省エネ基準適合住宅の住宅ローン控除区分を完全解説

省エネ基準適合住宅の住宅ローン控除区分を完全解説

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省エネ基準適合住宅の住宅ローン控除と区分の全知識

省エネ基準を満たしていても、区分を間違えると顧客が控除を100万円以上取り損なうことがあります。


📋 この記事の3ポイント要約
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区分は4段階に分かれている

住宅ローン控除の対象住宅は「長期優良住宅・低炭素住宅」「ZEH水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」「その他の住宅(2024年以降の新築は対象外)」の4区分。借入限度額が最大2,000万円以上異なる。

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BELSは住宅ローン控除に直接使えない

補助金申請で取得したBELS評価書は、住宅ローン控除の確定申告に使えない。別途「住宅省エネルギー性能証明書」または「建設住宅性能評価書」が必要。

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2029年入居からはZEH水準が最低要件に

令和8年度税制改正大綱により、2029年(令和11年)入居からは例外を除きZEH水準以上が新築での住宅ローン控除の要件となる見通し。省エネ基準適合住宅は対象外になる可能性がある。


省エネ基準適合住宅の住宅ローン控除における4つの区分とは


住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンの年末残高に一律0.7%の控除率をかけた金額を、最大13年間にわたって所得税から差し引ける制度です。2022年度の税制改正を境に、この控除の枠組みが大きく変わりました。


重要なのは「住宅の性能区分」によって借入限度額が変わるという点です。


現行制度では、住宅は大きく4つの区分に整理されています。最上位の「長期優良住宅・低炭素住宅」、その次の「ZEH水準省エネ住宅」、そして「省エネ基準適合住宅」、最後に「その他の住宅」という順序です。つまり、省エネ基準適合住宅は下から2番目の区分に位置しています。


それぞれの区分に対応する借入限度額(2024〜2025年入居・新築の場合)を下表で確認してください。

































住宅区分 一般世帯 子育て・若者夫婦世帯 控除期間
長期優良住宅・低炭素住宅 4,500万円 5,000万円 13年
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円 4,500万円 13年
省エネ基準適合住宅 3,000万円 4,000万円 13年
その他の住宅(2023年末以前確認分のみ) 2,000万円 10年


区分が1段違うだけで、借入限度額が500万円〜1,000万円変わります。


たとえば一般世帯が省エネ基準適合住宅(限度額3,000万円)ではなく長期優良住宅(限度額4,500万円)を選んだ場合、差額1,500万円に0.7%をかけると年間10.5万円の控除差が生まれます。13年間では136.5万円もの差になります。建築業に携わる立場で、この区分を正確に把握していないと、顧客への説明が不完全になりかねません。これは使えそうです。


各区分の性能要件についても確認しておきましょう。「省エネ基準適合住宅」は、断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上が条件です。「ZEH水準省エネ住宅」は断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上と、ひとつ上のハードルが設けられています。「長期優良住宅・低炭素住宅」はZEH水準と同レベルの省エネ性能に加え、耐久性・維持管理のしやすさなど総合的な基準をクリアした住宅です。


参考:国土交通省による住宅ローン減税の区分・借入限度額の公式情報
住宅ローン減税 - 国土交通省


省エネ基準適合住宅で必要な証明書と「BELSではNG」の落とし穴

建築業に従事していると、補助金申請のためにBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価書を取得する場面は多いはずです。しかし、注意が必要なポイントがあります。


BELSはNG、が基本です。


BELS評価書はあくまで設計段階の省エネ性能を評価・表示する書類であり、住宅ローン控除の確定申告には直接使えません。税務署へ提出するためには、別途「住宅省エネルギー性能証明書」または「建設住宅性能評価書(断熱等級・一次エネ等級の評価が記載されたもの)」が必要です。


なぜ違うのでしょうか? BELS評価は設計図書をもとにした計算上の評価が主体ですが、住宅省エネルギー性能証明書は「実際に施工された住宅が設計どおりの性能で建てられたか」を建築士等が確認した上で発行するものです。国税の還付に関わる書類であるため、施工確認という実務的なプロセスが必須とされています。


