タラップ寸法一覧|建築用ステンレス製品規格表

タラップ寸法一覧|建築用ステンレス製品規格表

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タラップ寸法一覧

タラップ寸法規格の基本情報
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標準規格寸法

ステンレス製タラップの幅300-400mm、パイプ径φ16-34mmが主流規格

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材質仕様

SUS304HL仕上げが建築用標準、耐候性と施工性を両立

特注対応

現場寸法に合わせた製作可能、ローレット加工などオプション豊富

タラップの標準規格寸法表

建築現場で使用されるタラップの標準寸法は、製造メーカーごとに規格化されています。最も一般的なステンレス製タラップの寸法規格をご紹介します。

 

基本規格寸法一覧

  • 幅(芯々寸法):300mm、350mm、400mm
  • パイプ径:φ16mm、φ19mm、φ22mm、φ34mm
  • 長さ:150mm、250mm、300mm、350mm
  • 高さ:700mm~3,750mm(段数により調整)

具体的な製品例として、STP-34シリーズでは以下の仕様が標準となっています。

  • 方立:Φ34×2.0mm
  • ステップ:Φ19×2.0mm
  • 支持材:FB5×50mm または FB6×50mm
  • 全長:L=3,750mm

寸法表記において重要なのは「芯々(しんしん)」寸法の理解です。これはパイプの中心から中心までの距離を示し、多くの製品仕様書で採用されている表記方法です。外形寸法(外々)との違いを把握することで、現場での取り付け誤差を防げます。

 

塔屋タラップの特殊寸法
塔屋用途では、より大型の規格が採用されます。

  • 手摺パイプ:P-32φ×2t
  • ステップピッチ:@350mm
  • 幅(芯々):400mm
  • 段数:2段~6段(高さ700mm~2,100mm)

ステンレス製タラップの材質と仕上げ仕様

建築用タラップの材質選定は、耐久性と美観の両面から重要な要素です。主流となっているのはSUS304ステンレス鋼で、その理由と仕様詳細を解説します。

 

材質規格の詳細

  • SUS304:最も一般的、コストバランス良好
  • SUS304HL:ヘアーライン仕上げ、建築外装に適用
  • 板厚:1.2t~2.3t(用途により選択)
  • 耐荷重:160kgf~1000kgf(製品により異なる)

仕上げ方法による特徴の違いも重要な選択要素です。
主要仕上げ方法

  • HL(ヘアーライン):一方向の研磨痕、建築外装標準
  • #400バフ研磨:鏡面に近い仕上がり、高級感演出
  • 電気亜鉛メッキ:コスト重視、屋内使用向け

特に注目すべきは、施工時の保護対策です。一部メーカーでは1本ずつポリ袋で保護し、コンクリート打設時の汚れや傷付きを防止する工夫を実施しています。これにより、完成後の美観維持と施工効率向上を両立できます。

 

価格帯の目安
SUS304製品の価格例(税抜)。

  • STP-34-I:¥79,750
  • STP-34-V:¥88,000
  • YSL-42(3段):¥180,000
  • YSL-43(3段):¥75,000

塔屋タラップの設計寸法と安全規格

塔屋部分に設置されるタラップは、通常のタラップとは異なる設計基準と寸法規格が適用されます。建築基準法や安全基準に適合した製品選択が必要です。

 

塔屋タラップの標準仕様
旧建設省型の規格に基づく寸法体系。

  • 上部用(YTR-A1):φ25×φ22×400×1600mm
  • 中部用(YTR-A2):φ25×φ22×400×1050mm
  • 下部用(YTR-A3):φ25×φ22×400×700mm

手摺とステップの径が異なる点が特徴的で、手摺部分にはφ25またはφ32のパイプ、足掛け部分にはφ19またはφ22の丸棒が使用されます。

 

安全ガード付き仕様
より高い安全性が要求される場合、安全ガード付きの製品が選択されます。

  • 本体重量:19.7kg
  • ガード部重量:18.6kg(3枠)
  • 全体寸法:48.6φ×2550×360×6段

安全ガードの追加により重量は約2倍になりますが、墜落防止効果は大幅に向上します。特に高層建築や公共施設では、このタイプの採用が増加傾向にあります。

 

