

単軸ロボットもロボシリンダも、直線動作を作る基本要素として「ボールねじ」「リニアガイド」「モーター」を組み合わせることが多く、見た目が似ていて混同されがちです。実際、単軸アクチュエータ(単軸ロボットの文脈で語られることが多い)は、ベース上のリニアガイドにスライダーを載せて動かす構造が典型で、偏荷重(モーメント負荷)に対して安定動作しやすい設計思想になっています。
一方でロボシリンダは「シリンダ」という名前の通り、押し引き(伸縮)を直感的に置き換えたい用途の要求から発展しており、ロッドが前進後退するロッドタイプでは、後退時に干渉領域が減る点が実務的に効きます。
参考)https://www.iai-robot.co.jp/download/catalog/pdf/RC-SOUGOU/CJ0203-3A-1/RC_2013-10_SHIRYOU(CJ0203-3A-1).pdf
さらにロッドタイプは、ボールねじ中心とロッド中心が同軸になりやすく、圧入・カシメなどの押付けで余計なモーメントが乗りにくい、という「治具設計を楽にする」方向のメリットが語られます。
ここで注意したいのは、カタログ上「同じ推力・同じストローク」に見えても、内部のガイド構成や、想定する負荷(スラスト中心か、モーメントを含むか)が違うと、装置としての安定性と寿命が変わる点です。単軸ロボット寄りのスライダータイプは、真直度が要求される用途(センサーやビジョンシステムの駆動軸など)にも適用が示されており、直線品質を軸に選びやすい側面があります。
現場で最もトラブルになりやすいのが、「推力(N)だけで選んだら、偏荷重でガタついた/寿命が出なかった」というパターンです。単軸アクチュエータのスライダータイプは、偏荷重(モーメント負荷)に対して安定動作に最適、と明確にうたっており、ここがロボシリンダ(押し引きの置換え)と分岐しやすいポイントになります。
また、ワイドスライダータイプのように、ガイド間ピッチを広げて許容モーメントを引き上げるアプローチもあり、「外付けガイドを必要としない使い方が拡大」と説明されています。つまり、同じストローク・同じ速度でも、治具が張り出す、ワーク重心がズレる、加減速が大きい、といった条件では“モーメント耐性の設計”が効いてきます。
建築系の設備(搬送・加工・検査)では、ワークが大型化しやすく、吸着ハンドや把持治具も重くなりがちです。そうなると、単純な「可搬質量」よりも、張り出し長さ×荷重で増えるモーメントをどう受けるかが重要になり、単軸ロボット系(スライダータイプ)の方が筋が良いケースが増えます。
用途で切ると、単軸ロボット(単軸アクチュエータ)は、搬送装置の移動、加工組立工程や検査軸の位置決め、直交ロボットのベース軸/可動軸などが挙げられています。
一方、ロッドタイプ(ロボシリンダの文脈で語られることが多い)は、圧入・カシメ・クランプ等の押付け制御、昇降、プッシャー等の伸縮動作の駆動源など、「前後に出し入れする」動きが中心です。
選定を実務に落とすために、判断軸を箇条書きにすると整理しやすいです。
・単軸ロボットが向きやすい条件
・ロボシリンダが向きやすい条件
また、空圧シリンダからの置換えを検討している場合は、「制御の細かさ」が選定の裏テーマになります。電動アクチュエータは細かな制御ができることが最大のメリット、と整理されており、位置決めや制御が必要な圧入・ハンドリングなどで強みが出ると説明されています。
検索上位の比較記事は、推力・速度・精度・剛性に話題が寄りがちですが、装置屋・施工寄りの視点では「干渉領域(退避スペース)」が意外なコスト要因になります。ロッドタイプでは、後退時に干渉領域が減少することが特徴として明記されており、周辺に安全柵、配線ダクト、他軸、治具が密集するレイアウトで効いてきます。
逆に、スライダータイプは「ベース上をスライダーが動く」構造なので、装置の外形がストローク方向に増えやすく、メンテの手の入りやすさ、配線の曲げ半径、カバーの取り合いが後から効きます。
建築設備やライン増設では、後から配管・配線・保護カバーが追加されることも多く、初期設計で干渉領域を読み違えると、現場調整の工数が跳ね上がります。
ここは「性能」ではなく「空間」で決まる話なので、比較表に出にくいのが落とし穴です。早い段階で、動作範囲とメンテスペースを2D図に落として、ロッドが引っ込むメリットを金額換算(筐体縮小、カバー削減、干渉回避の手戻り削減)しておくと、上司レビューでも説明が通りやすくなります。
単軸アクチュエータのタイプ別特徴(スライダー、ロッド、テーブル等)と、許容モーメント向上の考え方がまとまっています。
アイエイアイ:単軸アクチュエーター機種選定ガイド
空圧シリンダと電動アクチュエータの強み・弱み(「細かな制御」など、置換え検討での判断軸)が整理されています。
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