住宅省エネルギー性能証明書を発行できるのは、登録建築士事務所に属する建築士、登録住宅性能評価機関、指定確認検査機関などに限られます。費用の目安は戸建住宅で3万〜7万円程度、発行までに2〜4週間かかるのが一般的です。ただし、BELS評価書と工事監理報告書が揃っている場合は、追加1〜3万円程度で発行が可能なケースもあります。


また、「設計住宅性能評価書」も使えません。住宅性能表示制度を活用する場合は、必ず「建設住宅性能評価書(竣工後に発行されるもの)」が必要です。つまり「設計」ではなく「建設」の評価書が条件です。


実際の確認申告時に必要な書類の全体像を把握しておきましょう。



  • 📌 省エネ性能の証明書:住宅省エネルギー性能証明書 または 建設住宅性能評価書(等級要件あり)のいずれか1つ

  • 📌 確定申告書

  • 📌 住宅借入金等特別控除額の計算明細書

  • 📌 住民票の写し

  • 📌 登記事項証明書(家屋のもの)

  • 📌 金融機関からの年末残高証明書

  • 📌 売買契約書または工事請負契約書の写し


証明書の準備は早めが原則です。特に確定申告の時期(2〜3月)は発行依頼が集中して混雑します。入居後すぐに担当建築士や評価機関へ証明書の発行を依頼しておくのが、顧客への安心なサービスにつながります。


参考:BELS評価書が住宅ローン控除に使えない理由や証明書の選択肢について詳細に解説
BELS評価書は住宅ローン控除に使えない?必要な証明書と取得方法


省エネ基準適合住宅の区分と子育て世帯・若者夫婦世帯への特例

2024〜2025年入居の住宅ローン控除においては、「子育て世帯・若者夫婦世帯」に対して借入限度額が一般世帯よりも高く設定されています。これは建築業の営業現場でも説明が求められる重要な知識です。


子育て等世帯が条件です。具体的には次の2種類の世帯が該当します。



  • 👶 子育て世帯:入居年の12月31日時点で、19歳未満の扶養親族がいる世帯

  • 💑 若者夫婦世帯:夫婦のいずれかが40歳未満の世帯(配偶者が亡くなった場合はその時点で判定)


この条件を満たす世帯が省エネ基準適合住宅を取得すると、借入限度額は一般世帯の3,000万円から4,000万円に引き上げられます。つまり同じ住宅でも、顧客の属性によって控除額の上限が1,000万円分異なります。年間最大7万円(=1,000万円×0.7%)、13年間で最大91万円の差です。


さらに上位区分では優遇幅が大きくなります。長期優良住宅を取得した子育て世帯なら借入限度額は5,000万円となり、年間最大35万円の控除が可能です。13年間の累計で最大455万円に達するケースもあります。一方、同じ子育て世帯が省エネ基準適合住宅にとどまると、借入限度額は4,000万円で年間最大28万円、13年間で最大364万円の控除となります。上位区分との差は約90万円以上になります。


厳しいところですね。


区分の境目は細かくなっています。住宅の設計段階で断熱等性能等級や一次エネルギー消費量等級を1段階引き上げるだけで、区分が変わる場合があります。たとえば断熱等級4・一次エネ等級4(省エネ基準適合)から断熱等級5・一次エネ等級6(ZEH水準)に変更すると、一般世帯での借入限度額が3,000万円から3,500万円に上がります。その差は500万円、年間3.5万円・13年間で45.5万円の控除増です。住宅の設計仕様を検討する段階で、顧客の世帯属性を確認しながら最適な性能グレードを提案することが、建築業者の重要な役割になっています。


