ALC用塗料の下地調整とシーリング

ALC用塗料の下地調整とシーリング

記事内に広告を含む場合があります。

ALC用塗料の下地調整とシーリング

ALC用塗料で失敗を減らす要点
🧱
下地調整が成否を決める

ALCは吸水性が大きく、下地調整が弱いと塗膜の連続性が崩れて早期劣化につながります(目つぶし・吸い込み止め・不陸調整が要点)。

💧
放湿性と密閉回避

ALCは放湿性があるため、両面を密閉する仕上げは避ける考え方が基本です(ふくれ・剥がれの遠因)。

🧩
シーリングは「低モジュラス」

目地はワーキングジョイントになりやすく、低モジュラスのシーリング材・二面接着などの基本を外すと再発します。

ALC用塗料の下地調整と吸い込み止め


ALC(軽量気泡コンクリート)は多孔質で吸水性が大きく、外壁では防水性のある仕上げが必要だと整理されています。
さらに、仕上げ塗材で仕上げる場合は、JIS A 6916に位置づく「建築用下地調整塗材」等による下地調整が必要で、下地調整が省略されたり塗布が不十分だと「塗膜の連続性が確保されない」→耐久性低下や不具合につながる、という趣旨が明記されています。
現場目線では、この「塗膜の連続性」を作るために、下地調整材で①目つぶし(気泡を埋める)、②吸い込み止め(上塗りのムラと所要量の暴れを抑える)、③軽微な不陸を均す、の3目的を同時に満たす設計にするのが合理的です。
下地調整材の具体例として、有機系フィラーでJIS A 6916「下地調整塗材E」に該当し、シーラー工程の省略をうたうタイプがあります(工期短縮・性能安定を狙った設計)。


同系統の“シーラー+フィラー兼用”は、ALC向けに「目つぶし効果」と「吸い込み止め効果」を同時に持たせる製品設計が多く、工程を減らしても目的を落としにくい点がメリットです。


参考)アンダーフィラーAL|日本ペイント株式会社

一方で、素地の状態(旧塗膜の有無、劣化粉、爆裂、含水)によっては「工程短縮=品質確保」にならないことがあるため、仕様書どおりの適用下地・希釈・膜厚・乾燥時間を守るのが前提になります。


ALC用塗料の透湿性とふくれ・剥がれ

ALCは放湿性・通気性があるため「両面を密閉する仕上げは避ける」という注意点が技術資料で明示されています。
この考え方を塗装に落とすと、透湿性が低い仕上げや、下地が乾き切っていない状態での塗り込みは、内部の水分が逃げにくくなり“ふくれ”や“剥がれ”の誘因になり得ます。
実際、ALC外壁で「透湿性のない塗料」が原因となり、内部の水分が逃げ場を失って塗膜を押し上げる(熱膨れのような現象)という説明も一般向けに整理されています。
ここで誤解しやすいのが「防水性を上げる=とにかく密閉する」発想です。


参考)アンダーフィラーS|日本ペイント株式会社

ALCでは、雨水の侵入を止める“防水性”と、壁体内の湿気を逃がす“放湿・透湿”のバランスを取り、下地の乾燥確認と合わせて“閉じ込めない防水”を設計するのが基本になります。

この前提があるからこそ、下塗りで吸い込み止めと目つぶしを作り、上塗りは可とう性・耐候性だけでなく透湿性も含めて検討する、という順番が合理的です。

ALC用塗料のシーリングと目地

雨がかりとなるALCパネルの目地は、水密・気密確保のためシーリング材を充填する必要があると整理されています。
また、ALCに使うシーリング材はモジュラスの低いもの(50%引張応力が0.3N/mm2以下のタイプ)を用いる、という具体的な目安も示されています。
さらにロッキング構法などで目地がワーキングジョイントになる場合は、ポリウレタン系や変成シリコーン系が望ましい、目地底はバックアップ材等で二面接着とする、といった納まりの基本も触れられています。
塗装側から見た要点は、「シーリングの上に硬質な下地調整材(セメント系下地調整材)で下地処理をしない」旨の注意を踏まえ、シーリング部と面部を“同じ材料・同じ硬さ”で一体化させないことです。

