料では、加硫ゴム系は100mm以上重ね、必要に応じて接合部にテープ状シール材を挿入、三枚重ね部には不定形シール材を充填、という考え方が示されています。塩化ビニル樹脂系では40mm以上重ね、溶剤溶着または熱融着を行い、端部を液状シール材でシールする、と整理されています。
公共建築の標準仕様書系(改修工事標準仕様書等)でも、種別に応じた重ね幅(例:100mm以上/40mm以上など)や、三枚重ね部で不定形シール材を充填する、接合端部を液状シール材でシールする、といった要点が明記されています。つまり、シートジョイント用シール材の“出番”は、端部・段差・局所の弱点部で、仕様に沿って必要量を入れて水密を完成させるところにあります。


端部処理では、見た目の美観だけでなく、気泡を巻き込まない塗布、充填直後のヘラ仕上げ、マスキングのタイミングなどが重要です。施工要領の中には、伸縮目地上にシールを打設するとひび割れが発生する恐れがあるので目地を露出させる、という注意もあります。ここは“意外と見落とされる”ポイントで、止水したい心理で目地を跨いで塞ぎたくなりますが、動くところを固めて割れる典型パターンになりやすいです。


参考(公共建築の仕様で、重ね幅・三枚重ね部の不定形シール材・端部の液状シール材などの根拠)。
国土交通省PDF(公共建築改修工事標準仕様書):重ね幅、三枚重ね部の不定形シール材、端部の液状シール材など

シートジョイント用シール材の養生と温度と硬化不良

シートジョイント用シール材で多いトラブルは、実は「材料の選定ミス」より「養生条件の逸脱」です。施工要領でも、使用前保管・施工時・養生時に、気温・下地が5℃以下にならないこと、急激な温度変化がないこと、水濡れがないこと、が条件として整理されています。5℃以下では硬化しない(硬化反応が進まない)と明言されているため、冬期や夜間の冷え込み、換気不足で結露する環境は要注意です。
養生期間も“触らない・踏まない”が基本で、特に継目にシール材を使用する場合は注意するよう記載があります。硬化前に踏むと、見た目の傷だけでなく、継目内部で微細な剥離や空隙が生まれ、後から水が回る起点になります。さらに硬化前の重量物運搬やキャスターによる「しごき」を避ける注意もあり、現場では次工程の職種(設備・家具・電気)が早く入りがちなので、工程調整が品質に直結します。


換気に関する記述も重要です。屋内で使用する場合、換気を行い、引き渡しまでに数日期間を設ける等の配慮が必要とされています。溶剤・反応系材料では臭気だけでなく、硬化過程や表面状態にも影響することがあるため、“乾けば終わり”ではなく、硬化が安定するまでの環境を確保します。


シートジョイント用シール材の独自視点:継目を減らす割り付け設計と検査

検索上位で語られがちな「このシール材が良い」「この施工が正解」という話より、実務で効くのは“継目を減らす設計”と“検査ポイントの固定化”です。施工要領にも「できるだけ継目部を少なく、端部に小さなシートが入らないように割り付け」とありますが、これを現場任せにせず、納まり検討の段階でジョイント位置を管理すると品質が安定します。例えば、出入口や動線上に継目が来ると、養生中に踏まれるリスクが上がり、硬化不良・微細剥離の起点になりやすいです。
“意外な盲点”は、ジョイント部の圧着が作業者ごとにばらつく点です。ローラーの当て方(回数・方向・力)を決めずに「押さえたつもり」で進むと、後から端部シールだけが頑張る状態になり、熱伸縮や水圧で開きやすくなります。対策として、継目・端部・入隅出隅・三枚重ね部を検査チェックシート化し、写真記録の最低項目を固定します(例:継目突き付け状況、圧着状況、端部のマスキング、ヘラ仕上げ直後、養生表示)。材料の銘柄に依存せず品質を上げる方法なので、チーム施工でも強いです。


最後に、伸縮目地の扱いは“止水より耐久”で判断します。仕様でも伸縮目地上のシール打設がひび割れリスクになる旨が示されており、動く目地は露出させる、または別途の目地納まりで逃がす、という考え方が合理的です。継目をシール材で塞ぐ発想から一歩進め、動く部分は動かし、止水すべき部分を確実に止める設計・施工にすることで、補修頻度の低い現場に近づきます。




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