参考:借入限度額の違いと具体的な確定申告手続きの解説
住宅ローン減税を受けるには?借入限度額による違いを解説 - 住宅安心センター


省エネ基準適合住宅の区分が変わる2029年問題:建築業が今から備えるべき理由

多くの建築業従事者が見落としがちな点があります。「省エネ基準適合住宅」は、2029年以降の新築住宅では住宅ローン控除の対象外になる可能性が高いという事実です。


2025年12月に発表された令和8年度税制改正大綱において、国土交通省は「令和10年(2028年)以降に建築確認を受ける省エネ基準適合住宅について、住宅ローン控除の適用対象外とする」方向性を明示しています(登記簿上の建築日付が令和10年6月30日以前のものは適用対象)。つまり2029年入居を前提とした新築では、ZEH水準省エネ住宅以上でなければ住宅ローン控除が受けられなくなる見通しです。


これは2024年に「省エネ基準に満たない住宅は対象外」となったのと同様の流れです。


具体的に何が変わるかを整理すると、現在の「省エネ基準適合住宅」区分の最低要件である断熱等性能等級4・一次エネルギー消費量等級4では2028年以降の確認申請で住宅ローン控除が使えなくなります。最低でも「ZEH水準」に相当する断熱等性能等級5・一次エネルギー消費量等級6が必要になるわけです。さらに長期的には、国は2030年までにZEH水準を義務基準として義務化する方針を打ち出しています。


建築業従事者として今から取り組むべきことがあります。まず設計・施工の標準仕様をZEH水準以上に引き上げる準備が必要です。現在の施工ラインが断熱等級4止まりであれば、断熱材の厚みや窓サッシのグレードアップを検討する時期に来ています。また、省エネ計算の実施体制も重要です。仕様基準だけで対応しようとすると、断熱材の厚みや設備の選択肢が制限される場合があります。省エネ計算(標準計算)を行うほうが柔軟な設計が可能です。外注先への委託も含めて体制を整えておきましょう。


参考:ZEH水準省エネ住宅の定義や今後の義務化スケジュールの解説
【最新】住宅ローン減税の数年後の最低要件に!?ZEH水準省エネ住宅とは


建築業従事者が顧客説明で活かせる省エネ区分の独自視点:「区分アップ」の提案術

省エネ基準の区分は顧客にとってわかりにくいのが現実です。しかし建築業従事者が区分の違いをわかりやすく伝えられれば、そのまま受注率の向上と顧客満足度の改善につながります。


「区分アップ」の提案術が有効です。


住宅ローン控除の区分が1段上がることで得られる経済的メリットを「13年間の控除累計差額」として示すのが最も伝わりやすい方法です。たとえば「省エネ基準適合住宅」から「ZEH水準省エネ住宅」へのグレードアップを提案する際、一般世帯で年間4.9万円・13年間で63.7万円の控除増になることを具体的に提示します。さらに「このグレードアップに必要な追加工事費は約50〜80万円程度ですが、13年間の控除増でほぼ回収できます」という形で費用対効果を説明することで、顧客が納得感を持ちやすくなります。


特に注目すべきなのは、若い子育て世帯への提案です。子育て世帯・若者夫婦世帯の顧客は借入限度額の優遇が大きいため、ZEH水準以上への区分アップによる控除増が一般世帯より大きくなります。たとえば子育て世帯が省エネ基準適合住宅(限度額4,000万円)からZEH水準住宅(限度額4,500万円)に変えると、限度額差500万円×0.7%で年間3.5万円、13年間で45.5万円の控除増が見込めます。


注意点も伝えておく必要があります。区分アップには建築コストが上がることが多いため、顧客の総合的な資金計画と合わせて提案することが重要です。また、証明書の取得費用(3〜7万円程度)もかかります。設計・工事完了後に証明書が取れないトラブルを防ぐため、設計段階から省エネ計算の確認と証明書の発行体制を整えておくことを顧客に案内してください。


建築業が今後生き残っていくには、「断熱性能の数値」を語れるだけでなく、「顧客の手取りが増えるかどうか」を具体的な金額で説明できる提案力が求められます。住宅ローン控除の区分の知識は、そのための最も手軽で強力なツールになるはずです。


参考:省エネ性能の区分ごとの要件や控除の全体像を整理した公式資料
住宅ローン減税の制度概要(国土交通省・PDF)


十分な情報が集まりました。ここから記事を構成します。


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