シーリングの上まで硬く作り込むと、目地の動きが逃げずに塗膜割れや剥離を呼びやすく、結果的に雨水経路を作ってしまいます。

したがって、現場では「目地は追従(低モジュラス)」「面は連続塗膜(下地調整+上塗り)」と役割分担させ、取り合い(シール上端・三角シール周り)の塗り厚不足を意識して検査項目に組み込むのが効きます。

ALC用塗料の工期短縮と工程

工期・人工の制約が強い現場では、下地調整材で“シーラー工程を省略”できるタイプが有力な選択肢になります。
たとえば、有機系フィラーとしてJIS A 6916「下地調整塗材E」に該当し、シーラー工程の省略を特長に挙げる製品があり、こて・刷毛・ローラー・吹付など複数の施工方法に対応しています。
同様に、シーラーとフィラーの機能を兼備し工程短縮をうたうALC向け下地調整材も存在し、セメント系フィラーで懸念されがちなアルカリ残留やエフロの問題を回避する設計思想が示されています。
ただし、工程短縮は「下地の状態が仕様の想定内」であることが条件です。


旧塗膜の密着不良があるのに“上から便利材で一発”を狙うと、最初の数か月は見栄えが整っても、次の季節変化で膨れ・剥がれが顕在化しやすくなります(温度変化・水の侵入・施工不良が要因になり得る、という整理)。


参考)ALC壁に浮き・膨れが発生するのはなぜ?原因と対策を解説!|…

したがって、短縮するのは工程数であって、調査(含水・劣化部)と下地処理(清掃・脆弱部除去・必要箇所の補修)を短縮しない、という線引きが重要です。

ALC用塗料の独自視点:冬期・寒冷地の凍害

ALCは吸水した状態で凍結融解を繰り返す条件にさらされると凍害を受けることがあり、外部から浸入する水による凍害、内部結露など内部からの水による凍害に分けて注意点が整理されています。
このため寒冷地(長野のように冬期の冷え込みがある地域を含む)では、単に「塗料の耐候性」だけでなく、シーリング欠陥や取り合い部からの浸入水を前提に“水の入口を潰す”設計・施工が、塗膜寿命を超えてALC本体を守る意味を持ちます。
意外と見落とされるのが、サッシ廻りなどでALC小口から浸入水が起点になり得る点で、寒冷地対策の中ではサッシ取付けに先行して小口に防水プライマーを塗布する、といった具体策も示されています。
ここを塗装計画に翻訳すると、①目地・開口・笠木・水切りなど“線の防水”の優先順位を上げる、②下地の乾燥確認を厳格にする(湿潤だと付着不良やふくれ要因)、③透湿性を意識して“閉じ込めない”仕上げ体系にする、の3点が実務的なポイントになります。

凍害は発生すると補修が大きくなりやすいため、塗膜がまだ健全な段階での点検・メンテナンスを前提に、仕様書と納まりを最初から“雪・氷・結露”まで含めて組み立てるのが、結果的にコスト最適化になります。

下地調整・放湿性・シーリングの根拠がまとまった技術資料:外壁仕上げの留意点/下地調整/シーリング選定(低モジュラス)
ALCパネルの仕上げおよび防水(ALC協会 技術資料)
シーラー工程省略型の下地調整塗材(有機系フィラー、JIS A 6916 下地調整塗材E)の仕様:用途・適用下地・施工方法
SFアンダー 製品情報(エスケー化研)




カンペハピオ ペンキ 塗料 水性 つやあり 外壁用 厚膜仕上げ 防水効果 高耐久 防カビ剤入り 凹凸模様 水性シリコン凹凸外かべ用 ホワイト 4K 日本製 00437654013040