
建築現場で使用されるタラップの標準寸法は、製造メーカーごとに規格化されています。最も一般的なステンレス製タラップの寸法規格をご紹介します。
基本規格寸法一覧
具体的な製品例として、STP-34シリーズでは以下の仕様が標準となっています。
寸法表記において重要なのは「芯々(しんしん)」寸法の理解です。これはパイプの中心から中心までの距離を示し、多くの製品仕様書で採用されている表記方法です。外形寸法(外々)との違いを把握することで、現場での取り付け誤差を防げます。
塔屋タラップの特殊寸法
塔屋用途では、より大型の規格が採用されます。
建築用タラップの材質選定は、耐久性と美観の両面から重要な要素です。主流となっているのはSUS304ステンレス鋼で、その理由と仕様詳細を解説します。
材質規格の詳細
仕上げ方法による特徴の違いも重要な選択要素です。
主要仕上げ方法
特に注目すべきは、施工時の保護対策です。一部メーカーでは1本ずつポリ袋で保護し、コンクリート打設時の汚れや傷付きを防止する工夫を実施しています。これにより、完成後の美観維持と施工効率向上を両立できます。
価格帯の目安
SUS304製品の価格例(税抜)。
塔屋部分に設置されるタラップは、通常のタラップとは異なる設計基準と寸法規格が適用されます。建築基準法や安全基準に適合した製品選択が必要です。
塔屋タラップの標準仕様
旧建設省型の規格に基づく寸法体系。
手摺とステップの径が異なる点が特徴的で、手摺部分にはφ25またはφ32のパイプ、足掛け部分にはφ19またはφ22の丸棒が使用されます。
安全ガード付き仕様
より高い安全性が要求される場合、安全ガード付きの製品が選択されます。
安全ガードの追加により重量は約2倍になりますが、墜落防止効果は大幅に向上します。特に高層建築や公共施設では、このタイプの採用が増加傾向にあります。
ALC壁対応の特殊金具
ALC(軽量気泡コンクリート)壁への取り付けでは、専用の裏板金具が必要です。
これらの金具により、ALC壁の低い保持力を補強し、安全な取り付けを実現します。
建築現場でタラップ寸法を正確に理解するには、図面表記と実際の製品仕様の対応関係を把握することが重要です。現場での施工ミスを防ぐための実用的な知識をご説明します。
寸法表記の基本ルール
芯々寸法と外形寸法の使い分け。
図面指示の実例
製品番号による寸法の読み取り方。
この表記方法により、パイプ径、幅、高さが瞬時に判別できます。現場での製品確認時に、この番号体系を理解していると効率的です。
現場での実測ポイント
取り付け前の確認事項。
特に重要なのは、設計寸法と現場の実測値との微調整です。多くのメーカーでは、ルーズ穴(15×25mm)を設けて施工誤差を吸収できる設計としています。
特注対応時の指示方法
規格品で対応できない場合の発注方法。
標準規格品では対応できない特殊な寸法や形状が必要な場合、特注製作による解決が一般的です。品質とコストを両立させるための製作のポイントをご紹介します。
特注製作の対応範囲
多くのメーカーが対応可能な特注仕様。
ローレット加工の効果
滑り止め効果を高めるローレット加工は、安全性向上の重要な要素です。
品質管理の重要ポイント
特注品の品質確保のための管理項目。
製作期間は通常品より長くなるため、工程計画への組み込みが重要です。標準的な特注品で2~3週間、複雑な形状では4~6週間の製作期間を見込む必要があります。
コスト最適化の方法
特注品のコストを抑制する工夫。
現場の施工性を考慮した設計により、取り付け時間の短縮と品質向上を同時に実現できます。特に、アンカーボルトとの取り合い部分の設計は、現場での調整作業を最小限に抑える重要な要素となります。
建築用ステンレスタラップの詳細仕様については、各メーカーの技術資料を参照することで、より具体的な設計検討が可能です。