スイッチボックス一個用寸法一覧完全ガイド

スイッチボックス一個用寸法一覧

スイッチボックス一個用基本寸法

スイッチボックス一個用の基本寸法は、JIS C8340規格により統一されています。最も一般的な仕様は以下の通りです。

 

標準寸法

• 長さ（L）：124mm
• 幅（W）：75mm
• 高さ（H）：50.5mm
• 質量：約410g

パナソニック製のDZB271KEモデルを例にとると、A型B型共用の深型として広く採用されており、建築現場での標準的な選択肢となっています。この寸法は市販のスイッチプレートとの適合性を考慮して設計されており、配線作業の効率化に大きく貢献します。

 

寸法規格の重要性
建築現場では、異なるメーカー間での互換性が重要です。統一された寸法規格により、配線器具の取り付けや交換作業がスムーズに行えます。特に改修工事では、既存の開口部に新しいボックスを設置する際、寸法の統一性が作業効率を大きく左右します。

 

寸法選択時には、取り付ける配線器具の種類と設置環境を十分に考慮することが必要です。標準寸法から外れる特殊用途の場合は、専用設計のボックスを選択する必要があります。

 

深型スイッチボックス寸法仕様

深型スイッチボックスは、配線容量の確保と作業性向上を目的として設計されています。一般的な浅型と比較して、内部容積が大幅に拡大されています。

 

深型の特徴的寸法

• 深さ：50.5mm（浅型は44mm）
• 内部容積：約15%増加
• 配線収容能力：最大6本まで対応可能

深型ボックスの最大の利点は、配線工事における作業効率の向上です。従来の浅型では配線の収納に苦労していた現場でも、深型であれば余裕をもって作業できます。特に太い電線や多芯ケーブルを使用する場合、深型の選択は必須といえるでしょう。

 

設置時の注意点
深型ボックスを選択する際は、壁厚との関係を慎重に検討する必要があります。石膏ボード厚12.5mmの標準的な壁面では問題ありませんが、薄壁の場合は突出する可能性があります。また、隣接するボックスとの間隔も、深型では最低75mm以上の確保が推奨されています。

 

コンクリート壁への埋込みでは、深型ボックス用の専用スリーブを使用することで、適切な施工が可能になります。現場での型枠工事段階から寸法を考慮した計画が重要です。

 

露出型と埋込型寸法比較

スイッチボックスは設置方法により、露出型と埋込型に大別されます。それぞれ異なる寸法特性を持ち、用途に応じた選択が重要です。

 

項目	露出型	埋込型
外形寸法	124×76×50mm	124×75×50.5mm
取付深さ	40mm/50mm	44mm/54mm
材質	鋼板/樹脂	鋼板/樹脂
適用場所	表面配線	隠蔽配線

露出型の寸法特性
露出型ボックスは、表面配線における迅速な施工を可能にします。特に改修工事や追加配線工事では、壁面を破壊することなく設置できる点が大きなメリットです。寸法的には埋込型よりもやや幅広に設計されており、モール類との接続を考慮した構造となっています。

 

埋込型の寸法特性
埋込型は新築工事での標準的な選択肢です。壁内に完全に収納されるため、美観上の優位性があります。寸法設計では、壁厚との適合性が最重要課題となり、一般的な木造住宅の壁厚105mmに対して最適化されています。

 

コンクリート造建物では、型枠段階でのボックス設置が必要となるため、寸法精度がより重要になります。施工図面での寸法指定は、ミリ単位での正確性が求められます。

 

材質別スイッチボックス寸法特性

スイッチボックスの材質は主に鋼板製と樹脂製に分かれ、それぞれ微細な寸法差があります。材質選択は耐久性と施工性に大きく影響するため、寸法特性の理解が重要です。

 

鋼板製ボックスの寸法特性

• 板厚：1.2mm（標準）
• 表面処理：電気亜鉛めっき
• 寸法精度：±0.5mm以内
• 質量：410g（標準）

鋼板製ボックスは高い寸法精度と優れた耐久性を持ちます。電気亜鉛めっき処理により、湿気の多い環境でも長期間の使用が可能です。重量があるため、取り付け強度の確保が重要になります。

 

樹脂製ボックスの寸法特性

• 肉厚：2.0mm（標準）
• 材質：難燃性ABS樹脂
• 寸法精度：±1.0mm以内
• 質量：180g（軽量）

樹脂製ボックスは軽量性が最大の特徴です。施工時の取り扱いが容易で、作業効率の向上に貢献します。ただし、温度変化による寸法変動が鋼板製より大きいため、設置環境の考慮が必要です。

 

特殊材質の寸法考慮
高温環境や腐食性環境では、ステンレス鋼やアルミニウム合金製のボックスも使用されます。これらは標準寸法を基本としながらも、材質特性に応じた微調整が施されています。

 

現場でのスイッチボックス寸法選択基準

実際の建築現場では、図面上の寸法だけでなく、施工条件や将来のメンテナンス性を考慮したボックス選択が重要です11。経験豊富な電気工事士が実践している選択基準を紹介します。

 

施工環境による寸法選択
🏠 住宅用途
一般住宅では標準寸法（124×75×50.5mm）で十分対応可能です。ただし、システムキッチンや洗面台周辺では、給排水配管との干渉を避けるため、薄型ボックスの選択も考慮します。

 

🏢 商業施設用途
商業施設では将来の改修を見込んで、深型ボックスの採用が推奨されます。配線変更の頻度が高いため、作業性を重視した寸法選択が重要です。

 

🏭 工場用途
工場環境では振動や温度変化に対応するため、肉厚の厚いボックスを選択します。標準寸法より10-15%大きめのクリアランスを確保することが一般的です。

 

配線容量による寸法選択
配線の本数と太さに応じた適切な寸法選択は、電気工事の品質に直結します。以下の基準を参考にしてください。

• 単線2本まで：標準寸法で対応可能
• 単線3-4本：深型推奨（余裕度20%以上）
• より線使用：深型必須（余裕度30%以上）
• 制御線併設：特大型検討（余裕度40%以上）

将来性を考慮した寸法選択
建物の長期使用を前提とした場合、将来の配線追加や器具交換を見込んだ寸法選択が重要です。初期コストは若干増加しますが、改修時のコスト削減効果は大きく、建物オーナーへの提案価値も高まります。

 

特にスマートホーム対応では、従来の電力線に加えて通信線の配線も必要になるため、余裕のある寸法選択が将来のトラブル回避につながります。

 

現場での実測確認も重要な作業です。図面寸法と実際の建物寸法には誤差があることが多く、ボックス設置前の現地確認により、適切な寸法選択が可能になります。