タラップ寸法基準一覧
    タラップ寸法規格の基本概要
    
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            標準寸法規格
            幅400mm前後、間隔300-350mm、パイプ径Φ30前後が基本仕様
         
     
    
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            材質規格
            SUS304ステンレス製が主流、HL仕上げや400#研磨仕上げ
         
     
    
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            安全基準
            労働安全衛生法準拠のノンスリップ構造、ローレット仕様対応
         
     
 
タラップ規格寸法の基本仕様と標準サイズ
建築現場で使用されるタラップの規格寸法は、労働安全衛生法に基づいた基準が設けられています。標準的なタラップの基本仕様として、幅は400mm前後、踏み桟の間隔は300-350mm程度が一般的です。
 
主要な寸法規格は以下の通りです。
- 幅寸法:300mm、350mm、400mmが標準サイズ
- 長さ寸法:1,400mm、2,100mm、3,750mmが一般的
- ステップピッチ:350mmが標準間隔
- パイプ径:Φ16、Φ19、Φ22、Φ34が主流
ステンレス製タラップでは、SUS304材質のHL(ヘアーライン)仕上げが標準となっており、方立部分にΦ34×2.0mm、ステップ部分にΦ19×2.0mmのパイプが使用されることが多いです。
 
寸法表記において重要なのは、芯々(しんしん)寸法と外々(そとそと)寸法の違いです。芯々寸法はパイプの中心から中心までの距離を表し、多くの製品仕様書で採用されています。
 
ステンレスタラップの材質規格と製品仕様一覧
ステンレス製タラップの材質規格は、主にSUS304が使用され、耐食性と強度のバランスに優れています。製品仕様は以下のような規格体系となっています。
主要メーカー規格例
- STPシリーズ:L=3,750mm、方立Φ34×2.0、ステップΦ19×2.0
- YSTシリーズ:Φ16-22、幅160-350mm、長さ300-400mm
- Tシリーズ:高品質タラップパーツ、200#研磨仕上げ
仕上げ規格の種類
- HL(ヘアーライン)仕上げ:標準的な仕上げ方法
- 400#バフ研磨:高級仕上げ、別途見積り対応
- 200#研磨程度:一般的な仕上げレベル
- ローレット仕様:滑り止め加工、オプション対応
材質の重量計算も重要で、例えばYST-00(Φ16×160×300)で1.04kg、YST-25(Φ22×350×400)で3.22kgとなっており、設計時の荷重計算に必要です。
 
タラップ設計時の安全基準と寸法計算方法
タラップの設計では、労働安全衛生規則に基づいた安全基準の遵守が必須となります。設計時に考慮すべき寸法計算方法と安全基準は以下の通りです。
安全寸法の基準値
- 最小幅寸法:300mm以上(作業者の体幅を考慮)
- ステップ間隔:300-350mm(登りやすさと安全性のバランス)
- 手摺り高さ:1,100mm以上(転落防止)
- 背カゴ深さ:150mm以上(背中からの転落防止)
荷重計算と構造強度
タラップの構造計算では、作業者の重量(標準100kg)に安全率2.0を乗じた200kgの荷重に耐える設計が求められます。パイプ径の選定は以下を基準とします。
- 短いタラップ(2m以下):Φ16-19mm
- 中程度タラップ(2-4m):Φ22-27mm
- 長いタラップ(4m以上):Φ34mm以上
支持材についても、FB5×50やFB6×50などのフラットバーが使用され、タラップの長さに応じて適切な断面を選定する必要があります。
 
建築現場でのタラップ寸法選定ポイントと設置基準
建築現場における適切なタラップ寸法の選定は、設置場所の条件と使用目的によって決まります。実際の現場での選定ポイントを以下にまとめます。
設置場所別の寸法選定
- 屋上アクセス用:幅400mm、長さ3,750mm、安全ガード付き
- 機械室アクセス用:幅300mm、長さ2,100mm、コンパクト設計
- 塔屋用:L型形状、48.6φ×2,550×360×6段構成
- プール用:コの字型、幅488mm×奥行600mm×高さ1,438mm
特殊仕様への対応
建築現場では標準規格では対応できない特殊な寸法要求があります。
- 別注サイズ製作:10φ-40φまで実績あり
- ジョイント式対応:現場での組み立て性を重視
- 昇降禁止板付き:メンテナンス時の安全確保
- 背カゴ付き仕様:高所作業での転落防止
現場での施工性を考慮し、1本ずつポリ袋で保護された製品を選定することで、配送時の傷防止や施工時のコンクリート付着防止が可能です。
 
タラップ各部位の名称と寸法測定の実務ポイント
タラップの寸法測定と発注時には、各部位の正確な名称理解が不可欠です。実務で重要となる測定ポイントと名称を詳しく解説します。
主要部位の名称と機能
- 支柱(しちゅう):タラップの縦方向構造材、荷重を支える主要部材
- 踏み桟(ふみざん):手足をかける横方向部材、滑り止め加工必須
- エンドグリップ:登りきった部分の握り部、様々な形状がある
- 受けピース:鉄骨への取付け部材、工場溶接が必要
寸法測定の実務ポイント
寸法の表記方法には以下の種類があり、発注時の混乱を避けるため正確な指定が重要です。
- 芯々寸法(しんしん):パイプ中心間の距離、設計図面の基準
- 外々寸法(そとそと):外形寸法、実際の設置スペース
- 内々寸法(うちうち):内部有効寸法、作業スペースの確認
特注製作時の寸法指示方法
特注でタラップを発注する際は、以下の方法で寸法を明確に伝えることが重要です。
- 詳細寸法図面:AutoCADデータまたは手書きスケッチ
- ポンチ絵:主要寸法を記載した概略図
- 現場写真:既存設備との取り合い確認
- 3D測定データ:複雑な形状の場合
鉄骨タラップでは、ステップピッチ35cm、幅30cm、長さ210cmまたは140cmの規格品を組み合わせることで、効率的な割り付けが可能となります。また、必要に応じてタラップをスライドさせて位置調整ができる構造を採用することで、現場での微調整に対応できます。