低モジュラスシーリング材 柔軟性 追従性 ALC外壁 施工ポイント

低モジュラスシーリング材 柔軟性 追従性 ALC外壁 施工ポイント

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低モジュラスシーリング材 特徴と使い分け

低モジュラスシーリング材の概要
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なぜ低モジュラスが選ばれるか

柔軟性と追従性、内部応力の小ささから、動きの大きい外装目地で重宝される理由を整理します。

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サイディング・ALCでの実務的な使い分け

モジュラス区分と目地設計の関係を押さえながら、代表的な部位別の選定ポイントを解説します。

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規格と製品仕様を読むコツ

JISや9030・8020などの表記から、低モジュラスシーリング材の性能を読み解く勘所を紹介します。

低モジュラスシーリング材 モジュラス区分と基本性能


低モジュラスシーリング材は、引っ張り変形させたときに元に戻ろうとする力(モジュラス)が小さいシーリング材を指し、柔らかく良く伸びることが大きな特徴です。モジュラスの区分は日本シーリング材工業会などで整理されており、一般に50%伸長時の応力が一定値未満のものを低モジュラス、それ以上を中・高モジュラスとして分類します。
低モジュラス品は、ムーブメントの大きい目地や幅の広い目地に適しており、伸びにより動きに追従しつつ、戻ろうとする力が小さいため被着体への負担も抑えられます。結果として、窯業系サイディングやALCボード外壁など、温度・湿度変化で動きが出やすい部位では、低モジュラスシーリング材が事実上の標準仕様になっている現場も少なくありません。

  • モジュラスとはシーリング材など弾性体の「元に戻ろうとする力(応力)」であり、低モジュラスはこの力が小さいため高い追従性を示す。
  • 日本シーリング材工業会の基準では、50%モジュラス値により低・中・高モジュラスに区分され、設計時のムーブメント量に応じた選定が求められる。
  • 低モジュラスシーリング材は、窯業系サイディングボード外壁など挙動が大きい部位に用いられ、目地の動きによる割れや剥離のリスクを減らす。
  • 外壁目地やサッシまわりなどで、柔軟性・追従性を重視する場合は低モジュラスが優先されるが、すべての部位に万能というわけではなく、躯体条件を踏まえた使い分けが必要になる。

「モジュラスの高低はどのように区分されているのか」「LMという記号は何を意味しているのか」といった疑問は、規格票を一度しっかり読み込んでおくことで、現場ごとの材料選定が格段にスムーズになります。特に初めて扱う製品では、カタログ上の短い説明だけで判断せず、50%モジュラス値や耐久区分、設計伸縮率などを併せて確認しておくと、後のクレームリスクを減らせます。ykkap+3​

低モジュラスシーリング材 ALC外壁・サイディング目地の使い分け

低モジュラスシーリング材は、ALC板や窯業系サイディングのように、目地幅が大きく動きも出やすい外装材との相性が良く、柔軟性と伸びによってひび割れを抑えやすい材料です。特にALC板や軽カル板など表面強度の低い被着体では、内部応力が小さい低モジュラスを用いることで、目地の動きが被着体側の欠けや割れに直接つながりにくくなります。
一方で、鉄筋コンクリート造など躯体の動きが小さい部分では、高モジュラス材を用いた方が形状保持に優れ、不要な変形を抑えられるケースもあります。そのため、同一建物内でも「サイディング外壁の目地は低モジュラス」「ほとんど動かないRC躯体の一部は高モジュラス」といった使い分けをすることが、長期耐久性とコストのバランスを取るうえで現実的です。

部位・躯体 動きの程度 推奨モジュラス ポイント
窯業系サイディング外壁目地 大きい 低モジュラス 伸びと追従性を優先し、割れや剥離を抑える。
ALC板・軽カル板まわり 大きい 低モジュラス 内部応力を小さくして、表面強度の低い板材を保護する。
サッシまわり外装目地 中程度 低〜中モジュラス サッシ枠や仕上げの仕様に応じて、必要な追従性と形状保持のバランスをとる。
RC造で動きの少ない目地 小さい 中〜高モジュラス 剛性を高め、形状が崩れないようにする。
  • 低モジュラスシーリング材は、窯業系サイディングやALC板などムーブメントが大きい外装材の伸縮・打継ぎ目地に適し、外装の割れを抑えるのに役立つ。
  • ALC板や軽カル板のような表面強度の低い材料では、内部応力の小ささが特に重要になり、目地の動きによる板材の欠けを防ぐ効果が期待できる。
  • 鉄筋コンクリート造などの動きが小さい部位では、高モジュラス材の方が形状保持に優れ、不要な大変形を抑えられるケースもあるため、部位ごとの使い分けが欠かせない。
  • 同一建物でも、外壁目地は低モジュラス、構造的に硬い部分は中〜高モジュラスといった設計が、コストと耐久性の両面で合理的な選択となる。