ALC壁対応の特殊金具
ALC(軽量気泡コンクリート)壁への取り付けでは、専用の裏板金具が必要です。

  • 壁厚60mm用:PSL-14(¥14,000)
  • 壁厚100mm用:PSL-15(¥15,000)
  • 壁厚125mm用:PSL-16(¥16,000)

これらの金具により、ALC壁の低い保持力を補強し、安全な取り付けを実現します。

 

タラップ寸法表記の読み方と現場対応

建築現場でタラップ寸法を正確に理解するには、図面表記と実際の製品仕様の対応関係を把握することが重要です。現場での施工ミスを防ぐための実用的な知識をご説明します。

 

寸法表記の基本ルール
芯々寸法と外形寸法の使い分け。

  • 芯々(しんしん):パイプ中心間の距離、設計図面で使用
  • 外々(そとそと):外形寸法、施工時の実測値
  • 内々(うちうち):内径寸法、配管干渉チェック用

図面指示の実例
製品番号による寸法の読み取り方。

  • 162530:16φ×250×300mm
  • 163030:16φ×300×300mm
  • 223540:22φ×350×400mm

この表記方法により、パイプ径、幅、高さが瞬時に判別できます。現場での製品確認時に、この番号体系を理解していると効率的です。

 

現場での実測ポイント
取り付け前の確認事項。

  • コンクリート面の垂直度(±3mm以内)
  • アンカーボルト位置の精度(±2mm以内)
  • 隣接設備との干渉チェック
  • 防水処理との取り合い確認

特に重要なのは、設計寸法と現場の実測値との微調整です。多くのメーカーでは、ルーズ穴(15×25mm)を設けて施工誤差を吸収できる設計としています。

 

特注対応時の指示方法
規格品で対応できない場合の発注方法。

  • スケッチまたはポンチ絵での寸法指示
  • 取り付け部の詳細写真提供
  • 現場の制約条件(搬入経路、作業時間等)の明示
  • 仕上げレベルの具体的指定

特注タラップの製作ポイントと品質管理

標準規格品では対応できない特殊な寸法や形状が必要な場合、特注製作による解決が一般的です。品質とコストを両立させるための製作のポイントをご紹介します。

 

特注製作の対応範囲
多くのメーカーが対応可能な特注仕様。

  • 寸法の自由設定(幅、高さ、奥行き)
  • ローレット加工による滑り止め処理
  • 昇降禁止板や進入禁止扉の追加
  • 特殊形状(L型、コの字型等)への対応
  • 表面処理の変更(メッキ、塗装等)

ローレット加工の効果
滑り止め効果を高めるローレット加工は、安全性向上の重要な要素です。

  • 加工費用:1段あたり3,400円程度の追加
  • 効果:雨天時の滑り防止効果約30%向上
  • 適用箇所:ステップ部分のみ、または全面加工
  • 加工深さ:0.3mm~0.5mm(材質により調整)

品質管理の重要ポイント
特注品の品質確保のための管理項目。

  • 溶接部の外観検査(ビード形状、色合い統一)
  • 寸法精度の確認(±1mm以内の精度維持)
  • 表面仕上げの均一性(研磨方向の統一)
  • 梱包・輸送時の保護対策

製作期間は通常品より長くなるため、工程計画への組み込みが重要です。標準的な特注品で2~3週間、複雑な形状では4~6週間の製作期間を見込む必要があります。

 

コスト最適化の方法
特注品のコストを抑制する工夫。

  • 標準材料の組み合わせによる設計
  • 加工工程の簡略化(不要な仕上げの削減)
  • まとめ発注による単価削減効果
  • 類似物件での仕様統一による量産効果

現場の施工性を考慮した設計により、取り付け時間の短縮と品質向上を同時に実現できます。特に、アンカーボルトとの取り合い部分の設計は、現場での調整作業を最小限に抑える重要な要素となります。

 

建築用ステンレスタラップの詳細仕様については、各メーカーの技術資料を参照することで、より具体的な設計検討が可能です。

 

ステンレスタラップの規格品詳細仕様と価格表