sプレート開口寸法一覧|施工に必要な取付寸法完全ガイド

sプレート開口寸法一覧|施工に必要な取付寸法完全ガイド

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sプレート開口寸法一覧と施工要点

Sプレート開口寸法完全ガイド
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基本開口寸法

1コ用71mm、2コ用116mm、3コ用161mmの標準寸法

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取付枠仕様

はさみ金具対応の専用取付枠による確実な固定

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施工注意点

石膏ボード施工時の専用金具使用と適正トルク管理

sプレート開口寸法の基本仕様一覧

パナソニックのSプレートは、狭小スペースでの施工を可能にする薄型配線器具用プレートです。開口寸法は以下の通り規格化されています。

 

Sプレート開口寸法表

連数 A寸法(幅) 適用品番例
1連 71mm WCF8401CW、WCF8501CW
2連 116mm WCF8402CW、WCF8502CW
3連 161mm WCF8403CW、WCF8503CW

この寸法は取付穴の開口部分を示しており、実際の施工では±2mm程度の公差を考慮する必要があります。特に1コ用の71mm寸法は、従来のワイド21シリーズよりもスリムな設計となっており、キッチンカウンターや洗面台周りなどの限られたスペースでの施工に威力を発揮します。

 

Sプレートの特徴として、R部分がスクエア形状となっている点が挙げられます。これにより、モダンな空間デザインに調和しやすく、商業施設やホテルなどでも多用されています。また、マット仕上げ仕様も用意されており、セラミックホワイト、グレー、ベージュ、ブラックの4色展開で、様々な壁面に対応可能です。

 

sプレート取付枠寸法詳細と組み合わせ仕様

Sプレート専用の取付枠(WCN372シリーズ)は、はさみ金具対応となっており、ボックスレス工事に対応しています。各取付枠の詳細寸法は以下の通りです。

 

取付枠寸法詳細

品番 種別 A寸法 B寸法 a寸法(器具取付ピッチ)
WCN3721 1コ用 60±2mm 50±2mm 72mm
WCN3722 2コ用 105±2mm 95±2mm 117mm
WCN3723 3コ用 150±2mm 140±2mm 162mm

取付枠の奥行き寸法は一律30±1mmとなっており、壁厚6~18mmに対応するはさみ金具(WNH3992)と組み合わせて使用します。この組み合わせにより、石膏ボードへの直接取付が可能となり、工期短縮に大きく貢献します。

 

重要な点として、取付ねじはφ3.5~φ4のタッピンねじ、またはφ3.5~φ4.1の木ねじを使用する必要があります。ルータ加工を行う場合は、φ30のルータを使用し、はさみ金具取付時はルータ使用を避ける必要があります。

 

組み合わせ可能な器具として、埋込スイッチC、各種コンセント、LAN用情報モジュラジャック、USB充電コンセント、AVコンセント(HDMI対応)などがあり、現代の住宅設備に求められる多様なニーズに対応しています。

 

sプレート施工時の重要注意事項と安全基準

Sプレートの施工において、安全性と確実性を確保するため、いくつかの重要な注意事項があります。

 

電気工事における基本注意事項

  • 器具に指定された電線以外は絶対に使用禁止
  • より線の半田仕上げは発熱の原因となるため厳禁
  • 電線差し込み時は「ぐっと」奥まで1本ずつ確実に差し込む
  • 石膏ボード取付時は必ずはさみ金具を使用

取付面の仕上げも重要な要素です。プレートが取付面の反りに追従しきれず隙間が生じる原因となるため、できるだけ平らに仕上げる必要があります。特に石膏ボードの継ぎ目部分や凹凸がある箇所では、事前の下地調整が不可欠です。

 

はさみ金具の締付トルクは0.4N・m(4.1kgf・cm)以下とし、過大なトルクで締め付けると取付枠が変形する恐れがあります。また、石膏ボードなどねじの効かない場所への取付は避け、取付面の破損や器具の脱落を防ぐ必要があります。

 

内線規程との適合性も重要で、充填材が接触するおそれのある場所では使用できません。これらの規程遵守により、長期間にわたって安全で確実な施工が実現されます。

 

sプレートはさみ金具対応システムの技術仕様

Sプレートシステムの大きな特徴は、専用はさみ金具(WNH3992)による確実な固定機構にあります。このシステムは、従来のボックス工事と比較して大幅な工期短縮を実現します。

 

はさみ金具システムの技術的優位性

  • 壁厚6~18mmの幅広い対応範囲
  • 工具を使わない簡単な脱着機構
  • 石膏ボード直接取付による施工性向上
  • 配線スペースの最適化

施工手順は以下の通りです。

  1. はさみ金具を取付枠に引っ掛け、取付ねじでゆるく仮止め
  2. はさみ金具を壁内に潜らせる
  3. 取付ねじを適正トルクで締め込み固定
  4. プレートをはめ込み式で取付

この方式により、従来のボックス工事で必要だった下地工事や配線ボックスの設置が不要となり、特にリフォーム現場では大きなメリットとなります。

 

配線器具との組み合わせでは、各メーカーとの互換性も考慮されており、パナソニック以外の一部器具との組み合わせも可能です。ただし、安全性確保のため、メーカー推奨の組み合わせを基本とすることが重要です。

 

取付後のメンテナンス性も優秀で、プレートの脱着が容易なため、将来的な器具交換や配線変更にも柔軟に対応できます。

 

sプレート独自設計による空間活用最適化手法

Sプレートの最大の革新は、従来の配線器具では困難だった狭小スペースでの施工を可能にした独自の薄型設計にあります。この設計思想は、現代建築の多様化するニーズに対応したものです。

 

空間活用における革新的要素

  • プレート厚7mmの超薄型設計による壁面からの突出最小化
  • スクエアエッジデザインによる視覚的スッキリ感
  • 多彩なカラーバリエーションによる空間デザインとの調和
  • モジュラー設計による機能拡張性

特に注目すべきは、キッチンカウンターの立ち上がり部分や洗面化粧台の側面など、従来では施工が困難だった箇所での活用です。従来品では最低80mm程度の幅が必要だったものが、Sプレートでは71mmから施工可能となり、設計自由度が大幅に向上しました。

 

商業施設における応用例として、ホテル客室のヘッドボード部分やオフィスのパーティション際など、デザイン性と機能性の両立が求められる場面での採用が増加しています。マット仕上げ仕様では、高級感のある質感により、ハイグレードな空間にも違和感なく溶け込みます。

 

さらに、USB充電コンセントやLANジャック、HDMI対応AVコンセントとの組み合わせにより、現代のデジタル機器に対応した総合的な電源・通信環境の構築が可能です。

 

施工現場での実用性を考慮した設計により、電気工事士の作業効率も大幅に向上し、工期短縮とコスト削減の両面でメリットを提供しています。