低モジュラスシーリング材 変成シリコーン・シリコーン系の選び方

低モジュラスシーリング材には、変成シリコーン系やシリコーン系、ポリサルファイド系など複数の系統があり、それぞれ耐候性や塗装適合性、作業性が異なります。変成シリコーン系は、窯業系サイディングやALC、コンクリート二次製品などとの接着性に優れ、上から水性・溶剤系塗装を行いやすいことから、外装改修・新築ともに広く採用されています。
シリコーン系は耐熱・耐寒・耐候性に非常に優れ、長寿命が期待できる一方で、仕上げ塗装との相性や汚染・ホコリ付着のしやすさに注意が必要であり、低モジュラスタイプでも表面にホコリがつきやすい傾向が指摘されています。また、JIS区分や「LM」「9030」「8020」といった表記は、モジュラスや耐久性、試験条件を示しており、同じ低モジュラスでも性能レンジは製品ごとに異なるため、実務ではカタログ値だけでなくJIS適合区分も併せて確認することがポイントです。

  • 変成シリコーン系の低モジュラスシーリング材は、窯業系サイディング、ALC、コンクリートなど多様な下地に適合し、塗装との相性も良いため、外装の標準仕様として採用されやすい。
  • シリコーン系の低モジュラス材は、耐候性に優れる反面、表面にホコリが付着しやすいなど仕上がり面の注意点があり、採用時は仕上げ仕様と外観要求を確認する必要がある。
  • 「LM」「9030」「8020」などのJIS表記は、低モジュラス区分や耐久区分を示しており、目地の設計伸縮量や要求耐用年数に応じてこれらの区分を見ながら製品を選定するのが望ましい。
  • 近年は、1成分形でありながら2成分形低モジュラス品に匹敵する物性を持つシリコーンシーリング材も登場しており、施工性と性能を両立させたい現場で選択肢が広がっている。

低モジュラスシーリング材 施工上の注意点と意外な落とし穴

低モジュラスシーリング材は柔らかく追従性に優れる一方で、その柔らかさゆえに「目地形状やバックアップ材の入れ方が甘いと、過度に変形して美観や耐久性を損なう」という落とし穴があります。特に幅の広い目地では、設計伸縮量を考えた断面設計(深さと幅の比率)とバックアップ材の適切な配置が重要で、柔らかいからといって充填量任せにすると、局所的な応力集中やたるみを招きかねません。
また、低モジュラスシーリング材の中には、表面硬化が比較的早く、ほこりがつきやすいものもあるため、周囲環境を含めた施工タイミングに注意が必要です。塗装仕上げを前提とする場合は、メーカーが示す塗装可能時間や適合塗材の情報を確認し、塗り替え時期の想定を含めて仕様を決めることで、後からの塗膜割れや付着不良を減らすことができます。

  • 柔らかい低モジュラスシーリング材でも、目地断面設計が不適切だと局所的な応力集中やたるみを招き、結果として早期劣化につながる可能性がある。
  • 幅の広い目地では、バックアップ材やボンドブレーカーを用いて「二面接着」を確保し、必要な伸縮量をシーリング材が均等に負担できるようにすることが重要になる。
  • 低モジュラスシーリング材の一部は表面にホコリが付着しやすい傾向があり、外装で露出仕上げとする場合には周囲の粉じん環境や清掃性も考慮しておくとよい。
  • 塗装仕上げを行う場合、メーカー推奨の塗装可能時間や適合塗材を守らないと、塗膜割れや付着不良が発生しやすくなるため、カタログや技術資料の施工条件を事前に確認しておく必要がある。

低モジュラスシーリング材 長期性能を引き出す維持管理と改修戦略

低モジュラスシーリング材の性能は、適切な材料選定と施工だけでなく、その後の維持管理や改修タイミングにも大きく左右されます。外装シーリングは紫外線や温度変化、風雨にさらされ続けるため、早いものでは10年前後からひび割れやチョーキング、剥離が見られることもあり、表面変化を見逃さない定期点検が重要です。
改修時には、既存のシーリング材の系統(変成シリコーン系か、シリコーン系かなど)を把握し、塗り替え・打ち替えのどちらが適切かを検討する必要があります。近年では、既存の低モジュラス2成分形シーリングと同等の物性を持つ1成分形シリコーンが登場しており、調達リスクや施工性を考慮して「改修時には別系統の低モジュラス材に切り替える」という選択肢も現実的になってきました。

  • 低モジュラスシーリング材は外装で厳しい環境にさらされるため、10年前後を目安にひび割れや剥離の有無を点検し、必要に応じて早期に補修計画を立てることが望ましい。
  • 改修時には、既存シーリング材の系統やモジュラス区分、塗装有無を把握し、既存仕上げとの適合性を考えた上で打ち替え・増し打ちの判断を行うことが重要となる。
  • 2成分形低モジュラスシーリング材の代替として、同等の物性を持つ1成分形シリコーンが活用できるケースもあり、調達や施工の制約が厳しい現場では有効な選択肢となる。
  • JISの耐久区分やメーカーの試験データ(9030や8020など)を確認し、想定する耐用年数や目地のムーブメントに対して十分な余裕がある仕様かどうかを検証しておくことで、長期的なメンテナンスコストを抑えられる可能性が高まる。

変成シリコーン系低モジュラスシーリング材の種類やJIS区分、代表的な用途・施工上の注意点については、一般社団法人日本シーリング材工業会の技術資料が体系的に整理されています。


参考)変成シリコーン系|日本シーリング材工業会

変成シリコーン系シーリング材のJIS区分と代表製品一覧(低モジュラスF-20LM-8020、F-25LM-9030など)の参考リンク




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